ベストセラーとなった児童文学をドリームワークスが3Dアニメーションで映画化。バイキングの人間たちとドラゴンが戦い続ける島を舞台に、敵同士の少年ヒックとドラゴンの友情、そして大人たちが巻き起こす戦いを描く。監督は『リロ&スティッチ』のディーン・デュボアとクリス・サンダース。
これは…想像以上に良くてビックリした。今年観たアニメ映画の中では一番かも。試写では2Dだったけど、空を飛ぶシーンが多くてスピード感もあるので、3Dで観たらかなり迫力を味わえそう。それから、いろいろな種類のドラゴンたちが実に楽しい。ヒックと親になるドラゴン”トゥース” は、時折キュートな表情を見せるものの、基本形は怖い。その他にも、いわゆる”ブス可愛い”ドラゴンたちが大活躍。エンド・クレジットで見られる原画もセンスがあって、ちょっとグッズが欲しくなる。
ヒックたちが”ドラゴンの巣”を発見する中盤以降からはスリリングな展開で一気に見る。ヒックの人間としての成長、自分を信じる強さ、親子の絆や友情など、これだけ多くのテーマが盛り込まれながらもバランスよく仕上がった快作。何より説得力があるのは「攻撃より前に、相手を敬うべき」であるというメッセージ。これこそ、世界に伝わってほしい!
(池辺麻子)
■アメリカ映画/監督:クリス・サンダース/声の出演:ジェイ・バルシェル、ジェラルド・バトラー