本気のジェイソン・ステイサムが見たかったら、『ワーキングマン』はおすすめだ。決して今までのジェイソン・ステイサムが本気でなかったわけではない。今までのジェイソン・ステイサムには、どこか余裕があった。アクション映画の楽しみを大いに与えてくれるプロフェッショナルだった。

『ワーキングマン』のステイサムは、傷ついた男だ。醒めているし余裕もあるけれど、信じていたことにひたすら向かっていった結果、残っていたのは、傷しかなかった。それに気づいてしまっている。だとしても彼は日々の務めを精一杯果たしている。
レヴォン(ジェイソン・ステイサム)が、建設現場の主任として働いていたある日、あるきっかけで、元特殊部隊の技を大いに生かすこととなった。彼は激しく動く。そこまでやるかというぐらいに。理由と行為の間に乖離がある。

『ワーキングマン』は一言でいうと、先にも明るさのを見出すことができない男が、もっと暗い世界に足を踏み入れるというもの。ところが、そんな定型な映画を名作アクション映画も多いデビッド・エアー監督が作るわけがない。シルベスター・スタローンもそんな映画をプロデュースするわけがない。ちなみに『ワーキングマン』はシルベスター・スタローンは脚本も兼ねている。
シーンの質やつながりのスピード感にデビッド・エアー監督のセンスを感じる。昼間の窓から差し込む光が強くまぶしく、夜はきらびやかで敵のアジトもお洒落だ。驚かされるほどではないものの、ストーリーの練りに工夫がある。敵を含めたキャストのチャーミングさもポイント。ロシアンマフィアは、凶悪というよりは、『』そして爽快感は相当なものだ。暗い世界に光をもたらす力はきっとあると信じさせてくれる。

ワーキングマン
2026 1.2 (Fri) 着工開始。
配給:クロックワークス
© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
監督:デヴィッド・エアー 脚本:シルヴェスター・スタローン、デヴィッド・エアー
出演:ジェイソン・ステイサム、デヴィッド・ハーバー、マイケル・ペーニャ、ジェイソン・フレミング、
メラーブ・ニニッゼ、マクシミリアン・オシンスキー、ほか
2025 年 | アメリカ | 英語ほか | 116 分 | シネマスコープ | 5.1ch | 英題:A WORKING MAN | 字幕翻訳:平井かおり | PG12




