『エクスペンダブルズ ニューブラッド』映画レビュー 船上の戦いと大逆転

消耗品(エクスペンダブルズ)たちが、再び立ち上がった。『エクスペンダブルズ』シリーズは戦争アクション大作。自らをエクスペンダブルズ(消耗品)と名乗る凄腕傭兵部隊の活躍を描いている。『エクスペンダブルズ ニューブラッド』はその第四弾。一味違うキャストに注目だ。

エクスペンダブルズシリーズは、何といっても時代を代表してきたアクションスターが、顔を揃える豪華さが見どころ。一作目『エクスペンダブルズ(2010)』では、シルベスター・スタローンと、ジェイソン・ステイサムに加え、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレン、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガーもカメオ出演。

第二弾の『エクスペンダブルズ2(2012)』では、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガーも本格出演し、ジャン=クロード・バン・ダム、チャック・ノリスも参戦。第三弾の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(2014)』は、今までで一番豪華だった。メル・ギブソン、ハリソン・フォード、アントニオ・バンデラス、ウェズリー・スナイプスも登場。

今回の『エクスペンダブルズ ニューブラッド』のキャストは、今までの豪華な出演陣と比較すると、小粒に見えなくもない。

だが、世界的キャストや女性の参戦に注目。インドネシアの古武術シラットで数々の大会で活躍、アクションスターとして、「ザ・レイド」(11)「ザ・レイド GOKUDO」(13)で話題をさらったイコ・ウワイスの出演がまず目を引く。

そして、タイのアクションスターで、ムエタイ映画「マッハ!」(03/「トム・ヤム・クン!」(05)などのトニー・ジャーも異色な存在を光らせている。「長沙里9.15」(19)、「ローグ」(20)などで、戦争アクションの新境地を開きつつあるミーガン・フォックスも登場。

それでも、最初から最後まで、映画を引っ張るのは、リー・クリスマスを演じるジェイソン・ステイサムだ。彼のしなやかで素早い動きを堪能することが、『エクスペンダブルズ ニューブラッド』の見どころだ。ほかのスターたちは、スクリーンを彩る役割に徹している。現実にはジェイソン・ステイサムの映画そのもの。アジアスターも、女性陣ももう少し活躍シーンや目立つところが欲しかった。

エクスペンダブルズのリーダー、バーニー(シルベスター・スタローン)が、相棒のリー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)を訪ねてくる。パートナーのジーナ(ミーガン・フォックス)と口論中のリーに、バーニーは、酒場で指相撲に負けたため、大事な指輪を取られてしまった。取り返すのを手伝ってほしいというのだ。

だが、彼の本当の狙いは別にあった。CIAからの新たな依頼があり、メンバーをそろえるということ。行先はリビアの化学工場。核兵器がテロリストの手に渡るのを防ぐために。

新旧のエクスペンダブルズチームが顔をそろえ、直ちにリビアに向かうものの、作戦は大きな犠牲を出し失敗してしまう。リーはメンバーを外されてしまったが、なんとか敵討ちに向かう。

映画の後半大部分を占めるのが、航海中の船上だ。暗く、広く、迷路のような船上での戦いは、かのビルを一つ一つ制圧していく『レイド(2011)』や、『バイオハザード(2002)』の地下シーンを思い起こさせる緊迫感があり、狭いところでの戦いが見どころとなっている。大がかりな戦場アクションの醍醐味は薄い。

ラスト近く、リー・クリスマスの絶体絶命シーンは、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の雰囲気を持ち、絶望的な気分に襲われる。だが、そのままのわけがない。この大逆転は盲点だったね。監督は、『ネイビーシールズ』、『ニード・フォー・スピード』のスコット・ウォー。ちなみにこのシリーズは、一作ごとに監督が違う。

(オライカート昌子)

エクスペンダブルズ ニューブラッド
2024年1月5日(金) 全国ロードショー
配給:松竹/ポニーキャニオン
提供:ポニーキャニオン/松竹
©2022 Ex4 Productions, Inc.
映倫区分:R-15
監督:スコット・ウォー
出演:ジェイソン・ステイサム/シルベスター・スタローン/50セント/ミーガン・フォックス/ドルフ・ラングレン/トニー・ジャー/イコ・ウワイス/ランディ・クートゥア/アンディ・ガルシア
公式サイトhttps://expendables-movie.jp/