『マリリン 7日間の恋』が3月24日より公開中です。公開を記念して、マリリン・モンローを演じた主演のミシェル・ウィリアムズが、マリリンも来日時に宿泊した帝国ホテルで会見を行いました。その模様をレポートします。

マリリン 7日間の恋とは

マリリン 7日間の恋の画像
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マリリン 7日間の恋は、1956年当時、ローレンス・オリヴィエとマリリン・モンローが共演した『王子と踊子』の撮影時の助監督、コリン・クラークによる回顧録の映画化。『王子と踊子』の撮影風景と共に、コリンとマリリンの淡い恋が描かれている。

監督は、イギリス人のサイモン・カーティス。マリリン・モンローを演じるミシェル・ウィリアムズは、今作で昨年の『ブルー・バレンタイン』に続く2年連続アカデミー賞ノミネートとなった。ゴールデングローブ賞、インディペンデント・スピリット賞も受賞。

ローレンス・オリヴィエを演じるのはケネス・ブラナー。コリン・クラークを演じるのは、『グッド・シェパード 』、『美しすぎる母』などで期待の若手エディ・レッドメイン。ヴィヴィアン・リーに、ジュリア・オーモンド、マリリンの事業パートナーのミルトン・グリーンを、『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』などで注目のドミニク・クーパーが演じているのにも注目。

魔法のようなめぐり合わせを感じた

ミシェル・ウィリアムズさんの会見の最初の質問は、マリリン・モンローがジョー・ディマジオとの新婚旅行で泊まったホテルの帝国ホテルについて。このホテルで会見をするということはどう感じますかと聞かれ、「魔法のような巡りあわせを感じます。王子と踊子を撮った時のマリリン・モンローは、私が撮影した時と同じ30歳でした。

また撮影所も同じパインウッドスタジオ。同じ楽屋を使わせてもらいました。またご存知かと思いますか、ロケーションも実際の場所を使っています。シンクロニシティがすごく多く、この帝国ホテルで会見ができるというのも幸福な巡りあわせだと思います」

ミシェル・ウィリアムズの画像歌が素晴らしかったですが、レッスンはいかがですか? という質問に「今回マリリンを演じるために、彼女の出演作は全て見ましたし、映画にとどまらず、テレビの出演作、ラジオの主演まですべて、見られるもの聞けるもの、全て何度も見返しました。

映画の作品では、例え評価が高くない『帰らざる河』のようなものも、パフォーマンスとして、そして彼女の声の使い方が、素晴らしかったので、どの作品も自分が参考するのに役立ちました。演じるための準備期間は10ヶ月あったんですが、歌にかけたのはその内三週間からひと月ぐらいでした」

マリリンが過ごしたパークサイドハウスでの撮影

外面的、内面的な演技面のアプローチを教えて下さい。という問いに、「内面と外面とほとんど同時にアプローチしたという感じです。どんな役でもそうなのですが、自転車の前輪と後輪のように内面と外面と2つの面が揃っていないとバランスが取れないのです。

大切なのは自分からこういうふうにしようというのではなく、いろいろなものでリサーチして学ぶこと、そして見たり聞いたり感じたりしたものの中から、自然に自分の中でマリリンが形作られていく。そういうような感じで演じました」

あなたもマリリンと同じようにアメリカ人で、イギリスへ行きイギリス人のスタッフと映画を撮るというように共通点があると思うのですが?という質問に「今回は1950年当時と違って、みんなとても暖かく迎えてくださったので、マリリンが抱えたような葛藤というようなものありませんでした。イギリスはスタッフにしても、演技法にしてもとても伝統があります。そういうことには驚嘆させられました」と感想を述べていました。

マリリンが実際に止まっていたパークハウスでの撮影については、「全て特別なロケーションで、そういう所で撮影できたということは、幸運でした。中でも特にパークサイドハウスでの撮影は、より感じるものが多かったです。

実際に階段や室内での撮影ができたんです。彼らが実際にそこでやり取りしたその場なのだということ。それが私がやってきたことがよかった、この役をやることができて良かったという思いにつながりました」とのこと。

『お熱いのがお好き』のマリリンは最高

マリリンもオリヴィエも内なる孤独に苦しめられていたと思うのですが、ミシェルさん支えてくれる存在はいますか? それともご自身で解決しますか?と聞かれ、「彼らが感じていたような孤独な寂寥感というようなものは、私にも感じられますし、彼らのようにサポートしてくれる存在もあります。

ミシェル・ウィリアムズさんと西山茉希さんマリリンに比べると私には内なるサポートシステムがより強くあるのではないかと感じます。映画というのは、知らない人同士が共に作るものなので、最初のうちは、やはり寂しさのようなものを感じることも多いのです。でも、共に力をあわせてものづくりをしていく中で、次第に気心が知れてきて、お互いに支えあって、将来を共に過ごす人と出会うことになったりもします」と語っていました。

マリリンが出た映画で一番お好きなものは、「多分、『お熱いのがお好き』です。最高の状態のマリリンが、最高の映画に出演した作品だと思います。ただ、あなたの一番の親友を選んでくださいと言われるのと同じように、苦渋の選択でもあります。ただ私の中で何度見ても飽きない映画だなと思います」とのこと。

お嬢さんから託されたガラス瓶

また、マリリン・モンローについては、「実は私はマリリンについては、今回の映画に出るまではあまり知らなかったんですね。写真のイメージしかなくて、それまでは動かない二次元のマリリンしか知りませんでした。今回この映画を通して、写真のマリリンと動くマリリンが一体化したような感じでした。

立体化したマリリン像が見えてきました。また彼女を知るにつれ、驚いたことがあります。いかに彼女が物事に真剣に取り組んできたか、いかにデリケートであったか、いかに思いやりがあり、心が広かったかということ。そして彼女が抱えていた哀しみにも驚かされました」と語っていました。

今回大事なものを、お嬢さんから託されてきたとのこと。「日本に来ると娘に言ったところ、とても喜んだんです。普段は私が出張するのを嫌がるのですが。というのも、去年の3.11の地震があった時に、私達もその知らせを受け、とてもショックを受けたことがあります。自分の娘も友達たちも学校で話題が出るぐらいでした。そして、何か日本のためにできることはないかと聞かれました。

そこで、ガラスの瓶をキッチンに置きましょう。お手伝いの時や、絵やステッカーを売って、お小遣いをつくるとか、ゴミを出したら、お小遣いをあげるから、それを貯めたらどうかしらと言いました。そしてそのガラス瓶は、彼女が少しづつお金を貯め、一杯になりました。今回はそのガラス瓶を託されて、日本にやって来ました。寄付をさせていただくことにしたんです」と述べ、拍手を受けました。

最後にミシェル・ウィリアムズさんのファンだという西山茉希さんが登場。「マリリン・モンローの内側の魅力を感じた。見てよかった」とコメントをしました。『マリリン 7日間の恋』は3月24日より公開中です。