映画『47歳 人生のステータス』

6月11日(金)より、MIRAIL(ミレール)、Amazon Prime Video、

U-NEXTの動画配信サービスにてオンライン上映がスタートし、

待望の日本初公開となる『47歳 人生のステータス』。

この映画は、さきのアカデミー賞助演女優賞を受賞した『ミナリ』や

2017年のアカデミー賞で作品賞・脚色賞・助演男優賞を受賞した

『ムーンライト』でおなじみのブラッド・ピット率いるプランBの作品だ。

監督と脚本は、映画『スクール・オブ・ロック』(2003年)や

大人気TVドラマシリーズ『エンライテンド』(2011〜2013年)などの

脚本&プロデュースを担当するマイク・ホワイト。

その彼と長年の友人でありながら今作が初タッグとなった

名優ベン・スティラーの主演で贈る、50代を目前にミッドライフ・クライシス(中年の危機)に陥り、その中で人生後半戦を歩み始める中年男性の

悲哀と再生を暖かくユーモラスに描いたドラマである。


「うつ病役」がよく似合う役者ナンバーワンがベン・スティラー! だけに、「自分は負け犬だ」と嘆く主人公役にはピタリと収まる。

お話の3分の1ほどがベン・スティラーの脳内で語られる? 異色作でもある。

中流階級、幸せな家庭を手に入れている47歳の中年男ブラッド。

大学進学を目指すひとり息子のトロイと東部ボストンへ向かう。

ふたり旅の出発点、西部サクラメントの空港にて。

席をアップグレードして息子に父の威厳を見せようとするが、

あえなく、「あなたのシルバーカードでは無理です」となる。トホホ。。。

旅の初日から萎えてしまう父親ブラッド(ベン・スティラー)。

やがて、ブラッドは脳内であれこれと自問し始める。

経済的にも社会的にも成功した旧友たちを羨む彼は、

次第に自分が築いた家族や仕事が果たして最高のものなのかと疑問を抱き始め、自分の人生を見つめ直していく。

ん〜、気分がすぐれない時に見てはいけない映画のようだ。

しかし、不思議なことに、次第にユーモラスな気分に変わっていく。

「これも人生なんだ」と自分も含め愛おしくなってくる。

映画の狙いはそこにある。


今まさにちょうど、ベン・スティラーのコメントが届いたので紹介しよう。

「この映画の雰囲気は、偽りがなくて、面白く、そしてスマート。

僕らはただ『どうしたら幸せになれるのか』を知りたいだけなんだけど、

周りには幸せや成功がどういうものだという考えが溢れている。

インターネット・テレビ・広告や一般的な文化を通してでさえ、

僕らは他人の理想的な生活に常に晒されていて、自分たちと比較するんだ。

『君もよくやってると思うけど、でもあそこにいるあの男見てみろよ』

みたいなね。

(この映画で)僕らは、ブラッドの息子との繋がりや、

自己の不安との繋がりの中を覗いている。


息子のトロイの方が、はっきりした自己意識を持った人物。

彼はまだ世間から影響を受けていないんだよね。

父親のブラッドは失敗や成功、そして拒絶を経験している。

これらの点ではトロイよりも優れている。

監督はそれを取り入れ、批評せずに、繊細な方法で考察しているんだ。

マイク監督がこの作品を監督したがっていたから、とても楽しみにしていたよ。

彼は脚本に多くの時間を割き、どう聞こえ、感じ、見えるべきかという

細部にまで行き届く感覚を持っている。

(現場では)自分の意見を持つ俳優たちを信頼し、

執拗になったり厄介にならずに、欲しいものを手に入れる。

それに、彼は面白くてダークでシニカルなユーモアのセンスを持っているんだ」

続いて、マイク・ホワイト監督のコメントも紹介する。

「本音で語られる男性側のミッドライフ・クライシス(中年の危機)に関する映画を、皮肉っぽく、しかしながら同時に同情も込めて描きたかったのです。

周りの人々は、より大きな人生を歩んでいるように見えますよね。

私たちの生活でのこういった局面が、

映画の中で共感できるように描かれることはあまり無いと感じていました。


自分自身について考えることが、いかに自らの多くの時間を食っていることか。

この映画はすぐに、風変わりで予想しない方向へと進みます。

観客は、ある特定のタイプの映画だと予想するでしょうけど、

私が思うところの、楽しく予想を裏切る方向へと展開します。

私はずっとベン・スティラーのファンでした。

長い間ずっと彼と一緒に仕事がしたいと本当に思っていたのですが、

今までずっと叶わなかったのです。

ベンは、笑える普通の人、みたいな感じなのです。

都会的な野心のようなものを体現する、強烈で、正確なコメディ俳優なので、ブラッドの役柄にうってつけだと感じました」

そう。思わぬ展開が押し寄せる中、

サクラメントにひとり残る奥さんへの電話が心を打つ。

ふと息子の成長した姿に気づくブラッド。

人生の折り返し地点で見えてきた「人生のステータス」とは何なのか。

(武茂孝志)

『47歳 人生のステータス』

監督・脚本:マイク・ホワイト

製作:プランBエンターテインメント

製作総指揮:ブラッド・ピットほか

出演:ベン・スティラー、オースティン・エイブラムス、

ジェナ・フィッシャー、マイケル・シーン、ジェマイン・クレメント、

ルーク・ウィルソンほか

原題:Brad’s Status

製作国:アメリカ

製作年:2017年

本編:102分

配給:STAR CHANNEL MOVIES

配信:6月11日(金)よりMIRAIL、Amazon Prime Video、

U-NEXTにてオンライン上映

価格:通常価格1200円(税込)/MIRAILのみ47歳限定特別割引価格470円(税込)

購入から48時間視聴可能

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