10)レ・ミゼラブル
圧倒的迫力で描かれるミュージカル大作。登場人物がスクリーンの中で演技とともにライブで歌うところが凄い。上手い下手を飛び越えて、覚悟と誇りが伝わってくる。一番のみどころはフォンティーヌ演じるアン・ハサウェイの『夢やぶれて』。さらに後半の革命のシーンの勇壮さにも圧倒される。ただしミュージカルが苦手な人には勧められない。

9)ミッドナイト・イン・パリ

タイムスリップが出てこようと、F・スコット・フィッツジェラルド夫妻やアーネスト・ヘミングウェイがでてこようと、やっぱりウディ・アレン節。気負いのない軽妙なラブ・コメディ。余韻がいい。

8)ヒューゴの不思議な発明

1930年代のパリが舞台。こちらはマーティン・スコセッシ監督が気合満点で描いたファンタジー・アドベンチャー。緻密でダイナックな世界をスクリーン上に完璧に作り出し、夢の世界に誘う。

7)スーパー・チューズデー ~正義を売った日~

政治や選挙の世界の隠された裏側をスリリングに描く骨太な政治サスペンス。選挙は戦争なのだと改めて思い起こされる。見ごたえあり。

6)ドライヴ

静謐なエモーションと緊張感の中に描かれる純愛の美しさ。唐突に起こる暴力描写の凄まじさ。鮮やかで輪郭のはっきりとした印象が、いつまでも残る。

5)ホビット 思いがけない冒険

 © 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.
© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.

映画の楽しさ、面白さの限界を超えようとする意欲作。ファンタジー好きなら外せません。

4)アメイジング・スパイダーマン

マーク・ウェブ監督は、評価が高かった前シリーズを新たな切り口でさらりと凌いでみせた。高校生の日常生活や、思春期時代の迷いやぎこちなさを爽やかに描きだし、青春版アメコミヒーローものという新ジャンルを開拓。

3)アニマル・キングダム

どんな犯罪者でも悪人でも母がいて、家族がいるのは当たり前。犯罪家族でも日常風景は、ありふれているはずだ。家族同士でいるくつろぎが、徐々におぞましいものに変化していく。そこに放り込まれた未成年が知らずに犯罪に加担させられ、なんとか踏みとどまるために戦う。シャープで鮮烈なシーンの一つ一つが脳裏から離れない。

2)マージン・コール

リーマン・ショック前夜の衝撃が少しづつ広がっていく様子を、ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズなどオールキャストを迎えて描いたサスペンスドラマ。抑えの効いた演出と秀逸な脚本が光る。地味なビジネスドラマなのは事実だが、緊張感溢れる本格的な作風で興味を引いて離さない。(劇場未公開)

1)SHAME -シェイム-

センセーショナルな素材ながら、この素材でなければ描けない人間が生きることの根源的の悲しさ、やるせなさを描き尽くした秀作。カメラの長回しや構図など一つ一つが効果的。果敢に挑戦したマイケル・ファスベンダーとキャリー・マリガンの勇気とプライドを見せつけられた。

次点というには惜しすぎる作品も多かった今年。できれば選びたかった作品は、『007 スカイフォール』『ダークナイト・ライジング』、『アベンジャーズ』、『最強の二人』、『声をかくす人』、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』、『ワン・デイ 23年のラブストーリー 』、『フランケンウィニー』等もっともっとあります。来年は更に素晴らしい作品にめぐり会えることを願って。(オライカート昌子)

・2012年公開映画のベスト10 中野豊編
・2012年公開映画のベスト10 池辺麻子編

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