『タイタンの逆襲』は現代に蘇ったパワフルでマッスルなソード&サンダル映画

タイタンの逆襲の画像
(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC

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『タイタンの逆襲』も、前作『タイタンの戦い』もギリシャ神話をモチーフして作られている。『インモータルズ 神々の戦い』も、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』もだ。それらは、いわゆるソード&サンダル(サンダルを履いて剣で戦う)というジャンル。

かつては大人気だったソード&サンダル映画も、20年ぐらいの間は人気も下火で、映画もほとんど作られていないと思う。再び人気ジャンルとして脚光を浴びるようになったのは、『グラディエーター』、『300 <スリーハンドレッド>』のヒットのおかげだ。

このジャンルの特徴は、多少は特別な力を持っている場合があっても(タイタンの逆襲の主人公ペルセウスは、天上神ゼウスの息子だ)、主人公たちが危機を乗り越える手立ては、知恵と勇気のみというところだろう。履いているのはサンダルだし、手に持っているのは剣だけなのだから、生身度が高い。

タイタンの逆襲の画像
(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC
そしてわかりやすい強さが必要になってくる。つまり肉体だ。肉体が武器なので、敵も、巨大なら巨大なほど戦いが白熱し、見かけが醜いほど、倒された時の爽快感が強い。

『タイタンの逆襲』は、それを究極まで追求している。最初の敵もかなり手強いが、次に出てくる敵はさらに巨大。敵が次から次へと襲ってくる。その分、人間ドラマが薄くなるかと思いきや、ストーリーは切実さを増し、シンプルな分中身も濃くなっている。

スピード感に乗って、迫力満点な映像が繰り広げられる。特に面白いのは、巨神クロノスが閉じ込められているタイタロスの牢獄。ルービックキューブのような迷宮描写だ。そこではお決まりのミノタウロスも登場してくる。

映像、ストーリー、敵、そして戦いの必然性は前作を凌ぐ。足りないところがあるとすれば一つだけ。今回は、話の本筋に女性が登場しないのだ。アンドロメダは再登場するが、その役が女性である必然性は、最後のワンシーンのみだ。別にそれが残念というわけでもない。やるならとことん、どこまでも肉体派の男の世界を突っ走ってもらって構わない。むしろその方が清々しいではないか。                   (オライカート昌子)

『タイタンの逆襲』
オフィシャルサイト http://wwws.warnerbros.co.jp/clashofthetitans2/
2012年4月21日(土)丸の内ピカデリー他全国ロードショー