『ヴェノム』を10倍楽しむための見逃せないポイントとは

ヴェノムとは、マーベルきっての人気スーパーヴィラン(悪役)です。形を変える宇宙生物シンビオートであり、地球上では寄生することで生きていける生物。映画『ヴェノム』では、正義感の強いジャーナリスト、エディ・ブロックに寄生することでストーリーが動き出します。今回は、ヴェノムを10倍楽しむためのみどころポイントを挙げてみました。

ヴェノムのここがみどころ その1 ヴェノムは残虐なのにユーモアセンスが高い

ヴェノムがなぜ高い人気を持っているのか。残虐なのに、高いユーモアのセンスを持ち、何をしでかすかわからない面白さと、本音を大胆に言う強さを持っているところにあります。

原作コミックでは、スパイダーマンの敵として有名です。ライミ版の『スパイダーマン3』では、ピーター・パーカーに寄生するブラック・スーツとして登場。ピーターがブラック・スーツを着ると、赤いスパイダーマンスーツと違って、気分が良くなり、大胆不敵になりました。

今回の映画『ヴェノム』では、スーツのみならず、キャラクターとしてしっかり描かれているところが一番のポイント。エディとの会話もみどころのひとつです。

一見無敵なヴェノムですが、いくつか欠点もあります。まず宇宙生物なので、地球上では何かに寄生しなければ生きていけないこと。新鮮な食料も必要。そして高周波に弱いこと。

ヴェノムのここがみどころ その2 ヴェノムに登場するキャラクターの魅力

ヴェノム自体の魅力もポイントですが、主役のエディ・ブロックを演じるトム・ハーディの演技も見逃せません。トム・ハーディといえば、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)で有名。ですが、『レヴェナント:蘇えりし者 』(2015)など、どちらかというと曲者俳優的な役が多いイメージがありました。今回彼が演じるエディ・ブロックは、正義感は強すぎるものの、感情移入できる普通の男。まっすぐでお茶目な彼の魅力と実力が最大限に発揮されています。

恋人のアンを演じるミシェル・ウィリアムズも、彼女が登場しただけで映画の品格が上がるのではと思えるぐらい、存在力のある演技を見せてくれます。今回は、彼女もヴェノムに寄生されます。エディとの熱いキスシーンもみどころのひとつ。

エディの恋敵になるドクター役のリード・スコットも、意外な役割を果たします。端役に至るまで、登場人物の個性が、もれなく伏線になっているところに心配りを感じさせられます。

ヴェノムのここがみどころ その3 一つの身体に二つの人格

今回のヴェノムの一番のポイントは、エディとヴェノムがひとつの身体に存在している、多少居心地の悪い設定です。最初はヴェノムの際立った異型性と残虐性に見ているほうも戸惑いますが、次第にその設定が自然に感じられてくるようになってきます。そうなると、ヴェノムに対して親愛感情すら感じられるようにもなってくるところが不思議。

エディとヴェノムは、次第に相手を尊重し、相手の言うことに耳を傾ける余裕すら獲得。それは、私たち普通の人間でも自分の中に相反する心の声を抱えていることを思い起こさせます。その声と戦うのか、尊重して聞いてあげるのか。

ヴェノムのここがみどころ その4 専門家と観客の『ヴェノム』評価の差

ヴェノムは残念ながら、全米では、爆発的な大ヒットとはなりませんでした。マーヴェル作品の中では、そこそこのヒット映画の地位にとどまっています。(世界興行収入は高め)。大ヒット作は主に夏興行に合わせて公開されるのに、秋興行になってしまったことも理由のひとつです。

また、映画評論家の評価もそれほど高くないという理由も考えられます。本来、もっと残虐であるべき作品だ、軽快さが気にいらないという専門家も多いようです。反面、一般観客の評価は高く、楽しんだ、大好きという人がほとんどです。

あなたのヴェノムの評価はいかがでしょうか? ぜひ楽しんで欲しいと思います。

ヴェノム あらすじ

テレビのレポーターとして、人気者のエディ・ブロックは、美しい弁護士のアンと何一つ欠けることのない生活を送っていた。エディの欠点はただひとつ。正義感が強すぎること。それで仕事を失ったこともある。

会社からの命令で、ライフ財団のトップ、カールトン・ドレイクの取材に行くことになったが、エディの興味は、ライフ財団が危険な人体実験を行っているのではないかということ。ライフ財団の弁護を行っているアンの秘密のファイルを家で盗み見たことで、彼の疑念は確信に変わり、インタビューでその質問をぶつける。そのせいで仕事をまたしてもクビになってしまう上、アンにも振られてしまう。

自暴自棄の生活を送っていたエディに、ライフ財団の研究者ドーラから連絡が入る。財団が行っている人体実験についての告発だった。エディはドーラとともに夜財団に忍び込む。そこでは、宇宙からのサンプルの人体実験が行われていたが、サンプル(シンビオート)がエディに寄生したことから、エディの身体に恐ろしい変化が訪れる。

(オライカート昌子)

映画『ヴェノム』作品情報

11月2日(金) 全国ロードショー
公式サイト:http://www.venom-movie.jp/
公式twitter: https://twitter.com/VenomMovieJP/
公式Facebook: https://www.facebook.com/VenomMovieJP/
©&TM 2018 MARVEL
監督;ルーベン・フライシャー
キャスト;トム・ハーディ エディ・ブロック
ミシェル・ウィリアムズ アン・ウェイング
リズ・アーメッド カールトン・ドレイク
スコット・ヘイズ
リード・スコット
2018/アメリカ映画/アクション・アドベンチャー・SF/112分/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント