ヒットメイカー、ジェームズ・ワン監督と、リー・ワネル脚本の「ソウ」コンビが復活した。2年前のヒット作、『インシディアス』の第2章である。
前作の『インシディアス』は、明らかに続きが必要な終わり方だったから、ファンにとっては、待ちに待った作品なのである。ジェームズ・ワン監督の手腕は相変わらず鮮やかなのはもちろん、今回は、ひねりにひねった、リー・ワネル脚本の確かなおもしろさが一番のみどころだ。
『インシディアス 第2章』は、前作に引き続き、死者たちの世界も描かれる。さらに、時空も超える、タイムトラベル的な要素もある。普通だったら、そのアイデアの一つでも一本の映画ができそうなぐらいだ。
前作の『インシディアス』では、精神を向こうの世界に連れ去られて眠り続ける息子を救うため、父親のジョシュは死者の世界へ入り込み、息子を取り戻そうとした。前回のラストでは、彼らを助けた霊能者のエーリーンが殺されたところで終わる。
第2章は、ちょうどその直後からスタートする。エーリーンは何者に殺されたのだろうか? 疑われるのは、ジョシュなのである。彼は、一見普通に見える。本当にそうなのだろうか? 前回の騒動を受けて、彼らは引っ越して、ジョシュの実家で暮らすことになったのだが、またしても不気味な出来事が連続して起こり始める。
いくつもの恐怖がたたみかけるが、私が一番怖かったのは、シャイニングをオマージュしたようなシーンだった。
ラストと、その一つ前には、どこかシックスセンスを思わせるようなものと、ちょっとした感動を味わえる心温まるシーンが待っている。映画のほとんどは、ジェットコースター的な恐怖が満載なのだが、観客の心に残るのは、このラストに待っている心に染みる二つのシーンだろう。恐怖と感動の落差は癖になる。早くも『インシディアス3』が見たくてたまらない。
(オライカート昌子)
インシディアス 第2章
2013年 アメリカ映画/ホラー/106分/原題:INSIDIOUS: CHAPTER 2/監督:ジェームズ・ワン/出演・キャスト:パトリック・ウィルソン(ジョシュ・ランバート)、ローズ・バーン(ルネ・ランバート)、タイ・シンプキンス(ダルトン・ランバート)、リン・シェイ(エリーズ・レイニア)、リー・ワネル(スペックス)、アンガス・サンプソン(タッカー)、バーバラ・ハーシー(ロレイン・ランバート)ほか/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2014年1月10日(金)より、シネマサンシャイン池袋他全国ロードショー
『インシディアス 第2章』公式サイト http://www.insidious2.jp/