『PROJECT Y』解説
『PROJECT Y』とは
華やかさと影が交錯する韓国・ソウルの繁華街、ミソンとドギョンは、お互いを頼りに明るい未来を夢見て日々を過ごしていた。底辺生活もあとわずか、そんな時に二人を襲った危機。隠された大金の噂をつかんだ二人は命がけの奪取計画へと踏み出す。
『PROJECT Y』監督・キャスト

主役を務めるのは、ドラマ「夫婦の世界」(20)でブレイクし、「わかっていても」(21)、「マイ・ネーム:偽りと復讐」(21)と続けて話題作に出演したハン・ソヒ。そしてもうひとり、イ・チャンドン監督作『バーニング 劇場版』(18)で鮮烈なデビューを飾り、『バレリーナ』(23)などの主演作に次々と出演のチョン・ジョンソ。
共演は「コメント部隊」のキム・ソンチョル、ドラマ「涙の女王」のキム・シンロク。「息もできない」に俳優として出演し、本作が長編監督第3作となるイ・ファンがメガホンをとった。
『PROJECT Y』映画レビュー 真実の宝の発見

『PROJECT Y』は、見どころがギュッと詰まった痛快サスペンス作だ。最近韓国映画の失速が伝えられているが、そんなニュースなんのその、事件、展開、解決の語り口が、心と体をダイレクトに刺激する。
女性二人の主人公が魅力的。一人はハン・ソヒ演じるミソン。花屋に務めるかたわらクラブで夜の華としてナンバーワンの地位を誇っている。花屋で花束を作っているミソンを迎えに来たのが、ドギョン(チョン・ジョンソ)。
ドギョンは、白タクの運転手をしながら、時折ヤバめの仕事もしている。彼女たちのいる世界は暗く、一度はまり込んだら逃げ場がない場所だ。だが、コツコツを仕事をすることで、二人とも近々意に沿わない仕事と場所から逃れる一歩手前にいた。
ところが急転直下、思いがけない危機が二人に迫ってくる。なんとか危機を脱出しようと、もがくけれど、なかなかうまくいかない。だが、危機は幸運への扉も意味している。だんだんと光への道筋が見えてくる過程にボルテージが上がる。

最初は二人の関係性は見えないが、それが次第に明かされる手法に上手さを感じた。敵役や、主要登場人物の紹介も、なめらかで印象的、説明しているぐらいならストーリーを語る。その潔さが快感だ。
宝を発見する映画であり、奪われたら奪い返す映画でもある。けれど、いちばん大切なものを最後に見つける映画でもある。彼女たちが発見したものの価値は高い。
忘れられない印象を残すのは、悪徳な敵との最終決戦地でのシークエンスだ。最後の一撃の衝撃度とともに、爽快と恐怖の二重奏が脳裏に刻まれる。これをじっくり見せてくれる韓国映画の底力には感心させられた。
いくつかのせりふが強く心に残った。「嫉妬したら負け」「自分を救うのは自分だけ」「絶対に生き残る」。非情な相手と戦い抜く強い意志を感じさせる。
PROJECT Y
全国公開中
提供:KDDI 配給:日活/KDDI
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監督:イ・ファン
出演:ハン・ソヒ、チョン・ジョンソ、キム・ソンチョル、キム・シンロク、ユア(OH MY GIRL)ほか
音楽:GRAY




