『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』映画レビュー 逆転発想の心意気

青春時代は二度と戻ってこない。そのかけがえのない時期を、あなたはどう過ごしているだろうか? あるいは、どう過ごしただろうか? 部活? 友情? バイト? 恋愛? それとも、「eスポーツ」?

日本映画では、青春の日常の輝きを、なにげなく描くものが数多くある。『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』は、青春プラス「eスポーツ」が、他にない特徴を持つ。

舞台は徳島の高等専門学校。この学校に通う3人の高専生が「eスポーツ」のロケットリーグ(英:Rocket League)で、全国制覇を目指す。この高等専門学校というのに少しだけ意味がある。普通高校の3年間は短すぎる。卒業まで5年ある高等専門学校だからこそ、「eスポーツ」に時間を費やすことにも説得力がある。

ちなみに、ロケットリーグ(英:Rocket League)は、ジャンプやロケット飛行ができる特殊な車を操作してサッカーを行う架空のスポーツを扱うコンピュータゲームのこと。

3人の高専生は、今までほとんど交流がなかった。気が合うわけでもない。そんな三人が出会い、共に戦う。東京大会でナンバーワンを目指したい。気持ちは、一致するのか、制覇はできるのか。

三人一組で戦う「全国高校eスポーツ大会」の仲間集めをスタートさせた達郎(鈴鹿央士)は頭がいい。翔太(奥平大兼)はモテそうだ。亘(小倉史也)はゲームの腕が冴えている。そして、三人とも、多少悩みも抱えている。そんな等身大ぶりが、『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』の個性だ。

そして、このタイトル。この作品の核心はタイトルにある。ゆるくていい、できることをできるだけやればいい。等身大で十分。今までの時代なら、勝負は勝つべきというのが標語だっただろう。その逆を行く発想だ。それをあえて題名に持ってきた心意気に拍手したい。そして、もう一つ。PLAYは、勝負でもあるけど、遊びでもある。青春なら、遊べ。青春と言えなくても、遊べ。もっと楽に遊んでいい。

(オライカート昌子)

PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~
2024 年 3 月 8 日(金)
TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023 映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』製作委員会
監督:古厩智之
出演:奥平大兼、鈴鹿央士、小倉史也