『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(エブ・エブ)を10倍楽しむポイントは?

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』解説・あらすじ

エブリシング・エブリウェア・オールアットワンスとは

世界の賞レースで多数ノミネート・受賞し、今年開かれる第95回アカデミー賞でも最多10部門11ノミネートを果たした話題作が『『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。

イブリン(ミシェル・ヨー)は、コインランドリーを営む移民の中年女性。国税庁へ行ったとき、突然、マルチバース(多元世界)に直面する。マルチバースは、混乱・カオスが巻き起こり、危機に瀕していた。イブリンは、ほかの世界のイブリンとつながることで、特技・特徴を生かし、救世主として、戦うことに。家族と世界を救うことはできるのか。

監督は、ダニエル・クワン 、ダニエル・シャイナートの「ダニエルズ」。ダニエル・ラドクリフとポール・ダノの主演作『スイス・アーミー・マン(16)』を監督し、注目を浴びました。

主役のイブリンに、ミシェル・ヨー。60代になった最近でも、『ガンパウダー・ミルクシェイク』で華麗なアクションを見せてくれたばかり。

イブリンの夫のウェイモンド役に、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(ショート・ラウンド役)「グーニーズ」(データ役)で子役として活躍しながら、俳優業を休止していたキー・ホイ・クァン。娘のジョイ役に『シャン・チー テン・リングスの伝説(21)』のステファニー・スー。

『エブリシング・エブリウェア・オールアットワンス』あらすじ


中国からの移民でコインランドリーを経営するイヴリンは、忙しさで目が回る日々を送っていた。経営は行き詰まり、国税庁からは出頭の命令があり、書類を揃えなくてはならない。春節のパーティの準備もある。滅多に電話もよこさない娘のジョイは、ガールフレンドを連れて突然現れる。

異変が起きたのは、国税庁のエレベーターな中だった。優しい夫ウェイモンドが突然別人のように話し出す。今から言うことをメモしてと言い出す。リラックスして、深く息を吸う、靴を左右逆さまに履く。物置部屋の場所を把握しろと。何がなにかわからないイヴリンだったが、国税庁の女性監査官との会話の最中に、意識が分裂。2つの世界に同時にいるような感じがする。マルチバースの世界が幕を開いたのだ。

ウェイモンドは、別世界から来た別のウェイモンドで、彼はイヴリンを探していた。世界にカオスをもたらす存在と対抗できる存在はイヴリンしかいない。彼女は別世界のイヴリンの力を借りて、戦わなくてはならない。イヴリンは自由に次元を旅する能力を開花させ、別世界の技能を持ったイヴリンの力を身に着け、世界の平和を守ることはできるのか。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(エブ・エブ)を10倍楽しむポイントとは

A24A最大のヒット作

ブランド化するほど、インパクトのある作品を送り出してきたのが、映画製作会社、A24。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(エブ・エブ)。は、A24最大のヒット作として話題となりました。

コメディ・カンフーアクション・SF・ファミリードラマ・哲学的思想が広がり一体化した壮大でいてささやかな独特なテイスト

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の魅力は、多次元の魅力です。マルチバースを描いていますが、映画そのものも、一種のジャンルに収まらない多岐のジャンルが、乱れ咲く壮大作。

中身は、コメディ・カンフーアクション・SF・ファミリードラマ・哲学的思想が配置されていて、その世界観はめまいがしそうなほど豊か。

でも描き方は、ささやかさを保ち、共感を呼ぶファミリーのドラマが中心、そこに『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が、ジャンル映画にとどまらない本格映画として、様々な賞に輝いた理由となっています。

マルチバースVS「イフ」の世界

最近人気のマルチバース映画ですが、先端を走っているのは、アメコミヒーロー映画。
スパイダーマン:スパイダーバース
スパイダーマン・ノ・ウェイ・ホーム
ドクター・ストレンジ・マルチバース・オブ・マッドネス

などが、作られ、想像力の限界が試されるバラエティに満ちた世界が描かれます。

ところで、多次元を描いた映画には、もう一つのタイプがあります。
『スライディング・ドア』
『天使がくれた時間』
『ラブ・セカンド・サイト』
など。こちらは、『イフ』の世界です。
少し小ぶりですが、選択を変えると違った世界が現れる不思議を描いています。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の面白いところは、マルチバースのバラエティに満ちた世界と、自分の選択が違った未来を実現するイフが両法描かれていること。そしてそれがまとまっている。これも評価の高い理由のひとつです。

あふれるほどの映画オマージュ

近年では『ラ・ラ・ランド』が、オマージュに満ちた作品として話題となりましたが、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のオマージュの大盛りは、さらにその上をいきそうです。
『マトリックス』
『』レミーのおいしいレストラン』
『X-MEN』
『ソウルフルワールド』
数々の香港映画 香港映画がエンターテイメントの最前線を走っていた80年代の『恋する惑星』などのウォン・カーウェイ作品や、ショッピングモールでジャッキー・チェンが大暴れする『ポリスストーリー』シリーズなど。

 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
3月3日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
配給:ギャガ
© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
監督:ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート『スイス・アーミー・マン』 
出演:ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティス
© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.  
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/eeaao/ 公式Twitter/Instagram:@eeaaojp #映画エブエブ