ラブストーリーにぴったりの二人が魅せる本物の優しさに胸熱の一本
主演の二人、チャニング・テイタムと、レイチェル・マクアダムスは共に注目される次世代スター。二人ともラブストーリーがよく似合う。純粋ラブストーリー小説家として有名なニコラス・スパークス作品に出演しているからそう思うのかもしれないが。
レイチェル・マクアダムスの出世作はニコラス・スパークス原作の『きみに読む物語』だし、チャニング・テイタムと言えば、アマンダ・セイフライドと共演した『親愛なるきみへ』が記憶に新しい。
だとしても『君への誓い』は、ニコラス・スパークス原作ラブストーリーとはかなり違う。実話の重みもあるけれど、どんな小説よりもロマンティックだ。フィクションだったらあり得ないよ、と断定したくなるような、よくできたストーリーなのだ。
事故のせいで、夫との恋愛の道筋も生活も忘れてしまった妻を、もう一度惚れさせる。簡単そうだけどそうはいかない。妻は、最近4年間分の記憶がないだけでなく、趣味からライフスタイル、目指すところまで全く違う人になってしまった。
事故までの二人の生活が自由自在なボヘミアスタイルだとすると、4年前のペイジ(妻)の生活はパーティや買い物三昧のセレブライフそのもの。彼女を取り戻すためには、レオ(夫)もそんな生活に自分を慣らさなくてはいけない。そこが映画の一番のみどころでもある。
ペイジを演じるレイチェル・マクアダムスは、ピッタリの役柄。ボヘミアスタイルのペイジもキュートで大人っぽい。記憶をなくしたペイジの方は自分を見出す前の少女的な魅力で見せる。一人の人間を全く違った角度から演じるのだから大したものだ。
レオを演じるチャニング・テイタムは、ハリウッドスターには珍しいアラバマ出身。都会的とは無縁な無骨なイメージだけど繊細な持ち味を最大限に活かしている。
『君との誓い』は、本当の優しさに胸が熱くなる一本。結婚を考えていても、いなくてもカップルでぜひ見て欲しい。
(オライカート昌子)
君との誓い
2012年6月1日(金)より 丸の内ピカデリー ほか全国ロードショー
オフィシャルサイト http://www.kimi-chikai.jp/