リアル・スティールの画像
(C)DreamWorks II Distribution Co. LLC All Rights Reserved
12月9日(金)より公開中の『リアル・スティール』の来日会見が行われ、ショーン・レビィ監督と、少年マックスを好演したダコタ・ゴヨ君が出席しました。その模様をレポートします。

リアル・スティールとは
スティーブン・スピルバーグが製作をつとめた『リアル・スティール』はロボット格闘技が盛んな世界を背景に、父と子の絆を描いた作品。『ナイト・ミュージアム』のショーン・レビィ監督作品。主演に『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のヒュー・ジャックマン。息子のマックスを演じるのは、『マイティ・ソー』でソーの子供時代を印象的に演じたダコタ・ゴヨ。

あらすじ
才能溢れたボクサーだったチャーリーは、ロボット格闘技が盛んな時代となった今、自分が持つロボットを戦わせる立場になり田舎回りをしていた。資金力がないチャーリーは、大事なロボットを闘いで失い、生計を立てられない状況となっていた。

そんな折、昔の恋人の訃報がもたらされ、息子のマックスの扶養権を譲ることでロボットを買う資金を手にする。チャーリーは、マックスを育てるつもりは全くなかったが、ひと夏だけマックスを預かることになる。なけなしの金で買ったロボットもスクラップとなったとき、マックスがゴミ捨て場で旧型ロボットのアトムを見つけた。

日本に敬意を表したいと思って、日本語のせりふや漢字を入れた

来日記者会見では、最初に挨拶が行われました。ショーン・レビィ監督は、「日本にこれて幸運に包まれています。僕はこの映画を本当に信じていますし、特に日本の方々には受け入れていたいただける映画ではないかと思っております」とコメントしました。

ダコタ君は、日本語で「コンバンハ」と挨拶して、そのあと「コンニチハ」といいなおし、「この映画を楽しんで欲しいと思っています」と笑顔で挨拶しました。役が決まった事に関しては、「最後のオーデションから三日後、家族とキッチンにいたときに連絡がありました。信じられなくて、床を転げまわるほど嬉しかったです。スティーブン・スピルバーグ作品に出れて嬉しくない人はいないと思います」と答えていました。

撮影で使われた本物のATOMも来日しました。
日本に関して、ダコタ君は、「ディズニーランドやディズニー・シーなどいろいろなところへ行ったのですが、とても素敵な人々に会いました。全てが最高に素晴らしいと思いました。見たことのないテクノロジーも見ました。ホテルの外で格闘家のランページ・ジャクソンにも会えたのが嬉しかったし、夢が叶ったような滞在になりました」と答えていました。

ショーン・レビィ監督は、日本語が使われていることや、ノイジーボーイに漢字が書かれていることについて、「ロボットをいろいろと研究し、日本では本当にロボット文化というものがあるものを知り、脚本の書き直しをしているときに、キャラクターやロボットを作り上げていく上で、日本に敬意を表したいと思いました。日本のエンターテイメントの中では、ロボットというのはとても重要な意味をしめているということもよくわかっています」と語りました。

僕、意地悪すぎない?とヒュー・ジャックマンに聞かれた

ショーン・レビィ監督は、ヒュー・ジャックマンを起用した理由について、「素晴らしい身体つきをしているので、元ファイターだったのは容易に信じてもらえると思った」とコメント。さらに、「スクリーンに彼が登場すると、誰もが彼を好きになってしまう。今回はダメなお父さんを演じるわけですが、誰もが共感でき、彼のことをずっと見ていきたいという魅力を持っています」と答えていました。

撮影中のダコタ君とのシーンで、ヒュー・ジャックマンが監督のところへ来て、「ちょっと僕、意地悪すぎなんじゃないかな。こんなにやって大丈夫かな?」と聞いたそうです。監督は「君は、誰にも絶対嫌われないから、君がタフで意地悪なほど、最後になって対比が出て、効果的になるから」と説得したとのことでした。

ダコタ君をキャスティングしたときの状況について、ショーン監督は、「最終候補は何人かいましたが、その残っていた候補者をスピルバーグに見てもらいました。みんな才能溢れた子供たちでしたが、スピルバーグの意見は、演技力だけでない、本物がいるはずだ。特別なものを持った男の子がどこかにいるはずだ。

応援したくなるような、心をわしづかみにされるような、演技だけではないリアル感を持った本物っぽさが欲しい。ということで、探し続けることになりました。表情や、真実味を持っているという意味で、ダコタに会ったとき、まさにスピルバーグが言っていたのは、これだと思わせるものがありました」と語りました。

ロボット対戦のスケールの大きな映像と親と子の絆という人間味あふれるストーリーが『リアル・スティール』の持ち味。監督が一番重要としたのが、ハートの部分だったそうです。

監督によると、「スピルバーグと最初に会ってこの映画のオファーを受けたときに、僕が言ったのは、ロボットの映画はすでにたくさんあるし、中には成功したものもある、でも、この映画は、ハートとソウルがある、ユニークな映画にしたいということ。毎日撮影時にも自分で自分に、感情的な映画にすることが一番優先すべきことだと言い聞かせながら仕事をしていた」そうです。

アトムとマックスの場面には魔法が働いている

また、なぜ今絆というテーマなのかという問いには「今は技術革新の時代ということで、フェイスブック、ツイッターというものがあります。それも、ほかの人間とつながりたいという人間の根本的な欲求から出ていると思います。自分の声を聞いて欲しい、他の人に伝えたい、そういうような要求から生まれていると思いますので、ある意味、人生や命の質というものも、人とつながるということあると思います。ですから、まさに今なのだと思います」と答えていました。

ダコタ君は、実生活で大切にしている絆について聞かれ、答えに詰まったところで監督から「家族と答えなきゃ、ここにいるんだから」と言われ、元気よく、「間違いなく家族です。いつも一緒にいくれて、学校でも撮影でも何があっても話を聞いてくれて、僕の気分をよくしてくれます」と答えていました。

ロボットがとてもリアルだったことを指摘されると、監督は嬉しそうに、「皆さんからいただく一番嬉しいほめ言葉は、ロボットが登場するどの場面がデジタルCG加工で、どこが本物のロボットなのかわからないと言っていただくことです」と言っていました。

「僕たちは、オールドファッションの方法と、最新のデジタル技術を組み合わせているんです。どの場面でも、ダコタとロボットが一緒にいるところは、本物のロボットを使っています。アトムも、ノージーボーイも、アンブッシュもそうです。リモートコントロールで動くロボットです。

全てのダコタとアダムのシーンには魔法が働いているのは、本物の子供が、リモートコントロールで動く本物のロボットと本物のシーンを演じているからだと思います。僕は少年とロボットの絆が今回の作品の要だと思ったんです。それと同時にアトムは、お父さんと息子を結びつける役目もしていてとても重要な存在でした。だからこそ、アトムは実際に作ったんです。」と強く語っていました。戦いのシーンや歩いているシーンではモーションキャプチャーを使っていたそうです。

ロボットが格闘するというテーマについては、「1950年代ににリチャード・マシスンが発表した短編小説に基づいています。ですから50年以上前に発想としてロボットボクシングのプロモーターの話があったのです。ロボットボクシングが生まれた経緯が、映画では人間の肉体は限界がありますが、もっとバイオレンスなものが見たいという観客の要望によって生まれたということにしてあるので、そこは小説とは変えています」と作品の生まれた経緯について語りました。

将来の夢はマーベル作品

お気に入りのシーンについてダコタ君は、「ひとつは、僕とアトムがモーテルの前でダンスをするところで、アトムがダンスができることがわかるところです。もうひとつは、アトムを見つけて、胸のところにアトムと名前がかいてあると気づくところ。アトムがただ死闘を繰り広げる戦うロボットだけではなくて、人間のような心を持っているロボットだと気づくところ」と答えていました。

作品の準備のためのトレーニングに関して、ダコタ君は「ダンスは振り付け師のアン・フレッチャーさんと一週間ぐらい、3分から4分のダンスルーティンの練習しました。今までやったことのないような動きなどを教えてもらって、すごく楽しかったので、それ以来ダンスを続けています」と答えていました。また「僕は格闘シーンはないので、そういう準備はなくって、それ以外の準備は、プロダクションオフィスへ行って、そこで監督と一緒に何度も脚本を読んだことなどです」とのこと。

映画を見た誰もがダコタ君のファンになってしまっている状態をどう思うかと聞かれ、ダコタ君は「とても素晴らしい最高の気分です。やっぱり、ファンなくては、こういう仕事ができませんし、好きになってくれる人がいなくては、なかなか役ももらえません。僕自身も、ツイッターや、フェイスブックのファンページなどでファンと交流していますし、いつもファンの方々を心に留めています」と答えていました。

共演したヒュー・ジャックマンに関しては、「みんなが彼のことをいい人だというけれど、それは本当で、優しくて、素晴らしい人でした。もともとウルヴァリンの映画が大好きなので、彼に憧れていました。他には、ジョニー・デップさんや、レオナルド・ディカプリオさんに憧れています」とのこと。また、将来の夢としては、「マーベル・コミックスの映画に出たい。あと、馬に乗るのが大好きなので、西部劇にも出たい」と語っていました。

記者会見の最後に、今年ブレイク中の芦田愛菜さんが登場すると、ショーン・レヴィ監督も、ダコタ・ゴヨ君も愛菜さんの可愛らしさに興奮してしまうほどでした。監督は、『リアル・スティール2』が製作されたら、ぜひ、出演して欲しいとオファー。ダコタ君は、今まで見た女の子の中で一番可愛いと言っていました。『リアル・スティール』は、2011年12月9日(金)全国ロードショー中です。

リアル・スティール
2011年12月9日(金)全国ロードショー
オフィシャルサイト http://disney-studio.jp/movies/realsteel/