『ジャージー・ボーイズ』映画レビュー

(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC ENTERTAINMENT
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「まだ駆け出しの頃、街灯の下で4人して俺たちだけのハーモニーを作った。あの時、ほかのことは消え失せて音楽だけがあった。最高の瞬間だ」

誰もが聞いた事のある楽曲「シェリー」「君の瞳に恋してる」で一世を風靡した伝説的ロック&ポップグループ‘ザ・フォーシンズンズ’の栄光と、一見さわやかな人気グループに思える彼らの意外な経歴・挫折を描いたトニー賞受賞のミュージカルを、失敗作のないクリント・イーストウッドが映画化しました。
80歳を超えてもなお 新たなテーマに挑むイーストウッドですが、思い起こせば1988年に『バード』(Bird)で、ジャズサックス奏者のチャーリー・パーカーの生涯を描いた名作があり、音楽好きは周知の通りです。

さて、Newジャージーの彼ら(ザ・フォーシンズンズ)は軍隊に入る勇気はないので、半端なギャングになって有名になろうと音楽をはじめます。歌手となった4人の中の一人、マネジメントも引き受けるリーダーが、グループがビッグなるにしたがってまとめあげるのに苦労し、ついには仲間からの信頼を失ってしまい、いつしかショービジネスでの成功が、逆に友情で結ばれていた4人に亀裂をいれてしまうのです。

総じて、1960年代から歌い継がれてきた名曲の数々をちりばめた躍動的でご機嫌な展開で、終盤では歌って踊るミュージカルシーンも盛り込まれ、大いに目と耳を楽しませてくれるのです。またまた名作を創ってくれたイーストウッド監督にはまだまだ目が離せません。(中野豊)

■2014年 アメリカ映画/上映時間:134分/監督:クリント・イーストウッド/出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ビンセント・ピアッツァ、クリストファー・ウォーケン、マイク・ドイル、レネー・マリーノ、エリカ・ピッチニーニほか

オフィシャルサイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/jerseyboys/