『マッドマックス:フュリオサ』作品情報
『マッドマックス:フュリオサ』とは
日本でも大ヒットしたジョージ・ミラー監督の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の登場人物、フュリオサが主人公。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚。
『マッドマックス:フュリオサ』は、第77回カンヌ国際映画祭では約7分間のスタンディングオベーションを受け、海外メディアのレビューでは、
「『怒りのデス・ロード』につながる物語は感情的で機知に富み、意図的な野蛮さに満ちている」(INDEPENDENT)「これまでに作られた最高の前日譚の1つであり、大胆な傑作」(Discussing Film)
「一流の世界構築、感情的に共鳴する監督の目、焼けつくようなパフォーマンス、シャープな映画撮影、そして地獄のようなスコアを織り交ぜた本作は、信じられないほどのアクションシーンと、人生と愛について注目に値するヒーローの旅」(IGN)など、絶賛の声が上がっています。
『マッドマックス:フュリオサ』の監督、ジョージ・ミラーとは
1945年生まれ(2024年現在79歳)。オーストラリアのプロデューサー、映画監督、脚本家。
医学学校を卒業。病院でインターンをしながら映画を作り始めました。医者として急患病棟などの経験が、映画監督としての分厚い興味と幅を与えているのではないでしょうか。
『マッドマックス』のような、バイオレンスアクションだけでなく、実話の映画化や、ファンタジー、ブタやペンギンを、主人公にした作品など、ジャンルの広がりとテーマの豊かさに驚かされます。
マッドマックス Mad Max(1979年)兼脚本
マッドマックス2 Mad Max 2:The Road Warrior(1981年)兼脚本
トワイライトゾーン/超次元の体験 Twilight Zone: The Movie(1983年)
マッドマックス/サンダードーム Mad Max Beyond Thunderdome(1985年)兼製作・脚本
イーストウィックの魔女たち The Witches of Eastwick(1987年)
ロレンツォのオイル/命の詩 Lorenzo’s Oil(1992年)兼製作・脚本
ベイブ/都会へ行く Babe: Pig in the City(1998年)兼製作・脚本
ハッピー フィート Happy Feet(2006年)兼製作・脚本
ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊 Happy Feet Two(2011年)兼製作・脚本
マッドマックス 怒りのデス・ロード Mad Max: Fury Road(2015年)兼製作・脚本
アラビアンナイト 三千年の願い Three Thousand Years of Longing(2022年)兼製作・脚本
マッドマックス:フュリオサ Furiosa(2024年)兼製作・脚本
『マッドマックス』シリーズとは
『マッドマックス』
ジョージ・ミラー監督が、24歳の時、商業映画としてのチャンスをつかみ、処女作『マッドマックス』(1979年)の製作・脚本・監督をつとめました。
暴走族による凶悪事件が多発する近未来のオーストラリア。主人公のマックス・ロカタンスキーは、暴走族専門の特殊警察M.F.P.(Main Force Patrol)に所属する警察官。凶悪犯を追いつめたところ、相手を事故死させたため、逆恨みされ家族が犠牲に。壮絶な復讐劇が繰り広げられます。
スーパーチャージャー付のV8エンジン搭載、600馬力にまでチューンアップした特殊追跡車。メカ改造にお金を使い過ぎたため、ロケ費も切り詰めた低予算ながら、ヒットし映画界に影響と衝撃を与えました。
『マッドマックス2 』
『マッドマックス』の成功により、予算が10倍。『マッドマックス2 』は、全世界で大ヒットし、主演のメル・ギブソンは、世界的スターに。
石油危機により、ガスの争奪戦が各地で起こる、荒廃した近未来の世界観描かれます。『北斗の拳』や、当時の1980年代のSF作品の多くが本作の影響を受けていることでも有名に。
ガスを求めて放浪していたマックスは、石油精製所での争いに遭遇。ガスの提供と引き換えに人々を逃がすことを頼まれたマックスは、再び暴走族と争うことに。犬や、鉄仮面をかぶった敵のリーダー・ヒューマンガスなどの人気キャラクターも誕生。
『マッドマックス/サンダードーム』
全てを失ったかのようなマックスは、物々交換で成り立つ“バータータウン”到達。腕を買われたマックスは、“サンダードーム”と呼ばれる金網に覆われたリングで、街の裏の支配者マスター・ブラスターと戦うことに。今までと趣向を変えた、格闘映画となっているのが特徴。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
前作から30年後に製作。マックス役に新たにトム・ハーディを起用。核兵器戦争後、世界はさらに荒廃し、生き残った人々は、物資や資源を奪い合う世界に。マックスは、砂漠を支配するイモータン・ジョーの軍団に捕らえられてしまいますが、そこでフュリオサ大隊長と出会うことに。フュリオサは、イモータン・ジョーへの反乱と闘争を計画していて、マックスはその計画に乗ることに。
彼女の計画にマックスはジョーへの反乱を計画する彼らと力をあわせ、自由への逃走を開始する。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、2015年、第88回アカデミー賞で10部門にノミネート。編集賞、衣装デザイン賞など6部門受賞を果たしました。
『マッドマックス:フュリオサ』あらすじ
前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でマックスと共闘するフュリオサに備わる並外れた強さ、スキル、度胸は、どのように身に着けたのか。また、彼女は何を求めているのか、それが、『マッドマックス:フュリオサ』で描かれる。
少女だったフュリオサは、バイク軍団を率いるディメンタス将軍に捕らえられ、長い間、囚われの身となってしまう。ディメンタス将軍は、彼女を檻に入れ、大切に扱っていたが、覇権を争っていたイモータン・ジョーとの交渉の際に、フュリオサをイモータン・ジョーに渡してしまう。
奥の間の秘密の部屋に連れていかれたフュリオサは、その部屋からなんとか抜け出すことに成功。復讐と帰還への旅を心に秘め、潜伏しつつ、スキルを磨きながら発揮。そのころ、ディメンタスとイモータン・ジョーの争いはさらに熾烈なものになっていく。
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイント
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイント その1
『マッドマックス:フュリオサ』の物語は、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の撮影前に脚本化されていた
監督のジョージ・ミラーによると、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、たった3日間の出来事であり、逃亡ベースのストーリー。そのため、世界観をしっかり構築し、共有する必要があった。そのため、撮影前に、鍵となる登場人物のフュリオサの物語を脚本化し、彼女のそれまでの人生と、彼女の育った世界を作り上げたそうです。
そして、その時、もし、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がヒットしたら、『マッドマックス:フュリオサ』を作ろう。そしてそれが9年後に実現化したわけです。
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイント その2 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と『マッドマックス:フュリオサ』のストーリーは、直結している
『マッドマックス:フュリオサ』は、フュリオサの10歳から26歳までの期間を描いていますが、そのストーリーは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と直結し、監督によると、合体することも可能なぐらい溶け込んでいます。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見た人は、さらに『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が理解できるうえ、見ていない人でも楽しめる作品となっています。
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイント その3
アクションシークエンスの醍醐味
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のアクションシークエンスの圧倒的なエネルギーは、大きな話題を呼びましたが、アクションに関しても、監督は「前の映画で確立した同じ比喩表現を再び使用することはない」と言うように、『マッドマックス:フュリオサ』も大きな進化が見どころ。巨大なウォー・タンクが登場し、空襲ガジェットも大活躍。15分のシーンは見どころが満載。総勢52人の登場人物と200人近いスタント俳優、スタントチームによる78日をこの撮影に費やしたそうです。
可能な限り実写撮影することで知られているジョージ・ミラー監督作品。前作の火を噴くギターすら、本物を使っていたということですが、今回もデジタル処理は最小限。もっぱら、空や背景の連続性のために使われているそうです。
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイント その4
キャストの魅力
前作でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサを、今作では「クイーンズ・ギャンビット」「ラストナイト・イン・ソーホー」などのアニヤ・テイラー=ジョイが演じています。二人の共通点は、バレエの素養。身体能力の高さが、アクションシーンに生きています。
ディメンタス将軍役は、「アベンジャーズ」「タイラー・レイク」シリーズのクリス・ヘムズワース。カリスマ性の中に小物感をかもしだす、独特の存在感は、この映画のスパイスとなっています。彼の持つ宝物のテディ・ベアが、どんな秘密を持っているのか、気になる人もいるでしょう。
ディメンタス将軍と対抗する覇者イモータン・ジョー役は、ディメンタス将軍の盟友で単眼のリズデール・ペルも演じているラッキー・ヒュームです。前作のイモータン・ジョー役だったヒュー・キース=バーンが亡くなったことで急遽抜擢されたようです。
今回のイモータン・ジョーは、残虐性や異常性というより、会社社長のような風格が見ええます。
警護隊長ジャックを演じているのは、トム・バーク。マックスのいない映画の中で、マックスに近い印象の強さが特徴。警護隊長は、イモータン・ジョーのボディーガードであり、最も重要な役割が、を運転すること。イモータン・ジョーの本拠地のシタデルと、弾薬畑とガスタウンをウォー・タンクで行き来しています。
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイント その5
隅々まで行き届いたジョージ・ミラー監督の精神
『マッドマックス:フュリオサ』は、よくあるレベルの単なるアクション映画ではありません。前作がアクション満載の刺激作だったとしたら、今作は、アクションにプラスして、精神性にもポイントを置き、芸術度を感じさせる作品となっています。
たとえば、ジョージ・ミラー監督の言葉で、「極限状況でのサバイバルは、その人の本質を明らかにする」というものがあります。キャストも何度もそれを聞いているとのことですが、全編を通じて、キャラクターの人間性が際立っていく瞬間が描かれています。
映画自体、なるべく本物を使うという精神、作品の隅々に表現される美のほとばしり。醜さや残虐さが目立つポスト・アポカリプス作品の中でも『マッドマックス:フュリオサ』の個性に注目です。
美術を担当した、コリン・ギブソンさんによると、ジョージ・ミラー監督の信条として「何かが生き残るためには何らかの価値をもち合わせていなければならない」というものがあるそうです。「その価値とはたとえば美しさだったり、機械的な不思議さだったり、構造だったり。それは実用的なものかもしれない。なぜなら、そういったものこそが、自分を消そうとする者への最も有効な対抗手段だからだ。しかし、そういった美しさ、装飾主義、何かを見いだして大切にすること」この言葉は、『マッドマックス:フュリオサ』の隅々まで行き届いています・
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイント その6
フュリオサの決断の瞬間を見逃すな
『マッドマックス:フュリオサ』の見どころにフュリオサの決断の瞬間があります。フュリオサだけでなく、母の大事な決断のシーンも見逃せません。
フュリオサの決断は、まず、大事だと思うことのためには、後先や自分の身の安全を考えないというところがポイント。ところが、その決断の一つ一つで、彼女は精神の自由を獲得していきます。フュリオサは強くてスキルもあり、サバイバル能力にも長けているかもしれませんが、それは彼女の決断により伸ばしていったものなのです。
『マッドマックス:フュリオサ』を楽しむポイントその7
実は”あの人”がカメオ出演している
この映画に一番出演して欲しかった人がいるとしたら、あの人しかいませんね。誰かとは、言いませんが。すでにご覧になった方は、一瞬、アッと思う瞬間がありませんでしたか?
どこかで見たような風景に一瞬映ります。
マッドマックス:フュリオサ
大ヒット上映中!日本語吹替版同時上映 IMAX/4D/Dolby Cinema/SCREENX
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Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.
【初回限定生産】マッドマックス 怒りのデス・ロード コレクターズ・エディション <4K ULTRA HD&ブルーレイセット>(3枚組/豪華封入特典付)
5/24発売 8580円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
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