『射鵰英雄伝』解説・映画レビュー 究極スペクタクル映画を3つのポイントで見る

『射鵰英雄伝』解説・監督・キャスト

『射鵰英雄伝』とは


『射鵰英雄伝』は、何度も映像化されてきた小説家金庸の武侠小説。武侠小説とは大衆小説の一種で、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公としているもの。映画『射鵰英雄伝』は、壮大な映像美と、スペクタクルな戦の数い、互いを想い続ける郭靖(かくせい)と黄蓉(こう・よう)の絆が印象的に描かれている。

本国では前売券だけで約76億円を突破。初日興収55億円を記録し、社会現象的大ヒットになった。

『射鵰英雄伝』監督・キャスト

「セブンソード」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズなどで知られる中国のヒットメーカー、ツイ・ハーク監督作品。

大ヒットドラマ「陳情令」などの人気俳優シャオ・ジャンが伝説の英雄・郭靖、ドラマ「春うらら金科玉条」のジュアン・ダーフェイが黄蓉を演じ、「愛人 ラマン」「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」、「シャドウズ・エッジ」のレオン・カーフェイが西毒役。「レッドクリフ」2部作のフー・ジュンが洪七公/北乞役。バヤルトゥ(巴雅爾圖/巴雅??)がチンギス・ハーン(大汗)を演じた。

『射鵰英雄伝』映画レビュー 究極スペクタクル映画を3つのポイントで見る


『射鵰英雄伝(しゃちょうえいゆうでん)』のツイ・ハーク監督は、80年代の香港映画の黄金時代を支えた一人。『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』、『男たちの挽歌』のプロデューサーや、『北京オペラブルース』、『セブン・ソード』など、華麗でスピーディで華麗な作品に特徴がある。そんな彼が、『1950 鋼の第7中隊』など、今や中国映画の監督として超大作を作っている。『射鵰英雄伝』は、彼が本領を発揮したワイヤーアクションたっぷりの戦闘歴史スペクタクル大作だ。

12世紀、宋末期時代。主人公の郭靖(シャオ・ジャン)は、北宋出身。父を失ったことをきっかけに、蒙古の支配する草原で育った。

そのころ、宋を支配下に収め、中原の支配者となった金と草原の覇者蒙古の闘いが起きていた。そこに居合わせたのが、主人公の黄蓉だ。彼は7人の師匠を持っていたが、彼が出会った女性 黄蓉が彼に新たな師匠を紹介したことで、郭靖の戦闘能力は、常人には信じられないほどになる。

最初はそこまでの経緯や人物紹介などで慌ただしい。郭靖が草原に行ってからが、おもしろさが倍増する。

射鵰英雄伝の面白さのポイントは、三つ。その一つは三角関係の切なさと自律。郭靖をめぐる人間模様で思い出したのは、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのエオウィン、アラゴルン、アルウェンの人間関係だ。ポイントの二つ目も『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズと共通点がある。香港風味をプラスした壮大で激しいスペクタクルな戦いだ。

三つめは、キャスト。主人公の郭靖を演じるのは、大ヒットドラマ「陳情令」のシャオ・ジャンだが、最初はピンとこない。押しが強くない。個性も乏しい。ところが草原シーン以降、その普通の青年ぶりが強みとなって映画を引っ張る。特徴がない分、誠実さやまっすぐな心といった内面が光を放つ。

今までの中国映画では、女性が主人公でない限り、女性の描写がステレオタイプに思えて不満が残ることが多かった。さすが長い映画キャリアを持ったツイ・ハーク監督は、女性の描き方も一味違う。今回は今回は悪役を一手に引き受ける西毒役のレオン・カーフェイの使い方も上手い。さらに、チンギス・ハーンの人間性が深く描かれているところも好印象だ。

射鵰英雄伝(しゃちょうえいゆうでん)
2026年2月6日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか、全国ロードショー!
配給:ツイン
©2025 CHINA FILM CO.,LTD.ALL Rights Reserved
監督:ツイ・ハーク『セブンソード』
出演:シャオ・ジャン「陳情令」、ジュアン・ダーフェイ「春うらら金科玉条」
レオン・カーフェイ『シャドウズ・エッジ』、 フー・ジュン『ボーン・トゥ・フライ』
2025 年/中国/147 分/ビスタ/5.1ch/原題:『射鵰英雄伝:侠之大者』/原作:金庸「射鵰英雄伝」/
字幕翻訳:島根磯美/
shachoeiyuden.com
©2025 CHINA FILM CO.,LTD.ALL Rights Reserved