『トラペジウム』映画レビュー 夢はかなうけど、その先が大事

夢は、叶うんだ! 映画『トラペジウム』を見ると、そう思わないわけにはいかない。言い方を変えると、目的へと向かい、目的地に到着することが、明解。

忘れちゃいけないのは、その先がもっともっと大事だってこと。夢がかなうのは、一瞬の体験。その後どうする? 目の前に広がる無限の大地をどう歩く?

映画『トラペジウム』の原作者は、乃木坂46一期生・高山一実。彼女の長編小説デビュー作が、『トラペジウム』だ。夢をかなえたい少女の10年間を描いた青春がテーマ。雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載し、18年に単行本化、累計30万部を売り上げている。

実際に夢をかなえてきた原作者の作品だから、ストーリーの説得力は強い。アイドルになるのも、長編小説を出版するのも(そしてそれが映画化されるのも)、ハードルの高さは考えてみれば、わかる。

映画『トラペジウム』の登場人物の愛らしさはピカイチ。映像は明るく伸びやか。そしてストーリーもシンプルでわかりやすい。

映画『トラペジウム』の主人公は、高校1年生の東ゆう(結川あさき)。半島地域「城州」の東に位置する城州東高校に通うゆうは、他の3つの方角の高校へと足を運び、かわいい女の子と友達になる計画を進める。なぜなら、彼女にはひそかな野望があったから。

夢へのスタートは順調。その後も順調。だけど挫折は、やっぱり来る。大波は、ゆうを身動きできないくらいの衝撃で揺さぶる。夢へと向かう意欲を取り戻すために、ゆうに必要なものは何なのか。挫折はつきものだし、人生の活力のためには必要なもの。

ちなみに、『トラペジウム』の意味は、ラテン語で台形。ガリレオ・ガリレイによって発見された星団の名前だ。

『トラペジウム』は、夢をかなえる教科書のような映画だと思う。夢を叶えたかったら、ゆうのようにやればいい。頭の中で映像を描き、ノートを作り、自分をコントロールし、着実に動く。そして、夢を達成したい理由をはっきりと胸に抱く。ゆうの場合は。”人間って光る”ってことに気づいたインパクトだ。

原作者の高山一実は、親友の西野七瀬とともに、声優として出演もしている。その役が驚きだ。ボランティア活動で、通訳をしている伊丹秀一(内村光良)の仲間として登場するおじいさんたちの声。このおじいさんたちにも、要注目。

(オライカート昌子)

トラペジウム
『トラペジウム』5月10日(金)全国ロードショー
©2024「トラペジウム」製作委員会
©2023 Aniplex Inc. / Confidential
STAFF
原作:高山一実「トラペジウム」(KADOKAWA刊/『ダ・ヴィンチ』連載)
声の出演:結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花、木全翔也(JO1)、内村光良、
監督:篠原正寛
脚本:柿原優子
音楽:横山 克
主題歌:MAISONdes「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」(Echoes)
制作:CloverWorks(『ぼっち・ざ・ろっく!』『SPY×FAMILY』)
製作:「トラペジウム」製作委員会