映画『終わりの鳥』レビュー ラストシーンに効き目あり

映画『終わりの鳥』は、温かさと奇妙さ、安らぎと危機をミックスし、ホラーファンタジーの雫をトッピング。ユーモアも含んだ新鮮な味わいに驚かされた。

”終わりの鳥”とは、命の終わりを告げる鳥<デス>。病気で余命わずかな15歳の少女チューズデー(ローラ・ペティクルー)と鳥<デス>との出会いと交流は、どのような結末をもたらすのか。

『終わりの鳥』は、地球まるごとをイメージする鳥<デス>の実感からスタート。そこで、鳥の姿と役割がわかる。次に舞台はチューズデイが闘病している家へ。チューズデイは、緑豊かで日の光が差し込む家で母と看護師と暮らしている。チューズデイは近々この家から離れることになるのを自覚している。そこに鳥<デス>がやってくる。

鳥<デス>は大きさも変えられる変幻自在な存在。おしゃべりもできる。鳥とチューズデイとのやり取りは、型破りで愉快なものだった。理由は、ユーモアがある空気とチューズデイが持つ思いやりだ。チューズデイは、鳥の身体をシャワーで洗い、一緒にラップ(アイス・キューブの「It Was a Good Day」)を歌う。鳥の役割を知っているチューズデイには意図もある。そこに、やっとチューズデイの母、ゾラ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)が帰ってきた。ゾルが加わったことでカオスが洪水のように満ち溢れ始めた。

『終わりの鳥』を監督したのは、1985年生まれ、クロアチア出身の脚本家、監督のダイナ・O・プスィッチ。誰にも避けることのできない死との対峙と受容を、鮮烈でおもしろく、深みのある物語に仕立て上げている。なお、鳥<デス>を演じたのは、ナイジェリア出身の俳優アリンゼ・ケニ。声だけでなく実際に演技をしている。それをVFXにより鳥<デス>の愛嬌あるビジュアルを生み出している。個人的には、ラストシーンに効用があり過ぎた。

(オライカート昌子)

終わりの鳥
4.4(Fri)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開!
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©DEATH ON A TUESDAYLLC/THE BRITISH FILM INSTITUTE/BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2024
監督・脚本:ダイナ・O・プスィッチ(初長編監督作品)
出演:ジュリア・ルイス=ドレイファス(「VEEP/ヴィープ」)、ローラ・ペティクルー(『恋人はアンバー』)
原題:TUESDAY/2024 年/英=米/110 分/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳:佐藤恵子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
映倫区分:G
公式サイト:happinet-phantom.com/tuesday
X:@A24HPS