ガンパウダー・ミルクシェイク

ガンパウダー・ミルクシェイク解説・あらすじ

ガンパウダー・ミルクシェイクとは

女性の凄腕暗殺者、サムが犯罪組織を相手に大暴れする女性グループアクションが、『ガンパウダー・ミルクシェイク』だ。主演には、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のカレン・ギラン。追手が継ぐから次へと迫る中、命の危険にさらされた少女を守りつつ、壮絶なアクションが繰り広げられる。自らの過去に生き別れになった母との再会や、かつて殺し屋だった女性三人との関係など、見どころも多い。図書館がクライマックスの舞台となる、

サムの母をテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のレナ・ヘディ、3人の図書館員を「スパイキッズ」シリーズのカーラ・グギーノ、「ブラックパンサー」のアンジェラ・バセット、「グリーン・デスティニー」のミシェル・ヨー、監督・脚本は「オオカミは嘘をつく」で注目を集めたイスラエル出身の鬼才ナボット・パプシャド。

ガンパウダー・ミルクシェイクあらすじ

主人公のサムは、秘密組織に属する凄腕暗殺者。シンプルな指令を遂行していくときに、大きな組織のボスの息子まで成り行きで始末してしまい、命を狙われる羽目になる。さらに自分が属する組織の金を盗んだターゲットの場所へ乗り込んでいき、男に重傷を負わせてしまう。実は男は、娘を誘拐されていて、すぐに身代金の交換へ行かないと娘の命が危なかった。
サムは、男の代わりに少女を救いに行くが、さらなるカオスが彼女を襲う。その過程で、生き別れになった母が登場。母もかつて腕を鳴らした暗殺者で、図書館にを仕切る三人の元殺し屋の助けを得て、最後の戦いに臨む。

ガンパウダー・ミルクシェイク 映画レビュー


『ガンパウダー・ミルクシェイク』は、イスラエル出身のナボット・パプシャド監督が、独自の美学をとことん追求したようなスタイリッシュなガールズアクションムービー。

今まであったような、なかったような、どこか郷愁を感じさせる要素がこの作品を独特なものにしている。

例えば、舞台装置。闘いが行われるのは、ミルクシェークカフェ、ボーリング場、図書館、病院。日常的な舞台お洒落にアップグレードして闘いの場を華やかで強い印象を与えるものにしている。

しかも、闘いは、スピーディで奇抜だ。”見せる”という強い意識が伝わってくる。主人公の動きは冴えているし、腕に麻痺する薬を打たれたために使えないという縛りが必要なシーンもある。見せる映画をとことん尽くしているところに潔さを感じる

主人公の暗殺者、サムを演じるカレン・ギランの個性が映画に独特な味を与えているところも注目したい。女としての生々しさを感じさせない、少しアニメの主人公を思わせるところだ。

子が親を思い、親が子を思うというよくあるウェットな要素は、あくまでも映画を面白くするピースとなる。そこにはあまり踏み込まない。美学とアクションを見せること。それが、この映画の一番の見どころだ。

(オライカート昌子)

ガンパウダー・ミルクシェイク 
(C)2021 Studiocanal SAS All Rights Reserved.
2021年製作/114分/PG12/フランス・ドイツ・アメリカ合作
原題:Gunpowder Milkshake
配給:キノフィルムズ