『タイヨウのウタ』映画レビュー 恋にまっすぐ、好きなことにもまっすぐを貫くピュア100%

ラブストーリー、音楽、青春、そして難病。『タイヨウのウタ』は2006年に日本で映画化され、それがドラマ化。ハリウッドでもリメイクされている。そして今回韓国映画として生まれ変わった。純度100%ラブストーリーの謳い文句そのままのさわやかな作品だ。

XP(色素性乾皮症)という遺伝子疾患を抱え、太陽の光を浴びることができないミソル(チョン・ジソ)は、部屋から見えるフルーツ移動販売の青年・ミンジュン(チャ・ハギョン)に密かに恋していた。だけど、昼間は外に出ることができないため、会話することもフルーツを買うこともできない。ある夜、偶然フルーツ販売車が夜間に来たのを見て、ミソルは靴も履かずに駆け寄っていった。

ヒロイン役のチョン・ジソは、2019年に公開された映画『パラサイト 半地下の家族』でダヘ役を演じて大ブレイク。相手役のミンジュン役には、男性アイドルグループVIXXのメンバー・リーダーで、ドラマ「無人島のディーバ」でも注目されているチャ・ハギョン。監督には、チョ・ヨンジュン。

『タイヨウのウタ』の純度の高さは、ヒロイン、ミソルの音楽の恋にも真っすぐな姿や歌われる曲の美しさで表現されている。見て聞いて味わうビタミンのように。

ラブストーリーだけでなく、友情や家族の描き方も純粋だ。ピュアなエンジンは速度を落とすことなく優しさ溢れるラストまで持続する。

駆け出し俳優だった青年ミンジュンが、ミソルと出会ったことで少しづつ成長していくところもサイドストーリーとしてスパイスが効いていた。

(オライカート昌子)

タイヨウのウタ
5月16日(金)全国公開
配給: ライツキューブ
©️ 2025 K-MOVIE STUDIO ALL RIGHTS RESERVED. 
Based upon the original Japanese language motion picture entitled “TAIYO NO UTA” (“MIDNIGHT SUN”), based upon an original story by Kenji Bando and Yoshiro Hosono.
監督・脚本:チョ・ヨンジュン
音楽:イ・チャンヒョク
出演:チョン・ジソ(「パラサイト 半地下の家族」「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」)、チャ・ハギョン(「無人島のディーバ」)、チョン・ウンイン 、 チン・ギョン
製作:BY4M STUDIO 制作:K-MOVIE STUDIO 配給:ライツキューブ
(2025/韓国/109 分/カラー/シネスコ/5.1ch)