『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』を10倍楽しむポイントとは? 解説・あらすじ

『ミッション:インポッシブル『/ファイナル・レコニング』解説・あらすじ

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』とは

『ミッション:インポッシブル』シリーズは、1966年から1973年まで放送されたアメリカ合衆国のテレビドラマ。『スパイ大作戦』を元にした映画シリーズ。

『ミッション:インポッシブル』の意味は、「実行不可能な指令」。チームが属するIMFは、(Impossible Mission Force)の略称。アメリカ政府が表向き関与できない秘密任務のために選抜された集団です。

『ミッション:インポッシブル『/ファイナル・レコニング』は、8作目にしてシリーズの集大成的な意味を持つ作品。前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023)』の続きとなり、目的はエンティティの脅威との対峙。トム・クルーズのスタントなしの壮絶アクションはさらに上を目指して作られているところにも注目。監督は、第5作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15年)以降、クリストファー・マッカリーが担当。前作で登場したキャストも続投しています。

1996年にブライアン・デ・パルマが監督した第一作『ミッション:インポッシブル』以降、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』まで8作品あります。

第1作『ミッション:インポッシブル(1996)』ブライアン・デ・パルマ監督
第2作『ミッション:インポッシブル2(M:I-2)』(2000年)ジョン・ウー監督
第3作『ミッション:インポッシブル3(M:i:Ⅲ)』(06年)J・J・エイブラムス
第4作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11年)ブラッド・バード監督
第5作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15年)クリストファー・マッカリー監督
第6作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(18年)クリストファー・マッカリー監督
第7作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(23年)』クリストファー・マッカリー監督
第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(25年)』クリストファー・マッカリー監督

前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023)』あらすじ


ロシアのステルス潜水艦「セヴァストポリ号」が事故にあった。原因と思われたのは、人工知能「Entity(エンティティ)」。エンティティは、世界のネットワークに入り込み、自己増殖しながらデジタル情報を手中におさめてしまい、世界を驚異に陥れた。

「Entity(エンティティ)」の脅威を取り除くには、ソースコードが必要。そしてソースコードを得るために二本の鍵に秘密が隠されているらしい。イーサン・ハントと彼のチームは鍵の奪取のために動く。だが、アメリカをはじめとしてどの国もエンティティを手に入れようとしていた。命令を無視し、ワシントンにて反乱を起こしたイーサンと仲間達は追われる立場となってしまう。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』あらすじ


 橋にぶら下がった状態の電車から自分たちを救い出したイーサンとグレース(ヘイリー・アトウェル)、そしてルーサー(ヴィング・レイムス)、ベンジー(サイモン・ペッグ)は、これからどうなるのか。そんなところで、前作は終わった。イーサンらは、捜査官ブリッグス(シェー・ウィガム)とドガ(グレッグ・ターザン・デイヴィス)に追われ、ガブリエル(イーサイ・モラレス)という脅威に直面している。かつてガブリエルの元で働いたパリス(ポム・クレメンティエフ)を仲間に引き入れ、彼らは、“エンティティ”を打ち負かす唯一の武器を手に入れようとする。それは、黒海の底、氷の下に沈む、破壊されたロシアの潜水艦「セヴァストポル」の中にあった。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の見どころポイント

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の見どころ その1 
シリーズの集大成


『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023)』と『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の二作品は、イーサン・ハントの物語として30年にわたる全作品の総括的な役割を担っています。

この2作品でフューチャーされているのが、一作目の『ミッション:インポッシブル(1996)』。ほとんどはシーンの使いまわしですが、象徴的なのが、ヘンリー・ツェニー(キトリッジ)の出演。1作目にIMFの上司キトリッジ役で出演した彼は、『デッドレコニング』と『ファイナル・レコニング』でも同じキトリッジ役、30年ぶりの出演となります。。

登場人物だけでなくストーリーとしてのつながりまで考えられて作られています。オープニングシーンでは今までの戦いが描かれ、ラスト近くにもちょっとしたサプライズ。シリーズを全く見ていない人でも楽しませる作りになっています。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の見どころ その2 
壮絶アクションシークエンス


今回の壮絶アクションシーンは、マッカリー監督がどうしてもやりたかったという潜水艦のシーンと、トム・クルーズがやりたかった飛行機シークエンスが中心。いまだ見たことのない危険シーンの連続は見ごたえ十分。一つのシークエンスに4か月以上の月日を費やし、それ以上の期間準備に費やされています。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の見どころ その3 アクションシーンはタイムリミットが鍵

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は、アクションシーンに限らず、全編タイムリミットが鍵。そのハラハラ感が途切れずに続いていくところがみどころ。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の見どころ その4 
ロケ地


最近は背景はCGというお手軽作品が多い中、背景も本物、実際に俳優たちが現地で撮影している実感が物語の分厚さとして伝わってきます。ノルウェー領で北極圏にあるスヴァールバル諸島、30マイルに及ぶ石灰岩のトンネルを持つイギリスのミドルトン鉱山、真っ青な空が美しい南アフリカのドラケンスバーグ山脈。イタリアの海岸沖に配置されたアメリカ海軍航空母艦ジョージ・H・W・ブッシュの上でも、撮影を3日間行っています。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の見どころ その5 
イーサン・ハントが出てこないシーンにも注目

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は、イーサン・ハントが主演といっても、チームプレイ、別の場所で起こる出来事が大きな意味を持っているのが特色。感動的シーンが繰り広げられる中、イーサンは孤独な戦いを強いられます。よりたくさんの人を巻き込み、よりグローバルなスケールで描かれているところに注目。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の見どころ その6 バックボーンとなる精神

『私たちの人生は、そこまでに自分が行った選択の積み重ねだ』「あなたのすべて、そしてあなたがやってきたことのすべてが、ここにつながった」と、セリフにあるように『ファイナル・レコニング』は“積み重ね”をスクリーンに持ち込込んでいるのが特色。

さらにこのシリーズに6回出演したサイモン・ペッグは、「トムとマッキュー(マッカリー監督)は、いつも、『ミッション:インポッシブル』シリーズは常に上を目指さないといけないと言ってきました。毎回、より大きく、より感動的になっていくべきだと。自分たちを超えることをやってみせるという精神なのです」と言っています。

劇中何度も繰り返されるメッセージは、「仲間を守るため、顔を合わせたことのない人々を守るため」というものもあります。それが作品のバックボーンとして限界を超えさせ、作品の質を高めるものではないでしょうか。人情をベースにしたアクションエンターテイメントとしての特色は見逃せません。

(オライカート昌子)

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
5月23日(金)公開
©2025PARAMOUNT PICTURES.
配給:東和ピクチャーズ
監督:クリストファー・マッカリー(『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』)
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、マリエラ・ガリガ、ヘンリー・ツェニー、ホルト・マッキャラニー、ジャネット・マクティア、ニック・オファーマン、ハンナ・ワディンガム、アンジェラ・バセット、シェー・ウィガム、グレッグ・ターザン・デイヴィス、チャールズ・パーネル、フレデリック・シュミット■全米公開:5月23日■原題:Mission: Impossible –The Final Reckonin