
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』解説
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』とは
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』は、写真家のリー・ミラーを描いた作品。トップモデルから「写真を撮られる側ではなく、撮る側でありたい」 と、リー・ミラーは、トップモデルから転身し、写真家マン・レイのもとに弟子入り。マン・レイをはじめとして、ピカソ、シャネル、 ジャン・コクトー、ダリ、コンデ・ナストら時の天才たちを 魅了したミューズでもあり、 20世紀を代表する女性報道写真家。その情熱的で数奇な10年間に焦点をあてた。
主演・製作総指揮をケイト・ウィンスレット。アカデミー賞をはじめ数々の映画賞に輝く彼女は、20世紀の男性社会に⾶び込み、使命を持って写真を撮り続けたリー・ミラーの⼈⽣に深く感銘を受け映画化を熱望。8年以上の歳⽉をかけ映画化にこぎつけた。監督を任せたのは、ケイト・ウィンスレットとは『エターナル・サンシャイン』以降、親交のあったエレン・クラス。
その他の登場人物にも主演級の俳優がずらりと並ぶ。キャスティングされた俳優陣のレベルの高さはウィンスレットとプロジェクトそのものへの評価でもある。
アンディ・サムバーグは『LIFE』誌の写真家デイヴィド・E・シャーマン、
アレクサンダー・スカルスガルドはイギリス人シュルレアリスム画家、写真家、詩人、伝記作家のローランド・ペンローズ、
マリオン・コティヤールは仏版『VOGUE』誌のファッション・ディレクターでミラーの親友でもある公爵夫人ソランジュ・ダヤン、
ジョシュ・オコナーは若いジャーナリスト、
アンドレア・ライズボローは英国版『VOGUE』誌の編集者オードリー・ウィザーズを演じている。その他のキャストには、ヌーシュ・エリュアール役のノエミ・メルランなど。
リストアップした俳優がほとんど出演を承諾したという。この中で異彩を放つのが、『パーム・スプリングス』のアンディ・サムバーグ。彼だけは、風貌が役とそっくりだったためキャスティング。今までコメディ映画メインで活躍してきたアンディにも注目したい。
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』映画レビュー 驚愕のオールスター映画
思わず声をあげてしまう映画がある。「なんてすごい!」「びっくりした!」「そんなことがあるのか!」と。『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』がそうだった。観る前に知っていたのは、モデルから報道カメラマンになったリー・ミラーを、ケイト・ウィンスレットが演じている伝記映画というものだった。ところが、『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』はいわゆる伝記映画を大きく超えていた。
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』は構造にひねりがある。年老いたリー・ミラーがインタビューに応える形式でスタートする。そして驚くほどのオールスター映画だ。主演級のスターがどんどん出てくる。インタビューする男性は、新進俳優のジョシュ・オコナー。『チャレンジャーズ』、『墓泥棒と失われた女神』で頭角を現した。彼が放つ、のほほんとした平和な空気は代えがたい。
リーミラーの友人のソランジュ・ダヤン役にマリオン・コティヤール。同じく友人のヌーシュ・エリュアール役にノエミ・メルラン。リーミラーと一緒に活動するアメリカ人ジャーナリスト役にデイヴィッド・シャーマン。『VOGUE』誌の編集者として登場するオードリー・ウィザーズ役に アンドレア・ライズボロー。そしてリーミラーと恋をはぐくむローランド・ペンローズ役にアレクサンダー・スカルスガルドだ。これほどのスターたちが一本の映画に集結するなんて唖然とするしかない。
そしてもちろん、リーミラーを演じるケイト・ウィンスレットの飛び抜けた存在感と自信が映画をエネルギッシュにし、魅力を倍増させている。見ているだけでこちらにも熱気が伝わってくる。
最後に全体構造が明らかになる余韻の深さにも驚きがある。そして、第二次世界大戦の戦前から戦中の姿が、今まで描かれたことのない角度で提示されているのにも驚かされた。
リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界
5月9日(金)TOHO シネマズシャンテほか ROADSHOW
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
© BROUHAHA LEE LIMITED 2023
監督:エレン・クラス
製作:ケイト・ウィンスレット、ケイト・ソロモン
出演:ケイト・ウィンスレット、アンディ・サムバーグ、アレクサンダー・スカルスガルド、マリオン・コティヤール、ジョシ
ュ・オコナー、アンドレア・ライズボロー、ノエミ・メルラン
配給:カルチュア・パブリッシャーズ 原題:LEE イギリス| 2023 | 116 分 |英語、フランス語 翻訳:松浦美奈
リーミラーは1945年に38歳である。
ところが映画の中では私には55歳ごろに見えるケイトウィンスレットが演じている。彼女の友人たちは皆快活な30台前半、彼女だけ初老、違和感が消えない。
太っていて動きも緩慢な女性がなぜカメラマンなのだろう。この年齢で戦場に行けるのだろうかと思いながらずっと映画を見ていた。
ケートウィンスレットは2025年で50歳、どうしてこんな初老の女性に映る彼女が主役なのであろう。
鑑賞中こんな年齢の人がどうして戦場にどうしても思っていたのだが途中から気を取り直して50歳台の初老だがカメラマンだったのだろうと思い直して最後まで鑑賞した。
そして今年齢を調べてから感想をここに書いている。
映画公開の翌々日はサクラレビューで星が多いのを忘れていたのとrotten tomatoes のaudience が90%を超えていたので見てしまった。観客はケートウィンスレットのヌードが見えればいいのかもしれない。cliticsは60%台だったのを軽視してしまった。最近いい映画に当たり続けていたのに久々のチョイスミスである。あー、残念