『デューン 砂の惑星PART2』解説・あらすじ
『デューン 砂の惑星PART2』とは
『デューン 砂の惑星PART2』は、2021年に公開された『デューン 砂の惑星』に続く物語。監督は、前作に続き、ドゥニ・ヴィルヌーヴ。主人公のポール・アトレイデス役に『君の名前で僕を呼んで』、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のティモシー・シャラメ。
前作に引き続き、ゼンデイヤ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、レベッカ・ファーガソンも出演。今作からの参戦は『エルヴィス』のオースティン・バトラー、『ミッドサマー』のフローレンス・ピュー、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』のレア・セドゥ。皇帝役にクリストファー・ウォーケン。24年5月に公開が控える超期待作『マッドマックス:フュリオサ』の、アニャ・テイラー=ジョイも顔を見せています。
スターウォーズの原点にして神話的世界を結実したストーリー『デューン 砂の惑星PART2』、『デューン 砂の惑星』あらすじ
原作者のフランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』シリーズは、世界で最も売れたSF作品と言われています。
前作『デューン 砂の惑星』あらすじ
人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年の世界。そこでは、1つの惑星を1つの大領家が治めるシステムがあり、その頂点に皇帝が鎮座していた。
大領家の一つアトレイデス家は、通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになったが、そこは抗老化作用を持つスパイスの唯一の生産地。アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだったが、以前よりスパイスの採掘権を持つハルコンネン家の策謀により、アトレイデス家は攻撃を受け、滅亡。妻のジェシカと息子のポールのみ、命からがら、砂漠へと逃れる。だがそこは、サンドワームと、砂漠の民フレメンが支配する場所だった。
『デューン 砂の惑星PART2』あらすじ
砂漠の民フレメンに出会ったポールとジェシカは、フレメンたちが隠れ住む群居洞へ向かっていた。そこにハルコンネン家の軍隊が襲い掛かる。なんとか一命をとりとめた二人だったが、フレメンたちにポールとジェシカは受け入れられるのかどうかが問われる成り行きに。
ジェシカは、フレメンの教母となることを求められる。ポールは、スティルガーにより、預言にある救世主ではないかと予測される。フレメンのチャニと心を通わせ、次第にフレメンの流儀を身に着け始めるポールだったが、夜には悪夢に襲われていた。
彼は父の復讐を成し遂げるのか、スティルガーが主張する通り、救世主として民を救うのか。その行く手に、次期男爵フェイド=ラウサが立ち塞がる。
『デューン 砂の惑星PART2』を見るべき理由とは
『デューン 砂の惑星PART2』を見るべき理由 その1 高い興行成績と評価
『DUNE/デューン 砂の惑星PART2』は、一作目『デューン 砂の惑星』をはるかに超える興行成績と評価で注目を集めています
一作目の『デューン 砂の惑星』の全米での興行成績も1億ドル越えのヒットを記録しましたが、『DUNE/デューン 砂の惑星PART2』は軽くその2倍以上の興行成績をあげています。
『デューン 砂の惑星』は、2022年・第94回アカデミー賞で、作品賞をはじめ計10部門にノミネートされ、撮影、編集、作曲など技術部門を中心に同年度最多となる6部門で受賞。高い評価を受けました。
『DUNE/デューン 砂の惑星PART2』の評価はさらに高くなっています。アメリカの代表的映画サイト、IMDBでは、前作が8.0のところ、『DUNE/デューン 砂の惑星PART2』は8.9。この評価は、『ロード・オブ・ザ・リング』や『パルプフィクション』、『続・夕日のガンマン』などの過去の名作レベル。つまり、『DUNE/デューン 砂の惑星PART2』が、歴史的名作SF作品となるのは、ほぼ約束されているのです。
『デューン 砂の惑星PART2』を見るべき理由 その2 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の成熟
前作で、大きな成功をつかんだ『デューン 砂の惑星』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ですが、そのスケール感と美しい映像にもかかわらず、世界観を示す説明が必要だったためもあり、シーンによっては、退屈という意見もありました。
ですが、『デューン 砂の惑星PART2』は、戦闘シーンと背景と物語の一体化のレベルがアップして、一時でも意識を逸らすことなく、2時間46分、圧倒され続けるような映像体験をすることができます。
荘厳な美しさと、激しいバトル、繊細なドラマがシームレスに描かれる『デューン 砂の惑星PART2』は、ドゥニ・ヴィルヌーヴが今まで、作り上げようとしてきた理想の映画世界を達成した証のような映画ではないかと思います。
『デューン 砂の惑星PART2』を見るべき理由 その3 興奮を誘う戦闘シーンと圧倒的な映像美
映像美を絶賛する声が高い『デューン 砂の惑星PART2』。特に戦闘シーンでは、SFでしか見ることができないデザインスタイルと特徴ある動きが印象的です。
前半のゲリラ的戦闘は、練り上げられた作戦と小気味よい攻撃と防御が適度なリズムを奏でます。
砂漠が広がる大地のスケール感、サンドワームを引き寄せる小道具の楽しさとリズム、主人公ポールの、訓練された動きなど、見どころ満載です。
後半に繰り広げられる戦闘シーンは、大規模かつ破壊的でストーリーを新たな段階に引き上げていきます。
『デューン 砂の惑星PART2』を見るべき理由 その4 豪華キャストの底力を引き出す演出力
ポールを演じるティモシー・シャラメの美しい中にも憂いを含んだ存在感と、映画の中で、開花していく演技の幅にも驚かされます。後半の覚醒していく過程でも、その存在感と演技力は、重みを持たすのではなく、悪夢や懸念を超えて、むしろ軽みを帯びるところが、見どころの一つ。
ポールと心を通わせるフレメンの戦士チャニを演じるのは、ゼンデイヤ。チャニは、『デューン 砂の惑星PART2』の柱の一つとして、なくてはならない大切な役。いつも固い表情のチャニの中の繊細で優しい民を思う気持ちと、戦士としての決死の覚悟を持ち続ける強さも見逃せません。
オースティン・バトラーが演じる、次期男爵フェイド=ラウサの狂気帯びた存在は、映画の魅力を高めています。
『デューン 砂の惑星PART2』を見るべき理由 その5 欠点なのか、調和なのか、ドラマ性と映像と音楽
『デューン 砂の惑星PART2』の特徴に、ストーリー自体は重くなるはずなのに、ドラマ性の描き方が薄味なところがあります。熱くて重厚なドラマを期待している方には欠点に思える部分かもしれません。
ドロドロではなく、洒脱で清明。映像のモダンな部分と音響効果との調和にウェイトがあるととらえると、制作上のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の個性が浮き上がります。
後半のポールが新たな自分を群集の前で披露するシーンの軽やかな足取りや、、悪役のフェイド=ラウサが、重苦しい印象をもたらさないところなど。さらに、皇帝の描き方や、ガーニイ・ハレックを演じるジョシュ・ブローリンが、まるで素で演じているような、彼らしさを発揮しているところ。
『デューン 砂の惑星PART2』は、ドラマ性に重点を置くよりも、映像と音楽との調和を目指すことで、新しい時代のSF作品を作り出しているのではないでしょうか。
デューン 砂の惑星PART2
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3月15日(金)全国公開
(3/8(金)、9(土)10(日)3日間限定先行上映決定)
配給: ワーナー・ブラザース映画
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
撮影:グリーグ・フレイザー
脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ジョン・スペイツ、クレイグ・メイジン
出演:ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、オースティン・バトラー、
フローレンス・ピュー、デイヴ・バウティスタ、クリストファー・ウォーケン、
スティーブン・ヘンダーソン、レア・セドゥ、ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリング、ハビエル・バルデム