『ベルイマン島にて』解説・あらすじ

『ベルイマン島にて』とは

ベルイマン島とは、スウェーデンの映画監督であり巨匠であったイングマール・ベルイマンが暮らし、傑作を生んだ北欧の島、フォーレ島のこと。

そのベルイマン島にやってきたのは、クリスとトニー。二人とも映画監督であり、カップル。夫のトニーはすでに名声を手に入れていて、クリスの方は新進監督だった。

二人は創作活動に集中するために、ベルイマンが愛し、最後まで住み続け、映画を撮り続けた島で新たなエネルギーを得るためにひと夏を過ごす。ベルイマンに対し、尊敬し愛着もあったからだ。

監督は、『未来よ こんにちは』のミア・ハンセン=ラブ。クリス役は、彼女自身の体験を強く感じさせ、トニーは、かつてのパートナー、オリヴィエ・アサイヤスを彷彿とさせる。オリヴィエ・アサイヤス監督は、『夏時間の庭』、『アクトレス~女たちの舞台~』『パーソナル・ショッパー』などの監督。

『ベルイマン島にて』では、クリス役にルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープス。、トニー役にはティム・ロス。劇中劇として描かれるクリスの次回作に、『アリス・イン・ワンダーランド』、『イノセント・ガーデン』のミア・ワシコウスカと、『パーソナル・ショッパー』、『わたしは最悪。』のアンデルシュ・ダニエルセン・リー。

スウェーデンの伝説的な映画監督イングマール・ベルイマンとは

敬愛されるスウェーデンの代表的な映画監督であり、世界でも傑出した監督として有名。黒澤明、フェデリコ・フェリーニとならび「20世紀最大の巨匠」とも称され、その89年に渡る人生で50作品近くの膨大な作品を作りました。

1918年スウェーデンに生まれ。シャープな映像表現、文学的な象徴性、緻密なリハーサルを基にした演技の即興性を極限まで追求したところに特徴があります。ウディ・アレン、スティーブン・スピルバーグ、スタンリー・キューブリックやトリュフォー、ゴダール等ヌーヴェルヴァーグの作家まで、多くの監督たちに影響を与えいることも特徴です。

『第七の封印』(1957年)
『野いちご』(1957年)
『処女の泉』(1960年)
『鏡の中にある如く』(1961年)
『仮面/ペルソナ』(1966年)
『叫びとささやき』(1972年)
『秋のソナタ』(1978年)
『ファニーとアレクサンデル』(1982年)など

『ベルイマン島にて』あらすじ

映画監督カップルの、クリスとトニー。トニーはすでに名声を博し、敬愛されている存在であり、クリスはまだ創作活動に迷いを抱えた新進映画監督。

クリスは、お互いの関係にも、創作活動にも停滞感を抱えていた。それを打開すべく、深く尊敬するベルイマンが数々の傑作を撮り、最後まで生涯を暮らしたフォーレ島で、新たな活力や刺激を受けようとやってきたのだ。

海や森林など、美しさに満ちた島に着くと、実際にベルイマンが過ごし、創作をした家にやってきた二人は、さっそく創作活動に着手する。トニーは講演会なども企画されそれなりに予定もあり、スムーズに過ごしている

一方のクリスは、場所を変えても、迷いは深くなっていくようだ。だが次第に一つの作品が生まれ始める。それは、フォーレ島を舞台にした作品だった。

『ベルイマン島にて』
4月22日(金)、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:キノフィルムズ
© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma
監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ
出演:ヴィッキー・クリープス、ティム・ロス、ミア・ワシコウスカ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー