Black & White/ブラック & ホワイトの画像
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楽しいデートムービーと思いきや、やっぱりこれはシビアな戦争なのだ

『Black & White/ブラック & ホワイト』の原題は『This Means War』。「ならば戦争だな」とでも訳せばいいだろうか? シリアスな響きがあるけれど、この戦争、二人の男が、一人の女性の心をつかむためのもの。ある意味とても平和的な戦争なのである。

もちろん、戦争だから容赦しない。プロのあらゆる秘密兵器が登場するし、優位に立つためには、卑劣な手だって使う。スパイだからターゲットの情報だって筒抜け。現代のモテ術必須のギャップの演出にも躍起にもなる。ギャップ合戦がどんどんエスカレートしていくのも面白い。

対する女性は、ちょっと婚期をのがし気味。同棲していた彼氏に振られた上、道で元カレと婚約者に出会ってしまうと、全力で見栄を張ってしまう、ごく普通の女子だ。最近ちょっといい感じの男性二人に出会ってから、気分は上昇中。だが、近いうちにどちらか一人に絞らなければならない。

彼女は、その二人が知り合い同士だなんて知らない。どちらの男を選ぶべきか本気で悩んでいるので、親友のかなり無責任なアドバイスをアテにする。その辺は完全にラブコメのノリだ。

アクションあり、純粋コメディシーンもあり、ラブコメ的会話あり、まるで2つの映画を見ているようだ。男の世界と女の世界が、二重写しのように楽しく表現されている。デートムービーでも男女双方に満足感を与えるだろう。

だが、ちゃんと片がつく最後まで楽しんで見た後に感じるのは、この映画はやっぱりシリアスな戦争を描いていたのではないかということだ。男が女を獲得する。女が男を選ぶ。それはずっと太古から続いてきた世界で一番シビアな戦争なのかもしれないのだから。

(オライカート昌子)

Black & White/ブラック & ホワイト
2012年4月20日(金)TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
オフィシャルサイト http://www.foxmovies.jp/blackwhite/