① 心迷宮
「中国現代映画特集2016」にて、中国公開バージョン上映。
ミステリーの語り口はまるでコーエン兄弟スタイル。見終わった後に登場人物の相関図を思わず書きたくなる面白さ。これぞ大人の娯楽映画。
② 名誉市民
第29回「東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門」他にて上映。
頑固親父の里帰りコメディーかと思わせといて、後半はなんと、デヴィッド・リンチ風おどろおどろしい展開に。作り手のメッセージを持った傑作。
③ シエラネバダ
第29回「東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門」にて上映。
ルーマニアのプイユ監督が驚異的なリアリズムで描く3時間弱の群像劇。カオスと化した狭いアパートに漂うニニ・ロッソのトランペットに感嘆。
④ 天才バレエダンサーの皮肉な運命
第29回「東京国際映画祭 コンペティション部門」にて上映。
ポスターの印象通り、あの『バードマン』を意識した芸術家の葛藤、そして死。娘を絡めた展開もそっくりだけど、ラストの落とし所は本家以上!
⑤ 恋物語
第17回「東京フィルメックス コンペティション部門」にて上映。
韓国国内で上映妨害行為があった、と噂された同性愛ドラマ。終始素直な語り口に魅了される。とにかく、イ・ヒョンジュ監督の次回作に期待大。
⑥ 私たち
第17回「東京フィルメックス コンペティション部門」にて上映。
これまた韓国女性監督のデビュー作。女の子たちの関係に家庭の格差が影を落とす。韓国の映画作り環境がいかに優れているかを知る上でも貴重な一作。
⑦ アクエリアス
第29回「東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門」にて上映。
快作『エリン・ブロコビッチ』を思い起こさせる社会派娯楽作。往年の映画ファンには懐かしや、『蜘蛛女のキス』のソニア・ブラガが全裸で熱演。
⑧ ケチュンばあちゃん
第29回「東京国際映画祭 アジアの未来部門」にて
韓国映画3本目! 10本中、唯一感情移入して観られた祖母と孫娘のドラマ。はたして、12年後に再会できた孫娘は本物なのか。号泣必至の問題作。
⑨ 最後の追跡
NETFLIXにて配信中(2017年1月末日現在)
ある理由で銀行強盗を繰り返す兄弟とテキサス・レンジャーの闘い。切ないエンディングが支持を集め、いつの間にやら作品賞始めオスカーの候補に。
⑩ エルヴィスとニクソン 写真に隠された真実
Amazonプライム・ビデオにて配信中(2017年1月末日現在)
人気を得るために、プレスリーをホワイトハウスに招いたニクソン大統領。史実と知り、ビックリ。マイケル・シャノンがプレスリー役と知り、2度ビックリ。ケビン・スペイシーがニクソン役と知り、3度ビックリ。爆笑。
(武茂孝志)