『犯罪都市 NO WAY OUT』映画レビュー シリーズものの安心感と韓国暗黒アクションの到達点

最強の素手を持つ刑事、マ・ソクト(マ・ドンソク)の痛快アクションが3度目の登場。モンスターレベルのバトルシーンは健在。今回は新種薬物を追って、マ・ソクトは、新たな二方面の敵と三つ巴の闘いを挑む。

『犯罪都市』シリーズは、一作目『犯罪都市(2017)』、2作目『犯罪都市 THE ROUNDUP(2022)』がともに大ヒット。今回の『犯罪都市 NO WAY OUT』も本国韓国で公開一か月目で動員1千万人、100億越えの大ヒット。、主演のマ・ドンソクは、マーベル映画『エターナル』で、ハリウッドに進出、国際級のアクション俳優として売り出し中の俳優だ。格の違いを見せつけてくれている。

『犯罪都市 NO WAY OUT』は、このマ・ドンソク演じる主役の刑事、マ・ソクトの役柄の魅力が作品の原動力。ボクシング技と大きな身体で魅せるアクションの爽快さとパワーは、癖になるレベルだ、コメディパートとのギャップも作品の大きな個性。

強く印象を刻み付けるのは、敵の強さ、悪辣さ、そして美学レベルのカッコよさだ。敵は、日本のヤクザで韓国に派遣された、リキ(青木崇高)と、秘密裏に薬を横流しする正体不明の男、チュ・ソンチョル(イ・ジュニョク)のダブル悪役。

ソウル広域捜査隊に異動となった、マ・ソクトは、ある転落事件に新種薬物が関係しているのを知り、そこから捜査を始める。その間、日本のヤクザは、その薬物が、関係者に盗まれていることに気づく。後始末に、「ヤクザの解決屋」リキを韓国に派遣。一方、そのころ、20㎏の薬物が行方不明になっていた。ここから、薬物の行方を追う三者の戦いが繰り広げられる。

薬物の行方を追うミステリー、鍵となる人物の捜索の間に、戦闘シーンが、挟み込まれ、さらに、笑えるシーンが緊張を緩和。それは完璧なリズムを刻む。

『犯罪都市 NO WAY OUT』は、今現在の韓国映画、暗黒アクションの到達点であり、シリーズものの安心印でもある。期待させ、期待をみっちり満たせてくれる、そんな映画を見たい人におすすめ。

犯罪都市 NO WAY OUT
2月23日(金)より、新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国公開
配給:ツイン
(C)ABO Entertainment presents a BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A. ENTERTAINMENT production world sales by K-MOVIE ENTERTAINMENT
監督:イ・サンヨン『犯罪都市 THE ROUNDUP』
主演:マ・ドンソク『エターナルズ』『新感染 ファイナル・エクスプレス』
出演:イ・ジュニョク「ヴィジランテ」『神と共に 第一章&第二章』、
青木崇高『ゴジラ-1.0』『るろうに剣心』シリーズ、
國村隼『碁盤斬り』『哭声/コクソン』ほか
2023年/韓国/韓国語・日本語ほか/カラー/シネマスコープ/原題:범죄도시3/105分/PG-12/