『K.G.F』を10倍楽しむための見逃せないポイントとは 見どころ解説

インド映画『K.G.F』とは

『K.G.F』は『RRR』の興行収入をしのいだ

『K.G.F』は、世界で空前絶後の旋風を巻き起こした『RRR』を凌ぐ大ヒットを記録した超巨大娯楽作品。インド映画の魅力をさらに大きく広げている。今回、『K.G.F: CHAPTER 1』、『K.G.F:CHAPTER 2』が日本で緊急同時公開。夏の暑さを吹き飛ばすスケール感たっぷりの『K.G.F:CHAPTER 1 & CHAPTER 2』に大注目だ。

インド映画『K.G.F』の見逃せないポイントとは

『K.G.F:CHAPTER 1 & CHAPTER 2』は、今まで見たことのなインパクトで襲ってくるインド映画

世界でも映画が最も盛んな国、インドでは芸術性の高い映画から、エンターテイメント性の高い映画まで、様々な要素を持った映画が公開されています。そのほとんどがわかりやすい。

『K.G.F:CHAPTER 1 & CHAPTER 2』ももちろん、エンターテイメント性は高いのですが、、特殊構造が特徴で、わかりやすさよりも、巻き込まれるような勢いを重視。畳みかけるようなアクション濃度が高く、特に、『K.G.F:CHAPTER 1 』の前半は、スピード感に驚きがあります。今までに見たことのないインド映画でもあり、他の国と比べても、これほどの情報量とアクションで進んでいく映画はなかなかないはず。

それが、後半にゆっくりと魅せる映像になっていきます。そのリズムは、まさしく癖になります。

『K.G.F』のプラシャーント・ニール監督の個性と作家性に釘付け

『K.G.F』のプラシャーント・ニール監督は、2014年に新人ながら新しいタイプのギャング映画『Ugramm(原題)』を制作して、有名になり、今まで、全インド規模では、ヒット作のなかったカンナダ映画を、『K.G.F』で大ヒットに導きました。

現在は、テルグ語映画で『バーフバリ』シリーズ、『サーボー』の主役プラバースの新作『Salaar(将軍)』を撮影中とのこと。

『K.G.F』は、その個性が際立っています。『K.G.F』は、主に三つの時代が描かれていますが、それがシーン別々に描かれているのではなく、混在しています。こだわりを感じさせ、同時に起きているかのような臨場感が、世界に深みを与えています。

わかりにくさもあり、最初は混乱する人もいるかもしれませんが、その弱みを、アクション物量と技術力と力のこもった絵作りで、突破しています。作家魂がみなぎっています。

ミステリアスな冒頭から、入れ子のような分厚い構造の物語が深い強烈なインパクトで強襲

ある発禁処分となった本と、それを書いたジャーナリストのインタビューが、冒頭で描かれています。これは現代。さらに首相らしき女性が、「これは絶対に知られてはならない」と攻撃を命じるシーン、それは1970年代。さらに1950年代赤ん坊が生まれる場面があり、『K.G.F』は、この3つの年代が、入れ子状になっています。

ストーリーは、たった一冊だけ残った本の内容を、著者がインタビューする形式をとり、主人公のロッキーの姿がゆっくりと浮かび上がります。

ストーリーを引っ張る秘密 『K.G.F』とは? 


『K.G.F』とは、「コーラーラ金鉱地区(Koral Gold Fields)のこと。語り手は、『K.G.F』のことを黄金郷(エルドラド)と呼んでいます。

今は誰一人知ることがない、闇に葬られた歴史。はたして、そんな場所があるのか、そこで何が起こったのか、そこに君臨した男は実在したのか。そのミステリーが映画の大筋となっています。

『K.G.F』の混在する三つの時代と人物を読み解く

時代で読み解く 

現代
ジャーナリストが、かつて起こった『K.G.F』を巡る物語をインタビュー形式で語ります。それはどういう物語で、なぜ歴史から削除されたのか。なぜ本は発禁処分となったのか。強い興味をそそります。

1950年代 母との絆

1950年代に、貧しい農村で父のいない環境で生まれた一人の少年。その少年が、母の言葉を実現するために、成りあがっていく運命も語られます。自分をロッキーと称する少年は、最初は靴磨きとして、マフィアの一員となり、やがて強い意志で頭角を現わしていきます。母との約束が、彼に活力と支えと意思となっていき、やがて彼の運命を決定していきます。

彼が抜きんでた存在となっていく原動力が母の言葉なのです。

1970年代 ストーリーのメイン
映画の本筋は、1970年代。『K.G.F』を巡る争奪戦とマフィア同士の抗争。ロッキーを中心とした、人物が多数参戦。激しいアクションで秘密の解明が描かれます。

登場人物解説 誰が敵で誰が味方なのか 

現代は物語が語られる場所。同時に物語の真贋を解明するために発掘が行われます
主な登場人物

ディーバ・ヘグテ 24/ニュースのチーフエディター 女性
発禁処分を受けた本、エルドラドのインタビュアー インタビューを命じられた当初は、真面目に受け取っていなかったが、徐々に真剣になる
アナンド・インガラギ
発禁処分を受けたエルドラドの著者 ディーバ・ヘグテからインタビューを受ける。ロッキーをヒーローとみなしている

1950年代~
ロッキーが生まれ、育つ。同時に スーリャワルダンにより、金鉱が発見され、帝国が築き上げられる
登場人物
ロッキーの母 シャンタマ 15歳で結婚。配偶者は行方知れず。極貧の中、一人で子どもを産み(ロッキー)を育てる。
スーリャワルダン コーラーラで金鉱を発見。帝国『K.G.F』を築き上げるが、病に倒れる

1978年~
ボンペイでシェッティの配下となったロッキー。その目覚ましい働きにより、ある暗殺指令が下される。下すのは、シェッティの上役、アンドリュース。指令によって、バンガロールへ向かったロッキーは、そこでマフィアの大御所デサイの娘、リナと出会う

登場人物
マフィア(ボンベイ)
シェッティ ボンペイのギャングの大御所。金の流通を一手に引き受ける。少年ロッキーを拾い上げ、育てるが、成長を目にし、危険視するようになる

カシム シェッティの部下だが、ロッキーに目をかけている

アンドリュース
インドの海運担当。シェッティは彼の支配下にある。ロッキーの活躍を目にし、バンガロールへ行き、一人の男の暗殺をするようにロッキーに指令

マフィア(バンガロールで登場)
ラジェンドラ・デサイ 
バンガロールの金の流通担当。娘のリナは、禁酒令にもかかわらず、パーティをしているところ、ロッキーと出会う。ロッキーはリナに一目ぼれ。

カマル
リナに好意を抱き、ロッキーに敵意を抱く、金の製錬担当者。デサイとともにいる

マフィア(ドバイ在住)
イナヤト・カリール
『K.G.F: CHAPTER 1』のボンペイ編のアクションシーンの発端は、イナヤト・カリールが、金の一人占めを狙って、ボンペイに攻め入るところから。そこで、大人になったロッキーが華麗に初登場。

イナヤト・カリールは、『K.G.F: CHAPTER 2』でもキーパーソンの一人

『K.G.F』の支配者
秘密の帝国『K.G.F』を巡っての支配権争いが、映画『K.G.F』のメインストーリー。1950年代にスーリャワルダンによって、築き上げられたが、病に倒れたところから支配権争いが起こる

ガルダ スーリャワルダンの息子。現在の『K.G.F』の支配者。バンガロールで父親の像を建てるということで、おびき寄せられ暗殺の危機に見舞われる

ヴィラト スーリャワルダンの下の息子 ロンドンに留学していた。兄のガルダの支配下にある『K.G.F』を狙っている

アディーラ スーリャワルダンの弟。『K.G.F: CHAPTER 2』で登場。以前は兄スーリャワルダンとともに、『K.G.F』を恐怖支配した。警備の大元を作ったのもアディーラ。甥のガルダとの権力闘争に負け、再び『K.G.F』の支配を狙っている。

政界の大物
グルパンディヤン
DYSS党党首 バンガロールにて、アンドリュース、ラジェンドラ・デサイ、カマルとともに、ロッキーに暗殺を指令する仲間

ラミカ・セン
女性政治家、『K.G.F: CHAPTER 1』の冒頭で、『K.G.F』の焚書を命じるシーンで初登場。

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『K.G.F:CHAPTER 1』 『K.G.F:CHAPTER 2』
7月14日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
配給:TWIN
出演:ヤシュ シュリーニディ・シェッティ ラヴィーナー・タンダン アナント・ナーグ(Chapter 1) サンジャイ・ダット(Chapter 2)
監督・脚本:プラシャーント・ニール/撮影:ブヴァン・ガウダ/音楽:ラヴィ・バスルール
『K.G.F: Chapter 1』2018年/155分&『K.G.F: Chapter 2』2022年/168分
インド/カンナダ語/シネスコ/5.1ch/字幕翻訳:藤井美佳/字幕監修:池亀彩/配給:ツイン

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