シリーズも8回を数え、莫大な興行収入を記録し続けるこのアドレナリン映画は、とうとうジェームズ・ボンドの「007」スタイルに姿を変えつつある。笑
その最新作『ワイルド・スピード ICE BREAK』は、さしずめ「007サンダーボール作戦」(1965年)といったところか。
盗まれた核兵器を取り戻すべく活躍する展開はまさにそれ。
『ワイルド・スピード ICE BREAK』も、タイトルが大写しされるまでに掴みの大活劇が用意されていて、「あ、やっぱりコレ、007じゃん」と顔が緩んでしまった。
しかし、そのオープニングの威力たるや、007も顔負けのハードさに時事ネタも加味されていて思わずニヤリ。キューバがアメリカに尊敬の念を持って頭をさげるなんて画、想像できます?
さらに、007よろしく、スペクター役にシャーリーズ・セロンが登場。観客に考える暇も与えぬスピードで人を抹殺していく凶悪ぶりは本家スペクター以上。
『モンスター』(2003年)以来とも言えるシャーリーズ姐さんの本気と凄みを堪能できます。
さしずめ、007映画でいうM役は、カート・ラッセル。
マニーペニー役はヘレン・ミレン、なんてこと言い出したらお叱りを受けそうだが、『ワイルド・スピード ICE BREAK』には最新兵器コレクション部屋まで登場するのだから恐れ入る。ね、ますます007っぽいでしょ。
その秘密部屋が魚市場の裏側に隠されているんだから、アハハとしちゃうはず。このシーンもお見逃しなく。
過去の名作へのオマージュも満載だ。
冒頭のカーレースではニトロ使用のオンボロ車がカタカタキューンと音を立てながら疾走するけど、あっ、コレは『スター・ウォーズ ファントム・メナス』(1999年)のポッド・レースだ! と唸るはず。
ニューヨークでの激走シーンは、『ブルース・ブラザース』(1980年)のシカゴ市街で繰り広げられたパトカー数百台による追撃シーンを彷彿とさせる。
ちなみに『ワイルド・スピード ICE BREAK』での追撃シーンではその10倍のクルマが爆走!! なんと空からもクルマが降ってくるのでご期待ください。
1990年公開の『レッド・オクトーバーを追え!』へのオマージュもある。
ホットなキューバから一転、厳寒のロシアで氷上を疾走するクルマを眼下から潜水艦が追う。。。これぞ、映画。これぞ、エンターテインメントでしょ。
トドメはこれまた007。『ゴールドフィンガー』(1964年)で、核爆発007秒前にジェームズ・ボンドが断線処理に成功するが、『ワイルド・スピード ICE BREAK』ではそれがどーなりますか。。。驚くぞ、きっと。再笑
ちなみに私は大劇場のプレミアム・リクライニング・シートにどっぷりと身を委ねて鑑賞。もし、お近くの劇場に「IMAX 3D」、「MX4D」、「4DX」と言った劇場環境があれば、この『ワイルド・スピード ICE BREAK』は打って付けの映画ですぞ。
私なんかホント、最後まで007映画とごっちゃになって、エンドクレジットで「彼らはまた帰ってきます」なんてメッセージを期待したほど。贅沢言えば、スティーヴン・タイラーあたりがテーマ曲を大音量で歌ってくれりゃあ〜、満足だったなぁ。再々笑
劇場を出て、ハタと思った。
『ワイルド・スピード ICE BREAK』の中でジェームズ・ボンド役は誰だったの?
そりゃ、ヴィン・ディーゼルだし、ドウェイン・ジョンソンだし、ジェイソン・ステイサムでもあるしなぁ。
ほらね、つまりは、ジェームズ・ボンドが続々と登場した1967年度版『007 カジノロワイヤル』のオマージュってことなんだよ。
以上、私的見解、楽しみ術でした。
ワイルド・スピード ICE BREAK
4月28日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー