© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.
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ファンタジー好きにはたまらない その世界に入り込んだような臨場感で繰り広げられる冒険

世の中には2種類の人間がいる。わたしのようなファンタジーが何より好きな人と(逃避型?)、ファンタジーに興味が無い人(リア充?)。ファンタジー世界をリアルに作りこむには莫大なお金がかかることもあって、最近の映画界は、ファンタジー大作を作ることに二の足を踏んでいたような気がする。ファンタジー好きな逃避型の人間には、ちょっと残念な時期だった。

『ホビット 思いがけない冒険』は、そんな憂さを一気に晴らしてくれる必見の超大作だ。ピータ・ジャクソン監督のファンタジー世界を完全に再現する入念さは、今回はHFR 3D(ハイ・フレーム・レート3D)を使った驚異の映像美まで盛り込んだ。

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中つ国に入り込んだような映像体験は圧倒的。劇場を後にしても体験が続いているような気分だ。最初は、クリア過ぎて変な気分だが、ホビット庄の、のどかでコミカルな場面を見ているうちに徐々に慣れてくるだろう。十分慣れた頃にスペクタクルなシーンがいくつも襲ってくる。

未知の映像と造形以上に、人間ドラマ(人間ではないのだが)、に引きこまれてしまう。種族が違う同士。相手のことは何一つ知らず、知りたいとも思わない同士の間に育まれる、尊重と友情に胸が熱くなる。

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こじんまりとした家を整えながら安穏な暮らしに満足しているビルボ(リア充?)。現状に飽きたらず、見果てぬ夢に賭ける男トーリン・オーケンシールド(逃避型?)の間の反目と和解のストーリーなのだ。

それにしても、ピーター・ジャクソン監督の奇抜なアイデアには驚かされる。ドワーフは、白雪姫にでてくる7人の小人である。そのドワーフであり、原作ではおじいさんのトーリンを、ビジュアル系の孤高の王子にしてしまうのだから。二作目『ホビット スマウグの荒らし場』ではどんなアイデアがでてくるのか、今から楽しみで仕方がない。(オライカート昌子)

ホビット 思いがけない冒険
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/thehobbitpart1/