
『MaXXXine マキシーン』は、ミア・ゴス主演、タイ・ウェスト監督作品。A24スタジオ製作の新感覚スリラー映画『X エックス(22)』『Pearl パール(23)』に続く三部作の完結編。評判も興行記録も上々のシリーズだ。
一作目二作目は新鮮な個性でおもしろさも抜群だった。三作目の『MaXXXine マキシーン』は、『X エックス』で描かれた惨劇の6年後。舞台をハリウッドに移し、ポルノ女優から”本物のスター”の座へと挑戦するマキシーン(ミア・ゴス)のオーデションシーンからスタート。
オーデションは新作ホラー映画『ピューリタンⅡ』のため。そのオーデションシーンが息をのむほどに素晴らしい。前作『Pearl パール』のエンドロールの延々とパールの表情を見せ続けた名シーンに匹敵する。信念、意欲、やり遂げようとする心意気など、マキシーンのすべてが前面に押し出されてくる。
マキシーンはポルノスターとして頂点に立っているが、次のステップに照準を定めている。実力もある働き者。予定に入っている仕事はやり通す。そこに不気味な横やりが入ってくるところから、王道スリラー映画がスタートする。
三作通して観るとミア・ゴス演じる女性の夢を実現しようとする意思が共通点。同時に臨場感あふれる時代的背景と、エンターテイメントの闇と光が、同じ比重を持って描かれているところにも注目だ。
一作目の『X エックス』の舞台は荒んだ1979年のテキサス。二作目の『Pearl パール』の舞台は、1918年の同じくテキサスだが、第一次世界大戦とスペイン風邪の時代。『MaXXXine マキシーン』は、輝きと暗さを同時に持つ1985年のハリウッド。喧騒ときらびやかさが頂点に達している。
ちなみに『MaXXXine マキシーン』の舞台となった1984年の全米年間興行成績の映画トップ10を見てみると、10位『007美しき獲物たち』、9位『フレッチ/殺人方程式』8位『ポリス・アカデミー2 全員出動!』7位『グーニーズ』、6位『刑事ジョン・ブック 目撃者』、5位『コクーン』、4位『ロッキー/炎の友情』、3位『ランボー 怒りの脱出』2位『ビバリーヒルズ・コップ』、1位『バック・トゥ・ザ・フューチャー』となっている。アカデミー作品賞には『アマデウス』が選ばれている。『MaXXXine マキシーン』で謎の探偵役を演じるケヴィン・ベーコンは、前年の1984年の『フットルース』でブレイク。
MaXXXine マキシーン
6月6日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:タイ・ウェスト
出演:ミア・ゴス、ケヴィン・ベーコン、ジャンカルロ・エスポジート、エリザベス・デビッキ、モーゼス・サムニー、リリー・コリンズ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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公式HP:happinet-phantom.com/maxxxine/ 公式X :@xmovie_jp
|原題:MaXXXine|2024年|アメリカ映画|上映時間:103分|R15+