『PATHAAN/パターン』を10倍楽しむための見逃せないポイントとは  超レベル王道アクション映画!

PATHAAN/パターンとは

『バンバン!』『WAR ウォー!!』で、日本でも大注目のシッダールト・アーナンド監督が、主演にボリウッドの3カーンの一人、キングと呼ばれる、シャー・ルク・カーンを起用した王道スパイアクション。ハードに繰り広げられる壮大アクションシーンと多少のコメディ要素、そしてほのかな恋愛要素プラス、ダンス。すべてが一流のボリウッド娯楽大作。

YRFスパイユニバース作品とは

『PATHAAN/パターン』は、共通する世界を描いた、製作会社ヤシュ・ラージ・フィルムズ(YRF)による、スパイユニバースの作品の新たな作品。これまでのYRFスパイユニバース作品は『タイガー 伝説のスパイ』(2012)、『WAR ウォー!!』。今後製作される予定なのは、『Tiger 3』『WAR 2』。それぞれ独立した作品ながら、同じ人物や組織が登場します。

RAW インドの諜報機関
ISI パキスタン諜報機関
ルトラ大佐 『WAR ウォー!!』にも登場
諜報部員タイガーサルマン・カーン演じるエージェント。『タイガー 伝説のスパイ』(2012)の登場人物。『PATHAAN/パターン』ではカメオ出演ながら、貫禄はさすが。
諜報部員カビール 『WAR ウォー!!』の主演、リティク・ローシャンが演じるキャラクター。今回は言及のみで出演はしていない。

PATHAAN/パターン あらすじ


インド政府がカシミール地方の自治権を剥奪したことで、怒ったパキスタンの将軍カーディルはインドに復讐するため、「悪魔と手を組む」と心を決めた。

2020年、RAWに所属するエージェント、パターンはミャンマーで作戦中に負傷し大けがを負う。脅威の回復力で現場復帰を果たすと共に、負傷や心身に傷を負い一線を退いた元エージェントたちを呼び集め、JOCRというRAWの内部組織を立ち上げる。

2022年、ドバイ訪問中のインド大統領が未知の集団Xに命を狙われているという情報を掴んだJOCRは、大統領警護の任務に就く。しかし、大統領暗殺計画はおとりだった。果たして敵の狙いはどこにあるのか。JOCRの捜査でパキスタンの医師ルビナ・モフシンが浮かび上がる。ルビナがスペインにいることが分かり、パターンはスペインに向かい彼女に接触を図るが、それは敵の罠だった。

PATHAAN/パターン見逃せないポイントと みどころ解説

注目ポイント その1 『PATHAAN/パターン』はシャー・ルク・カーンの復活・再生に沸く大ヒット!2023年興行成績一位を記録

別名キング ボリウッドの3カーンの一人、シャー・ルク・カーンの4年ぶりの主演作ということで、大ヒット。『PATHAAN/パターン』は、2023年6月10日現在で世界興収105億ルピー強(約183億円)を稼ぎ出し、『ダンガル きっと強くなる』(2016)、『バーフバリ 王の凱旋』(2017)、『RRR』(2022)、『K.G.F: CHAPTER 2』(2022)に次ぐ.インド映画世界興収歴代5位となった。イギリス、オーストラリア、アラブ首長国連邦等ではダントツのインド映画歴代興収1位。

注目ポイント その2 シッダールト・アーナンド監督監督のスタイリッシュアクション技が冴える

シッダールト・アーナンド監督監督のアクションは、スタイル、スケール、量、種類が、世界レベルをはるかに超えています。カーチェース、ヘリコプター、列車、高層ビル、氷上、肉弾戦、そして極め付きは、航空サスペンスと、全く気が抜けないシーンの連続には驚くしかありません。

前半のモスクワでの謎の物体ラクトビーチ強奪作戦は、ケイパー映画の魅力が溢れています。

注目ポイント その3 インド映画的ラスト・サムライ、007風味に酔え


いくつもの既存の映画をリメイクし尽くしたインド映画には、数々のオマージュが登場します。『PATHAAN/パターン』では、日本リスペクトが色濃く、映画のキーワードが金継です。パターンの髪型は、『ラストサムライ』のトム・クルーズを思い出させますし、この髪型に、こだわりを持っている様子がセリフで何度も登場します。
金継とは 世界で人気の日本の伝統技術、割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法。

パターンと上司のナンディニとの関係は、ダニエル・クレイグ版007のMを思い出させますし、アクションシーンは、『007/ダイ・アナザー・デイ』と、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』です。さらに、モスクワのタワーシーンは、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』さながらです。アメコミ原作の『キャプテンアメリカ』を思い出させるシーンにも注目。

注目ポイント その4 裏切り・復讐のハードな世界を包む献身と優しさ


『RRR』でも描かれた過酷な歴史と、地理・政治も複雑なインドならではの、物語の動機も、リアル感があります。インド/パキスタンの紛争をベースとし、国への愛国心も映画で強調されます。単なる”悪”やテロでかたずけられない面がスパイアクションにもリアルな肌感覚を感じます。

特に回想シーンで描かれるパターンが戦士として、立ち直っていく場面は、パターンのやさしさや献身を支える裏付けのシーンとして忘れがたい印象を残します。

注目ポイント その4 旧世代なんて言わせない!オヤジが貫禄で魅せるエクスペンダブルズ


長らく、インド映画スターとして君臨してきたのが、アミール・カーン、サルマン・カーン、そして、今回の『PATHAAN/パターン』主演のシャー・ルク・カーンの3カーン。彼らはみな、ボリウッド映画のスター。ちなみにボリウッド映画とは、ボリウッド(ヒンディー語・ウルドゥー語、あるいはヒンドゥスターニー語)の映画のこと。

ところが、最近、大ヒットを飛ばした、『バーフバリ 王の凱旋』(2017)はテルグ語、『RRR』(2022)、『K.G.F』は、はカンナダ語映画。今まで地方でしか、ヒットしていなかった映画が、中央に躍り出てきました。

同時に、新進スターの『バーフバリ』シリーズのブラバース、『K.G.F』シリーズのヤシャ、そしてボリウッドでも、『バンバン!』『WAR ウォー!!』のリティク・ローシャンが見逃せない存在に。

シャー・ルク・カーン、サルマン・カーンも、この流れは、見過ごすわけにはいかないという意地がある。その気持ちを強く感じさせるのが『PATHAAN/パターン』です。

さらに、『PATHAAN/パターン』の背景にあるのが、負傷や心身に傷を負い一線を退いた元エージェントたちに再生の機会を与えるJOCRという組織。

若さ、健康を持たずとも、意思と貢献の気持ちで戦えるという精神が『PATHAAN/パターン』を貫いています。さながら、ボリウッド版『エクスペンダブルズ』と言えるでしょう。年齢もキャリアも関係ない。大切なのは、真っすぐ闘いに挑む姿勢が好感を呼びます。

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(オライカート昌子)

PATHAAN/パターン
2023年製作/146分/G/インド
原題:Pathaan
配給:ツイン