
ブリジット・ジョーンズ(レネー・ゼルウィガー)は、良くいえば、チャーミング。そしてエネルギッシュ。波乱をともなう風のような存在。いい方を変えれば、おっちょこちょい。トホホ。わたしもそんな感じかもしれない。そんな風に思わせる、日常周囲の「ありそう設定」が、シリーズの基本形。そして人気の秘密だ。
『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの9年ぶりの4作目、『ブリジット・ジョーンズの日記サイテー最高な私の今』では、母親となったブリジット・ジョーンズが登場。そして今回もメインの物語は、”ザ・ボーイ”。つまり恋愛事情だ。原題が『Bridget Jones : Mad About The Boy』。ブリジットが、どのように子育てしているのか、職場復帰するのか、そのあたりは本題ではないので注意が必要。
『ブリジット・ジョーンズの日記サイテー最高な私の今』での”ボーイズ”との出会いがどうなるのか、トホホなブリジットは最後に何を掴むのか。それを楽しみ尽くすのが、『ブリジット・ジョーンズの日記』にふさわしい。あまり難しいことは考えずに。
忘れちゃいけないのが、このシリーズ、18世紀末から19世紀初頭英国の人気小説家ジェーン・オースティンの作品を踏まえて作られている。ジェーン・オースティンの有名な小説『高慢と偏見』に登場するのが、フィッツウィリアム・ダーシー。このダーシーは、今や”憧れの男性像”としてもてはやされている。そのきっかけとなったのが、1995年BBCテレビで放映されたテレビドラマ『高慢と偏見』だという。その時にフィッツウィリアム・ダーシー役を演じたのが、『ブリジット・ジョーンズ』シリーズでもダーシーを演じているコリン・ファースだ。
『高慢と偏見』でもそうだけど、ジェーン・オースティン作品の主人公は、ジョージ王朝時代らしい、真面目さ、しとやかさと知性が持ち味。ブリジット・ジョーンズとは反対に位置する女性像。ブリジットは知性よりは本能。「すべき」より「やりたい」を優先する。それが伝統に反旗を翻す適度なアナーキーさとなって嵐のようにエネルギーを与えてくれる。本人はいたって真っすぐにありのままを貫いて行くだけなんだけど。それこそ何をやっても最終的にうまく行っちゃう今の”憧れの女性像”なのかもしれない。
『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』が最後といっているけれど、また10年くらい経ってから、シレっと再登場しかねないのがブリジット・ジョーンズなのかも。
ブリジット・ジョーンズの日記サイテー最高な私の今
4 月11 日(金)、全国ロードショー!
©2025Universal Pictures
配給:東宝東和
原題:『Bridget Jones : Mad About The Boy』出演:レネー・ゼルウィガー、キウェテル・イジョフォー、レオ・ウッドール、コリン・ファース、ヒュー・グラントほか監督:マイケル・モリス脚本:ヘレン・フィールディング、ダン・メイザー、アビ・モーガン製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ジョー・ウォレット原作:Bridget Jones : Mad About The Boy/ヘレン・フィールディング著製作総指揮:ヘレン・フィールディング、レネー・ゼルウィガー