アベンジャーズは、映画のひとつの到達点でもあり、史上最大のお祭り映画でもある。日本でも全世界でも記録的な大ヒットを記録した。誰にとっても満足度の高い映画であることは間違いないと思う。
アベンジャーズ公開の前に、登場人物の映画の『マイティ・ソー』、『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー 』をヒットさせ、『アベンジャーズ』への期待を盛り上げたのも前代未聞だ。(『アイアンマン』はその前の単独企画)。
アイアンマンのトニー・スターク、キャプテンアメリカのスティーブ・ロジャース、ハルクのブルース・バナー、ブラック・ウィドウのナターシャ・ロマノフ、ホークアイのクリント・バートン、人物紹介もスムーズで、前日譚を見ていなくても違和感なくストーリーの中に入りこめるはずだ。
演技巧者が揃っているため、キャラクターが立っている。共闘をするわけだが、人物同士の葛藤や性格による好き嫌いだって当然あるはず。その描き方も深刻なほど深くなく、なくてもいいのにと思うほど浅くなく、バランスが心地よい。
5人の向かって立つのは、マイティ・ソーでも悪役を演じていたロキ。『戦火の馬』のニコルズ大尉役でも品の良さが目立っていた。ロキ役でも、線は細いが立ち姿の美しさといい、見事な存在感を見せてくれる。こんな悪役見たことないというような。
ところどころに散りばめられたユーモア、才能ある役者たちが繰り広げる演技合戦だけでなく、ラスト30分ほどの長さのアクションシーンは傑出している。これだけ見ても十分な満足は味わえるのではないだろうか。アベンジャーズで、至福の時間を味わって欲しい。
(オライカート昌子)
アベンジャーズ
公式サイト http://www.marvel-japan.com/movies/avengers/