『ももいろそらを』映画レビュー 公開日:2013年2月1日 映画レビュー(感想)/映画評論 (C)2012 michaelgion All Rights Reserved.テレビ番組「ASAYAN」のディレクターを務めた小林啓一の長編映画デビュー作。各国の映画祭で絶賛された注目の青春映画だ。思いがけず大金を手にしたことから始まる女子高生の毎日を、モノクロームの映像で綴る。 何てことのないエピソードの連なりだが、女子高生たちの会話や仕草に引き込まれるように見入ってしまう。偶然拾った財布から始まった話が、どんどん発展していく過程が面白い。主人公・いづみの毎日の日課が新聞記事の採点というのも興味深い設定。 (C)2012 michaelgion All Rights Reserved.彼女が拾った財布の持ち主は天下り官僚の息子で、いづみの一学年上。イケメンなのでいづみの親友は彼に憧れるが、本人は無愛想な上、何か事情を抱えている様子。いづみはその事情を知るが、親友には違って伝わっている。やがて彼は、いづみたちに新聞作りを提案。しかし、命令だけして本人は動かない上、出来上がった新聞になかなかOKを出さない。いづみは、そんな彼の本当の”事情”を知ることになるのだが・・・。 男勝りのいづみとイケメン男子の、恋愛の絡まない不思議な友情が瑞々しく、思わず笑ってしまうシーンが多い。空を桃色に染めながら消えていく煙のように、うつろいやすい10代の一瞬を見事に切り取った作品。 (池辺 麻子) ももいろそらを 2013年1月12日(土)より 新宿シネマカリテ ほか全国順次ロードショー オフィシャルサイト http://momoirosora.jp/ 関連記事 『ムーンライト』映画レビュー『スティルウォーター』映画レビュー『散歩する侵略者』映画レビュー『ゆきてかへらぬ』映画レビュー 危険な題材と極楽な景色『紙の月』映画レビュー『パラレルライフ』レビュー 投稿ナビゲーション 『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』レビュー『アウトロー』レビュー その2