ブレンダン・フレイザーが、15年ぶりに来日。『ザ・ホエール』の初日舞台挨拶を行いました。その模様をレポートします。
ザ・ホエール解説
ブレンダン・フレイザーとは
ブレンダン・フレイザーは、1968年12月3日生まれの54歳。アメリカ・カナダの二重国籍を持ち、英語、フランス語を話す。シアトルの芸術大学を卒業後の1991年、「恋のドッグファイト」で映画デビュー。ディズニーアニメの実写版リメイク「ジャングル・ジョージ」(97)で人気スター入り。
『ハムナプトラ 失われた砂漠の都(98)』が大ヒットし、「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」(01)、「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」(08)にも主演。その他、『青春の輝き(1992)』、『ゴッド・アンド・モンスター(1998)』、アカデミー作品賞受賞作「クラッシュ」(05)、「センター・オブ・ジ・アース」(08)、「G.I.ジョー」(09)など。
2018年に、雑誌「GQ」のインタビューで、2003年にゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の元会長フィリップ・バークから、セクシャルハラスメントを受けていたと話したことで、その後騒動が勃発。そのゴタゴタがきっかけで、うつ状態になり、出演作が減ったと、その後のインタビューで話しました。
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今回、ダーレン・アロノフスキー監督作『ザ・ホエール』で、華麗に復活。演技派として、新たな姿を見せてくれることになりました。
ダーレン・アロノフスキー監督作『ザ・ホエール』とは
ダーレン・アロノフスキー監督は、『π(1998)』、『レクイエム・フォー・ドリーム(2000)』、『ファウンテン 永遠につづく愛(2006)』、『レスラー(レスラー)』、『ブラック・スワン(2010)』『マザー!(未)』など、評価は高いものの、議論を巻き起こすことの多い作品を数々手がけてきました。
『ザ・ホエール』は、劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作作品です。死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描いています。
『ザ・ホエール』あらすじ
40代のチャーリー(ブレンダン・フレイザー)は、ボーイフレンドのアランを亡くしてから、つらい現実に立ち向かうことができず、過食状態になり、健康を害し、心不全の症状も悪化。
アランの妹・看護師のリズの助けを受けながら、オンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てている。命の危険が及んでも病院に行くことを拒否し続けている。
自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった、娘エリーに再び会おうと決意。彼女との絆を取り戻そうと試みるが、エリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた。
映画『ザ・ホエール』初日舞台挨拶で、ブレンダン・フレイザーが登壇
前回は、ミシェル・ヨーと来日
拍手の中、ブレンダン・フレイザーサンが登壇しました。「『ハムナプトラ3』以来、15年振りにまた日本へ来られたことを本当にうれしく思います。運が良ければまた1本作れるかな(笑)」と一言。また、「桜が散ってしまって悲しい思いではありましたが、少し見ることができてうれしかった。とても美しかったです。今回は京都や大阪に行きたいと思っています。美味しいラーメン屋などだれかご存知であれば教えてほしいな。あと、カメラ屋さんに行ってカメラを買いましたよ」
前回、ミシェル・ヨーと来日しましたね、と問いかけられると、ミシェル・ヨーさんとはこの6カ月間、様々な授賞式などで沢山会う機会がありました。いい友達だし、ミシェルとともに歩めたことをとても誇りに思うし、うれしく思います。」と彼女についてコメント。
ちなみに、ブレンダン・フレイザーさんは、今回のアカデミー賞で主演男優賞を受賞していますが、ミシェル・ヨーさんは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で主演女優賞を受賞しています
愛に対して決して諦めないこと
「この映画は努力をしてやっと手に入れる“希望や贖罪”を描いています。愛に対して決して諦めないことです。自分を傷つけるように過食をし、疎遠になってしまった家族がいる。
チャーリーは、外見では分からない、もっと沢山のものを持っているキャラクターです。今回そんなチャーリーを作り上げるためには、特殊メイクが必要でした。私はその過程にも興味があって撮影はとても面白かったです。
そして特殊メイクをしてくれたエイドリアン・モロットも共にメイクアップ&ヘアスタイリング賞でオスカーを受賞しました。
デジタルでの表現ではなく、身体的な表現が今回は必要でした。物理的な重力の法則に則った作りをしています。チャーリーと出会うことで観客の皆さんは、きっと彼が好きになると思います、僕がそうであったようにね」と、特殊メイクについても語りました。
コロナ禍で撮影された作品。思いやりがスクリーン越しに溢れている
「コロナ禍で制作した作品でした。再び人と集まり、楽しめるという事は本当に素晴らしい。これは忘れてはいけない事だと思いました。この映画には、〈5人の共演者が演じるキャラクター〉という秘密の材料があるんです。
皆がそれぞれ慎重に、お互いの事を思いやりながら作りました。それがこの作品を特別なものにしていて、その思いがスクリーン越しに溢れています。2020年から22年に作られた他の作品にも、きっとそういうものがあると思います」と特別な時期に撮られた作品だということを強調していました。
映画ではめずらしく、監督のダーレン・アロノフスキーの発案により本番前に3週間のリハーサル期間を設けられ、その期間に共演者同士のより親密な交流、絆が生まれたそうです。アカデミー賞をとったので、もう一度ハムナプトラシリーズにキャスティングしてくれるかな、祈ってほしいと締めくくりました。
ザ・ホエール
4月7日(金)、TOHO シネマズ シャンテほか全国公開
配給:キノフィルムズ
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