『海よりもまだ深く』映画レビュー 更新日:2016年6月3日 公開日:2016年6月2日 映画レビュー(感想)/映画評論 作家の発想は似てしまうのか、似た設定の主人公に続けて会うことがある。先に試写室で観た『海すずめ』(大森研一監督、7月公開)のヒロイン(武田梨奈)は小説家デビューしたもののそのあとが続かない“一発屋”。故郷に帰って奮起す […] 続きを読む
『デッドプール』映画レビュー 更新日:2016年6月16日 公開日:2016年5月31日 映画レビュー(感想)/映画評論 しゃべり過ぎでお茶目だけど、デッドプールはつい応援したくなるヒーローだ ヒーローは、静かでシリアスで常に正しい。そんなありきたりのイメージを、ニューヒーローがぶち壊す。やり過ぎ、突っ込みすぎ、しゃべり過ぎ、戦いのシーンも […] 続きを読む
『64-ロクヨン-』映画レビュー 公開日:2016年5月25日 映画レビュー(感想)/映画評論 2016年の日本映画界は、ホラー、スリラー、犯罪映画の秀作がしのぎを削りそうだ。悲惨な少女誘拐殺人事件とともに、県警内部の人間模様をじっくり描く『64-ロクヨン-』は、その豪華キャストが目を引く一番の話題作。しかもよく […] 続きを読む
『ルーム』映画レビュー 公開日:2016年4月26日 映画レビュー(感想)/映画評論 大自然でのサバイバルはまずその地へ向かう必要があり、苦しみを想像する上でだいぶ距離を保てる。だが小さな部屋でのサバイバルは、ある日突然、誰の身にも起こりうるもので、想像させる力は数百倍にもなる。“脱出もの”というジャン […] 続きを読む
『モヒカン故郷に帰る』映画レビュー 更新日:2016年4月12日 公開日:2016年4月11日 映画レビュー(感想)/映画評論邦画 ライブハウスのステージでモヒカン刈りの永吉(松田龍平)が一人前にシャウトした後の、楽屋話がおかしい。タイトルが出るのは彼の故郷の島が見えてからで、中学生のブラスバンドが矢沢永吉の曲をのどかに演奏するのを聴くころには、映 […] 続きを読む
『アーロと少年』映画レビュー 更新日:2023年9月24日 公開日:2016年3月12日 映画レビュー(感想)/映画評論 ピクサーが凄いのは、今までの積み上げてきたものに安住しないで、新しいものに挑戦していく意欲だと思う。前作の『インサイド・ヘッド』は、頭の中の人格に感情をあてがい、あたかも人間のように動かしてきた。普通だったら思いつかない […] 続きを読む
『インサイダーズ/内部者たち』映画レビュー 更新日:2016年6月22日 公開日:2016年3月10日 映画レビュー(感想)/映画評論韓国映画 どんでん返し映画(ツイスト映画)にだまされるのは、一種快感だ。まるで中毒になってしまったように、我々観客は、もっと壮大にだまされたいと願ってやまない。そういう意味で、最近一番だまされ快感度が強かったのが、『インサイダーズ […] 続きを読む
『キャロル』映画レビュー 公開日:2016年2月22日 映画レビュー(感想)/映画評論 書道塾に通っていた小学生のころ、顔や姿かたち、むろん筆づかいも美しい女子中学生に憧れて家まで後をつけたことがある。見とがめられ、不審な顔をされて熱が醒めたが、あのときにっこり微笑まれたらどうなっていただろう。 うらや […] 続きを読む
『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』 映画レビュー 更新日:2016年2月17日 公開日:2016年1月31日 映画レビュー(感想)/映画評論 部屋に関連するホラーもたくさん見てきたが、ときどきひょいと思い出すのは、池田敏春監督『いきすだま~生霊~』(2001)の第2話「空ほ石の(うつほいしの)……」に登場する団地の部屋だ。帰宅すると閉めたはずの押し入れの襖が […] 続きを読む
『ブリッジ・オブ・スパイ』映画レビュー 更新日:2016年1月10日 公開日:2016年1月8日 映画レビュー(感想)/映画評論 スティーヴン・スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』には、感動させられた。それ以上に感嘆してしまった。今年になって、まだ映画を見ていないなら、最初に選ぶ映画として、ぜひおすすめしたい。 1957年、東西冷戦のさなか […] 続きを読む