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義理から友情へ向かうドラマとプロの大人とプロの子供が魅せる反撃アクション

ジェイソン・ステイサムは、カッコイイ男の地位に、目覚しい速度で駆け上がってきた売れっ子スター。イギリスの元飛び込み選手で、モデル出身。洗練されたアクションの美しさも格別だ。で、演技力はどうなの? というのが気になるところ。

『SAFE/セイフ』では、かっこ良さを封印し、人生にうちひしがれた男として登場してくる。ジェイソン・ステイサム演じるルーク・ライトは、八百長ボクシングでトラブルを起こし、妻を失い、ホームレスとなって街を徘徊している。ルーク・ライトの本当の正体がわかるのは、ストーリーも半ば過ぎになるまで待たなくてはならない。

彼が助けることになるのは、中国人の少女。天才的な数学の才能を買われて、中国マフィアによって中国からアメリカに連れてこられたメイだ。逃げ出したメイを狙うのは、中国マフィアだけでなく、ロシアンマフィア、そして警察。ルーク・ライトとメイは、逃避行しながら時に反撃を加えていく。

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二人の関係は、『レオン』のように淡い恋なんてものではなく、対等な凄腕同士。はじめはあくまでも義理な関係に過ぎなかったものが、次第にコンビとして絶妙な調和を醸しだしていくのがいい。そのあたりの流れを、私たち観客にスムーズに伝え切ることできるのだから、二人の演技力は確かなものだ。

そういえば、ボアズ・イェーキン監督の前監督作品は、『アップタウン・ガールズ』だった。今は亡きブリタニー・マーフィと、天才子役ぶりを発揮していたころのダコタ・ファニングが、大人と子供同士というよりは、人間同士としての友情を楽しく見せてくれた作品だ。

『SAFE/セイフ』の隠れたテーマも、似たものかもしれない。だけど『SAFE/セイフ』は、あくまでもアクション大作。魅せるアクションとしての満足度も十分。そしてジェイソン・ステイサムのスタイリッシュ・アクションも見どころたっぷりなのも嬉しい。できれば劇場で楽しみたい作品。   (オライカート昌子

『SAFE/セイフ』
10月13日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー
配給:ブロードメディア・スタジオ
R15+
公式サイト:www.safe-movie.jp