
好き嫌いが分かれる映画だろう。
マッチョな女同志の危ういラブストーリーでもあり
デミ・ムーアが圧倒的だった昨年の『サブスタンス』を彷彿させる
変態映画でもある、と思う。
主人公マッチョはクリステン・スチュワートである。
あの『トワイライト』シリーズで世の男性を骨抜きにした
クリステン・スチュワートだ。
この映画、よく承諾したな、と思わせるほどの汚れ役で出演。
つい数年前、ダイアナ妃役で魅せていたのに、だよ。
もう一人のマッチョはケイティ・オブライアン嬢。
『アントマン&ワスプ クアントマニア』(2023)や『ツイスター』(2024)、
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(2025)で
ムキムキの姿態を見せた期待のハリウッド新人。
次回作はスティーブン・キング原作のリメイク『The Running Man』。
なるほど、頷ける。
物語は同サイト、オライカート昌子さんのレビューをご覧あれ。
マッチョな女同志の危ういラブストーリー?
こりゃ、コメディだろ、と見れば気が楽だがそうはさせてくれない。
奇天烈な邦題のステロイドが薬物と相まって
見る者を砂漠の谷底に放り込んでしまうからだ。
クリステン・スチュワートの父親役でエド・ハリスが登場すると
その落武者スタイルでそれまでの画面をぐちゃぐちゃに引きちぎり、
一人勝ちのような怪演でラストまで暴走する。
「痛みを愛せ」を教訓として生きてきたクリステン・スチュワートが
初めて心許せるパートナー、ケイティ・オブライアンに出会うが、
執拗に父エド・ハリスはそれを裂こうとする。
1989年のアメリカ、ニューメキシコ州の田舎町。
周囲は荒涼とした砂漠。
澄んだ夜空に場面ごと、少なくとも3回、流れ星が降る。
願いを唱えるには一瞬すぎて儚い。
やがてテレビの画面に、東西ドイツの壁崩壊のニュースが流れるが
はたして何を意味するのだろう。
愛はステロイド
8月29日(金)全国ロードショー
監督&脚本:ローズ・グラス
共同脚本:ヴェロニカ・トフィウスカキャスト
出演:クリステン・スチュワート(『スペンサーダイアナの決意』)、
ケイティ・オブライアン(『ミッション:インポッシブル/ファイナル〜』)、
エド・ハリス(『トップガンマーヴェリック』)、
ジェナ・マローン(『メッセンジャー』)
2024年|イギリス・アメリカ|カラー|2.39:1|5.1ch|104分|英語
原題:Love Lies Bleeding|R-15
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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