『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』はガイ・リッチー監督による、よりポップでシャープでモダンなホームズの二作目。一作目に比べてパワーアップしているのは確実で、面白さも、スケール感も前作を凌ぐ。一番のみどころは、シャーロック・ホームズの永遠の宿敵モリアーティ教授の登場だ。
どんなモリアーティ教授になるのか、ファンは大きな期待を持って待ち構えていただろう。なんせ、敵役としても大人気のキャラクターだ。期待は裏切られなかったはずだ。なぜなら、モリアーティ教授は、シャーロック・ホームズと拮抗する魅力でスクリーンに華々しく登場してきたのだから。
演じるジャレッド・ハリスは、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の船長役で特異な存在感を表現していたのが印象的だった。だが、ムービースターというには少し地味な存在。それが華麗な悪役としてスクリーンの中央に踊りでた。
ロバート・ダウニー・Jr演じるシャーロック・ホームズも無邪気で軽妙なキャラクターだが、ホームズに劣らない純粋さを持ち、その天真爛漫な残酷さが際立つキャラクターだ。特にホームズとモリアーティがチェスで対決する後半のシーンは、二者の実力の拮抗度を表現して見事なシーンとなっている。
もう一人、この映画の魅力的なキャラクターといえば、ジュード・ロウ演じるワトソン博士。常識人とおもいきや、今回も飄々とした個性でスクリーンを泳ぎ回る。また更に個性の強いホームズの兄も登場。
今回のシャーロック・ホームズは、そんな魅力あふれた男たちが縦横無尽に活躍する意欲作。だが、男って夢中になるとひたすら真っ直ぐ突き進む、子供のように身勝手で愛すべき存在だなということを改めて確認させられた一作でもある。
(オライカート昌子)
シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム
2011年 アメリカ映画/129分/監督:ガイ・リッチー/出演:出演: ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、ジャレッド・ハリス、レイチェル・マクアダムス、スティーヴン・フライ、エディ・マーサン/配給:ワーナー・ブラザース
オフィシャルサイト http://wwws.warnerbros.co.jp/sherlockholmes2/