『DUNE/デューン 砂の惑星』とは
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SF文学が大きく発展を遂げた1960年代にフランク・ハーバートが書いた6作品のデューンシリーズの一作目。ヒューゴー賞及びネビュラ賞、日本の星雲賞も受賞しているベストセラー。文学的な作品とも言われている
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』あらすじ
舞台は10191年。アトレイデス家の後継者のポール(ティモシー・シャラメ)は、夢で見た光景の砂漠に覆われたアラキス、通称“砂の惑星”デューンに降り立った。父レト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)が、皇帝の命により、その地を治めることになったからだ。アラキスには、豊かな”スパイス”があり、その地を制するものは、全宇宙を制するといわれていた。しかし、そこには先住民フレメンがいた。
アラキスを以前治めていたのは、ハルコンネン家。実は、そこには巨大な陰謀と勢力争いがあり、父のレトは側近の裏切りにより捕らえられてしまう。さらにポールとその母も命を狙われるが、必死に逃げることになる、だがそこには、巨大なサンドワームが生息する過酷な砂漠があった。
『DUNE/デューン 砂の惑星』を楽しむポイントとは
その1 ハリウッドの新プリンス、ティモシー・シャラメを主演に起用
人気、実力、ファッションセンス、カリスマ性を兼ね備えた新プリンスと呼ばれるティモシー・シャラメを主人公のポール・アルセイデスに起用しています。
『君の名前で僕を呼んで』で大ブレイク。アカデミー主演男優賞ノミネートをはじめ、数々の賞に輝いた作品でした。その後も美しさと演技力の両立で、『レディバード』、『ビューティフル・ボーイ』などに出演。
『DUNE/デューン 砂の惑星』で初めて、メジャースタジオのSF超大作に主演を果たしました。美しい映画の美しいスターとしての輝きは一見に値します。
その2 一作目の『デューン 砂の惑星』はデビッド・リンチ監督の失敗作?
『デューン 砂の惑星』の一作目はデビッド・リンチ監督作品だが大失敗作と言われています。複雑な人間関係や用語がわかりにくい、膨大なストーリーを端折ってしまって、セリフが多すぎるというところがあったようです。
今回の『DUNE/デューン 砂の惑星』は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンをとっています。『灼熱の魂(10)』で、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされて国際的に注目を集めたカナダ出身監督です。その後『プリズナーズ(13)』と「複製された男」「ボーダーライン」(15)などを手掛け、SFドラマ『メッセージ(16)』ではアカデミー作品賞・監督賞など8部門にノミネート。その後、『ブレードランナー 2049(17)』も監督。壮大なドラマを華麗な映像美と迫力で描き、今回のアカデミー賞にも有力ではないかという評判となりました。
その3『デューン 砂の惑星』は『スター・ウォーズ』の原点?
『スターウォーズ』は、原作の『デューン 砂の惑星』の影響を受けていることで有名です。帝国や抵抗戦争を描いているところからもそれは明白。『風の谷のナウシカ』もサンドワームのイメージを『デューン 砂の惑星』から借りているとも言われています。
世界で最も売れたSF作品と言われている『デューン 砂の惑星』シリーズだけのことはありますね。そして原作者のフランク・ハーバートは、この砂漠のイメージの反乱は映画『アラビアのロレンス』の影響を受けていると言われています。名作が次々と次の名作に影響を与えて続けている様子は、映画以上に感動させられます。
『DUNE/デューン 砂の惑星』映画レビュー 映像美と迫力の強烈体験を楽しみたい
SF映画に強烈な体験を求めるのなら、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版の『DUNE/デューン 砂の惑星』はぜひ見ておきたい作品だ。独特な美的感性に彩られた、重厚かつ神秘的な世界。そこに飲み込まれるような迫真の世界がある。
その美しさは、砂漠の光景に代表される。さらに、フォトブックから出てきたように主人公ポールを演じるティモシー・シャラメは、目の保養としか言いようがない。城や町のデザインも威圧感があるし、破壊や戦争のシーンすら夢を思わせるほど異様でいて華やかだ。
ハンス・ジマーの音楽は、ギリシャ悲劇のような威圧感を持ちつつ、時に軽快さで個性が現れている。『DUNE/デューン 砂の惑星』は、まさに圧倒的な映像体験として楽しめる映画だと思う。
『DUNE/デューン 砂の惑星』にいわゆる、スペースオペラの軽快な楽しさを求めてはいけない。あくまで直線的、重々しく美的な映画体験として見に行くのが正しい。複雑に練り上げられたストーリー、キャラクターの深い人間性、コミカルチックなシーンなどを好む人には向いていない。映画でしか見られない、壮大な世界に飛び込む気持ちで見たい作品。
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(オライカート昌子)
DUNE/デューン 砂の惑星
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2021年製作/155分/G/アメリカ
原題:Dune
配給:ワーナー・ブラザース映画