マイティ・ソーの画像
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『マイティ・ソー』が7月2日から公開になります。それに先立ち、この作品でハリウッド・デビューを飾った浅野忠信さんの凱旋帰国会見が行われました。

マイティ・ソーとは
全米週末興行で二週連続1位を獲得した大ヒットアクション・エンターテイメント。マーベル・コミックス原作作品では、初めての3D映画。北欧神話をモチーフにし、雷の神ソーが主人公。映画では現代の地球、ソーの故郷の神の世界アスガルド、氷の惑星の三つが舞台となっている。

ソー役の新鋭のクリス・ヘムズワースを支えるのは、ナタリー・ポートマン、アンソニー・ホプキンスなどアカデミー賞俳優だ。さらに、シェークスピア俳優としても有名なケネス・ブラナーを監督に迎え、アクションだけではない気品漂う作品に仕上がった。

ケネス・ブラナー監督ビデオでエール

マイティ・ソー会見の浅野忠信さん浅野忠信さんが登場すると同時に、場内には雷を模した電光が走り興奮に包まれました。浅野忠信さんが挨拶を述べると、次にケネス・ブラナー監督のビデオメッセージが流れました。ケネス・ブラナー監督は、日本に来ることができなかったのを残念に思うとまず一言ってから、『マイティ・ソー』と、浅野さんについてたっぷり語ってくれました。

「『マイティ・ソー』はとてもパワフルな映画です。マーベル作品にとってもそうですが、僕にとっても初の3D映画で、視覚効果を発展させる貴重な機会でした。またソーのキャラクターに魅了されていました。物語は、一人の男の旅路が描かれています。ある地点から自分の限界を克服し、新たな地平へと向かうストーリーです。

ソーは不完全なヒーローで、自分の強さだけを信じている、だが弱みも持っている。そのせいで追放され、犠牲を捧げなくてはならなくなる。その旅路で本当のヒーローへと変わっていきます。彼は神ですが人間性を持っている。面白いキャラクターです。だから見るのもとても楽しい人物なんです。

タッド(浅野忠信)はとても紳士的でした。彼が演じたのはとても重要な役です。ソーを守る個性的な3人の戦士の一人で、一番の真剣みでチームを支えるホーガンです。タッドを『モンゴル』で見たときに、ホーガンにぴったりだと思ったのです。彼は滅多にない映画での強い存在感を持っていて、天性の映画スターだと思いました。物静かで偉大な知性を感じさせます。

ケネス・ブラナー監督この映画はタッドの最初のハリウッド映画ということですが、献身的な態度もあり、現場ではとても人気がありましたし、彼と働くことは喜びでした。タッドに言いたいのですが、この『マイティ・ソー』で彼が担った役割は、自分でも思うより本当はすっと大きかったですよ」

ケネス・ブラナー監督のビデオメッセージが終わると、浅野忠信さんへの質疑応答が始まりました。最初の質問は、ハリウッドへのきっかけと印象について。

ハリウッドは規模が違う。俳優の本気度は日本と同じ

「『モンゴル』に出演したことでアメリカの人にもたくさん見ていただいて、仕事をする機会を得るようになった。『マイティ・ソー』のオーデションのことを聞き大きなチャンスなので、この役をぜひ手に入れたいと思った。監督に気に入ってもらえて役を得ることができました」

「ハリウッドが日本と違うのは、セット、衣裳、メイクの量など。アクションシーンのために用意されているトレーニングの時間など、物理的な面だけでなく、時間的な面でもとんでもない規模で驚きました」とのこと。

豪華な共演者についての印象では、「僕も舞い上がって緊張していましたが、みなさん、すごく優しくさらに表現に対して真剣で、それは僕がずっと教えてもらってきた日本の映画作りと変わらなかった。今まで自分がやってきたことが間違いなかったと彼らを通して再確認できました」と語りました。

ケネス・ブラナー監督はご自身でもシェークスピア役者として有名。演技指導的な意味での特徴については、「監督も俳優なので、わざわざ言わなくてもわかるようなところは、余計な演出をしない。

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だが、助けを求めると、的確な指示をする。俳優をやってきたからわかるのだなと思いました。俳優といっても違う人間だから、俳優に対してはそれぞれ違う演出法をしていたと思う。クリス(クリス・ヘムズワース ソー役)には、クリスに適した演出法、僕には僕に適した演出法というように。そういう意味でも感謝しています」と答えていました。

ハリウッドへの思い入れについては、「今まで日本の映画界でやってきて、その延長線上にハリウッドがあったと思う。それとは別に、祖父がアメリカの人だったので、この世界に入った時から、いつかはアメリカで仕事をしたいと思っていた。やっとここまで来れたと思う。母もしたことがなかったのですが、アメリカで初めてお墓参りができました。やっと祖父に会えたと思いました」と感慨深げに答えていました。

原作は、マーベルのアメコミ。キャラクターのアプローチの仕方については、「マーベルさんからコミックを送ってもらったのが、役にたちました。想像力が沸いてきて、台本を読むより漫画を通じた方がずっと役柄にコネクトできると感じました。コミックから受け取ったダイナミックさを表現したいと思いました」と感想を述べていました。

ホーガン3Dで出てきちゃった

ハリウッド作品は、あと2本が待機中。手ごたえはあるかとの問いには「『マイティ・ソー』が、まだ公開されたばかりで、手ごたえは感じていないが、撮影は進んでいるので、今後公開されるたびに、手ごたえを感じるのではないか。このまま続けて食いついていきたいと思う」と答えていました。

軸足はアメリカなのかという質問には、「僕を育ててくれた日本の映画にはずっとかかわっていきたい。タイミングで出演できるものがあれば日本の映画にも出たいと思います」ときっぱりと断言していました。

初めて3Dで映った感想については、「凄く嬉しかった。ホーガンという役名も日本の映画にはない名前。一人の観客として見て、「ホーガン3Dででてきちゃったよ」と思いました(笑い)

英語については、[『モンゴル』などの経験があるので、言葉が通じなくても大丈夫だろうと思っていた。みんな僕が英語がヘタでも暖かかった。心で通じる部分がある。ただ、英語圏の人しかいなかったので、英語を話せないのは問題なんだなと思った」とコメント。

マイティ・ソー会見の画像この映画に出る前と後では何が一番違ったのかという質問には、「自分が面白いと思うことをとことんやる。可能性を信じる。ぶつけていいのだというのが勉強になった」と力強く答えていました。

『ヴィヨンの妻』で妻役を演じた松たか子さんが大きな花束を抱えて登壇しました。松さんの映画の印象は、「凄く楽しみました。試写室でみたのだけれど、できれば映画館でポップコーンを食べながら盛り上がって見たかったです。

シェークスピア俳優という印象があったので、ケネス・ブラナー監督がこんなゴージャスな映画を撮るとは思いませんでしたが、神様たちの話と現代をつなげるという役目は彼の使命だったのだなと興味深く感じました」と語っていました。

会見は雷鳴の輝きがアクセントとなり、映画への期待をよりいっそう高めたのではないでしょうか。『マイティ・ソー』は、7月2日(土)公開予定です。

『マイティ・ソー』オフィシャルサイト
・2011年7月2日(土) 丸の内ルーブルほか全国超拡大ロードショー