映画『罪人たち』は何がすごいのか? 見どころポイント・解説・あらすじ

映画『罪人たち』解説・あらすじ

映画『罪人たち』とは

映画『罪人たち』は、続編でも脚色でもないオリジナル映画として“ここ10年で最大のオープニング成績”を残し、レビューサイト“ロッテントマト”で批評家スコア98%&観客スコア97%評価。映画館の出口調査“シネマスコア”でホラー映画史上最高評価。

監督は、アメコミ映画史上初のアカデミー賞®作品賞ノミネートを果たし社会現象を巻き起こした『ブラックパンサー』や、『クリード』シリーズなどのライアン・クーグラー。“人生最高の夜が、人生最後の夜へ”と変貌する”恐怖のため、IMAX®70mmフィルムカメラとウルトラ・パナビジョンカメラを組み合わせて撮影しています。全面協力したのが、『オッペンハイマー』のクリストファー・ノーラン監督だそうです。

映画『罪人たち』あらすじ


1930年代の信仰深いアメリカ南部の田舎町。若きサミー(マイルズ・ケイトン)はその日最高の日を迎えようとしていた。シカゴからいとこの双子のスモークとスタック(マイケル・B・ジョーダン)が帰ってきたのだ。スモークとスタックは、お金を儲けようと故郷にダンスホールをオープンするという。ギターが得意なサミーに弾いて欲しいというのだ。

準備万端、音楽も酒も料理も用意され、ダンスホールは宴の熱狂に包まれる。その中心にいたのが、サミーだ。誰もがサミーのギターに魅了された。ところがサミーのギターの音に誘われてきたのは招かざる者たちだった。一転、最高の夜は危険この上ない夜へと変貌を遂げる。

映画『罪人たち』注目ポイント

映画『罪人たち』ポイント1 歴史的快挙の全米ぶっちぎりの大ヒット


日本もそうですが、アメリカ映画のヒット作は続編・小説やゲーム、アニメの脚色映画がほとんど。監督が1から作り上げた完全オリジナル映画作品としては、『罪人たち』は、オールタイムで番目のヒット映画です。ちなみにオリジナル映画のオールタイム1位は、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』。

10年ぶりということは、10年前の作品に何があったかというと、クリント・イーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』です。『オッペンハイマー』も『アメリカン・スナイパー』も伝記映画なので、そういう意味では完全オリジナルと言えないかもしれません。

完全オリジナル映画で10年前のヒット作はピクサーアニメの『インサイド・ヘッド』。その2年前の『アナと雪の女王』は今現在の『罪人たち』にも及ばないので、完全オリジナル映画オールタイムヒット作として、『罪人たち』は『インサイド・ヘッド』に次ぐ二位となります。オリジナル実写映画としてはぶっちぎりの一位ということになります。

映画『罪人たち』ポイント その2 ライアン・クーグラー監督はヒットメーカー

ライアン・クーグラー監督は、若きヒットメイカーとしても第一人者。彼の最大ヒット作、『ブラック・パンサー』は、年間興行収入7億ドルの大ヒット。この記録は、『アベンジャーズ エンドゲーム』、『トップガン マーヴェリック』に次ぐオールタイム三位の記録。さらに、ブラック・パンサーの続編は4億ドル、『クリード チャンプを継ぐ男』は一億ドルにわずかに欠けるヒット。そして今回の『罪人たち』も3億ドルの興収に迫っています。今まで監督した5作品中、初監督作品の『フルートべール駅で』を除く4作品が記録に残る大ヒット作品。

映画『罪人たち』ポイントその3 評価の高さ


ライアン・クーグラー監督の作品は、ヒットするだけでなく評価も高いのがポイント。『罪人』たちは、ロッテントマトスコア98%、IMDBでは7.8。今年公開の映画がほとんどの100作品中一位の評価。アメコミ作品として初めてアカデミー賞にノミネートされた『ブラックパンサー』を考えると、『罪人たち』も来年のアカデミー賞ノミネートは確実ではないでしょうか。

映画『罪人たち』ポイント4 『罪人たち』は、ローカルとインターナショナル、現在と過去 次元を超えた世界を描く

高揚感ある前半、中盤以降、悪魔と踊り狂う世界が広がる『罪人たち』は最後にはもっと遠くの世界まで描き切っています。1930年代南部の田舎。底にインターナショナルな現代的な部分が含まれているところがモダンな精神を感じさせます。アイルランド、中国、そこにアメリカンインディアンも登場。見えない世界も広大に感じさせるところがポイント

映画『罪人たち』ポイントその4 音楽とダンスの祝祭感

アコースティックギターとハーモニカ、ブルースの響きが印象的な音楽映画の祝祭感、ダンスはアートでオシャレな雰囲気とほとばしるエネルギーが圧倒的。いまだ見たことのない取り合わせにも注目。屋内での音楽・ダンスシーンも見事ですが、屋外での集会ダンスも土着的で特別なイメージを伺わせます。

映画『罪人たち』ポイント5 豪華なキャスト陣とキャラクター

監督作品では、ブラックパンサー続編以外の全てに主演しているマイケル・B・ジョーダンを起用。今回は双子の役で、二人の違いは帽子の色。
主役級の俳優として、『バンブルビー』のヘイリー・スタインフェルド、「フェラーリ」、『名もなき塀の中の王』。『不屈の男 アンブロークン』のジャック・オコンネル。そして、「ザ・ファイブ・ブラッズ」のデルロイ・リンドーが共演。

影響を感じさせる関連映画

『罪人たち』との関連を感じ刺させる作品は以下のものがあります。ロバート・ロドリゲス監督の二作品は、ライアン・クルーガー監督が、インスパイアされていると語っています。
フロム・ダスク・ティル・ドーン(ロバート・ロドリゲス/1996)
パラサイト(ロバート・ロドリゲス/1998)
ぼくのエリ 200歳の少女(トーマス・アルフレッドソン/2008)
クロスロード(ウォルター・ヒル/1986)

(オライカート昌子)

罪人たち
6月20日(金)初夏IMAX®及び2D字幕、Dolby Cinema®で劇場公開!!
監督・脚本・製作:ライアン・クーグラー(『ブラックパンサー』シリーズ、『クリード』シリーズ)
出演:マイケル・B・ジョーダン、ヘイリー・スタインフェルド、マイルズ・ケイトン、ジャック・オコンネル、ウンミ・モサク、ジェイミー・ローソン、オマー・ベンソン・ミラー、デルロイ・リンドー
オフィシャルサイト:SINNERS-MOVIE.JP ハッシュタグ:#映画罪人たち
原題:Sinners 映倫:PG12 上映時間:2時間17分 配給:ワーナー・ブラザース映画
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