6月21日(金)より公開の『アフター・アース』のプロモーションで主演のウィル・スミス、ジェイデン・スミスの親子が来日。記者会見が開かれました。その模様をレポートします。
アウター・アースとは
アフター・アースは、ウィル・スミス、ジェイデン・スミス親子共演の超SF大作。監督は、M・ナイト・シャマラン。原案にウィル・スミス。ウィル・スミスは、プロデューサーも兼ねている。西暦3071年、人類は惑星ノヴァ・プライムに移住し、生活を送っていた。サイファ・レイジ(ウィル・スミス)は伝説の兵士で現在は軍の将軍。その息子キタイが、初めて宇宙遠征に父と共に乗り出したとき、親子は見知らぬ星に不時着。
負傷した父に代わって、緊急シグナルビーコンを一人で探しに行くキタイ。凶暴な生物たちが次々と行く手を阻む。彼の恐怖が最高潮に達した時、その恐怖が何かを呼び出してしまう。
息子と一緒にできるプロジェクトを探していた
記者会見の会場にはマスコミだけではなく、東京都北区桐ヶ丘中学の生徒たちも加わりました。現れたジェイデン・スミスが壇を下りて中学生たちと握手。それを見たウィル・スミスが、「良い動きだね。僕も昔はできたんだけどね」と声をかけ、会場は盛り上がりました。
最初の質問は、アフター・アースの原案が生まれたきっかけについて。ウィルは、2年前に、『ベストキッド』で息子がジャッキー・チェンと仕事をしていて、あまりにも楽しそうで、ジェラシーを感じてしまったんです。ジャッキーに対して。彼は僕の息子だぞ、って。
それで、息子と一緒にやれるプロジェクトを考えていました。最初は現代を舞台にした作品を考えていたのですが、インスプレーションが湧き、1000年後の未来にしたらどうだろうと。
たまたまM.Nシャマラン監督の誕生日のお祝いがあって、お祝いはいいから、なにか企画を考えてくれと言われて、アフターアースの話をしましたら、話がどんどん膨らんできたのです」と答えていました。
作品作りの段階でできるだけパーフェクトにしなくてはならない
次の質問は、『幸せのちから』以来、7年ぶりの共演ですが、ジェイデンさんの俳優としての成長は?というもの。
ウィル・スミスの答えは、「ジェイデンは14歳になって、以前より感情のコントロールが上手になっていて成長を感じました。以前でしたら、感情的に難しいシーンを撮ると、普段の生活で、感情を戻すことに苦労していました」と答えました。
また、ジェイデンさんは、父について「父の仕事ぶりで、小さい時には気づかなくて、今回気づいたのは、作品作りに対する真剣さと情熱です。映画というのはいつまでも残っていくものなので、作品作りの段階でできる限りパーフェクトなものにしなくてはならないという、大変な思いで作っているということを実感しました」と答えていました。
「この作品からどういうことを受け取って欲しいですか?」との質問にウィルは、「環境破壊が続けばどういう未来が待ち受けているのかの、可能性を描いている点でも、この映画は、面白くてパワフルな視点を与えていると思います。
我々の世代よりも、ジェイデン・スミスの世代では、もっとシリアスでもっと困難な問題が持ち上がっているかもしれません。それについて我々はもっと関心をもつべきだというメッセージがあると思います」と答え、
ジェイデンは、「環境についてこの映画は重要なことを訴えています。わたしたちは地球の扱い方を間違ってきたと思います。そのままではいけないと、目覚まし時計のように、自分にできることは何なのかを真剣に考えさせるきっかけになるのではと思います」と答えました。
「一番難しかったシーンと、楽しかったシーンは?」との質問に、ウィルは「崖の上から飛び降りる前の口論のシーンが難しかったです。なぜなら、とても感情的なシーンで、一日中、怒りの感情を持ち続けなければならなかったのです。
口論したり叫んだりしました。撮影後にその親として、自制しなくてはいけなかったのは、「こんな反抗する息子を、どうやって罰しようか」という気持ちでした」と答えました。
アフター・アースのポスターが好き
撮影が楽しかったシーンについて、ジェイデンは、「一緒のシーンはなかったよね、行動を起こしていたのはほとんど僕のキャラクターだった」と答え、
ウィルは、「それは認めるよ。ほとんど現場で奮闘していたのはジェイデンの方だった。僕は現場にもいたけど。でも、ギャラを多く貰ったのは僕の方だよ」と答え、会場の爆笑を誘っていました。
ジェイデンが、「僕が崖から飛び降りるシーンで、特別な服を来ているので飛ぶことができる。飛んでいる最中に、巨大な鳥が現れる。そこで「おお!」と父は叫んでいたけど、僕はクールに決めてたよ」と言うと、
ウィルは、会場に飾ってあるポスターの画像を見て、「僕はこのポスターが好きさ。ジェイデンの方は、怯えた若さが現れている。僕の方はベテランな、落ち着いた強靭さを見せている」と言うと、
ジェイデンが「下の方にある宇宙船のところに一人で立っているのは、僕の方だ。お父さんが落ち着いているのは、宇宙船の中の安全なところにいたからでしょう? アドベンチャーで、武器を持ってサバイバルして戦うのは僕の方だからね」と答え、まるで漫才をしているようでした。
1核のアイデアは恐怖のコントロール
「私は将来ダンサーになりたいのですが、ジェイデンさんは、ベストキッドで素晴らしいダンスを見せていました。いつからダンスを練習していたのですか?」という質問が中学生からありました。
ジェイデンは、「小さい時によくマイケル・ジャクソンのスリラーを見ていました。僕は表情を変えない子供で、お母さんが、「ジェイデン、踊って」と言う度に、顔を変えずに肩を動かして(やってみせる)踊っていました。スリラーを見るのは子供の頃はとても怖かったんですが」と付け加えました。
さらにウィルが「このアフターアースは、いかに恐怖をコントロールするかということが核となるアイデアになっている。もしジェイデンが、スリラーを見る前にアフターアースを見ていたら、きっと恐怖をコントロールできたと思うよ」と声をかけました。
「いや、もしアフターアースを子供の頃に見ていたら、もっと怖かったと思う。タイムトラベルが本当にあると思うだろうから。だって年上の自分が映し出されているんだから」と答えました。
ウィルがそこで驚いたように「日本語でもタイムトラベルは”タイムトラベル”っていうんだね。それは気に入った。ジェイデン、もし日本語でなにか言ってと言われたら、なんて答える?」
「タイムトラベル」と、ジェイデンが答え、さらに会場が爆笑。「じゃあ、ジェイデン、”コンニチワ”と言われたら、なんて答える?」とウィル。ジェイデンが「タイムトラベル」と答えて親子のノリの良さを強調していました。(取材/文 オライカート昌子)
アフター・アース
2013年6月21日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
オフィシャルサイト http://www.afterearth.jp/