のぼうの城 映画レビューを読む
のぼうの城のジャパン・プレミアと完成披露舞台挨拶が行われました。キャスト、監督が一同に揃った華やかなイベントの模様を詳細レポートします。
のぼうの城とは
映画『のぼうの城』は、直木賞ノミネート、第6回本屋大賞2位の和田竜原作の歴史小説『のぼうの城』をダイナミックかつスペクタクルに映画化した作品。監督は犬童一心、樋口真嗣の2大監督が指揮。主演ののぼう様こと、成田長親を演じるのは、野村萬斎。榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、佐藤浩市など豪華出演陣もみどころだ。のぼうの城 あらすじ
秀吉の命を受けた石田三成率いる2万人の大軍に包囲された忍城。味方の軍勢は、わずか500人。総大将は、”でくのぼう”こと、のぼう様。知恵も勇気も剣の技もないけれど、庶民の人気は高い。石田三成の水攻めにより存亡の危機が忍城を襲う。絶対絶命が迫った時、のぼう様が驚愕の策にでる。
のぼうの城キャスト勢ぞろい
のぼうの城ジャパンプレミアは、本作のイメージを表した、水と火が使われた大掛かりなイベントとなりました。登壇したのは、犬童一心、樋口真嗣両監督と、野村萬斎、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、佐藤浩市の総勢9人。滝の中から現れる演出で、観客の前に姿を現しました。
樋口監督は、ふたりで監督したことについて「あまり大きな声では言えないですが、大変良かったです。普通の映画の倍の演出が入ってて、ツインターボ効果と呼んでいます」と語りました。
初めて時代劇に出演することになった榮倉奈々さんは、「2ヶ月ぐらい乗馬の練習をしたのに、乗馬シーンはカットされてしまいました」と語り、樋口監督が、「なくてもいいかなと思ってカットしたんです。でも乗馬シーンは残ってますよ」と慰めました。一方、佐藤浩市さんは、乗馬のシーンが7割。「楽をさせてもらいました。思う存分馬に乗った」と語っていました。
成宮寛貴さんは、甲冑が重くて、現場が暑くて撮影中3キロも痩せたそうです。「カッコイイだろうなと楽しみにしていたのに、甲冑をつけた撮影は大変でした。もっと動けるんだろうなと思っていたのに、どこか吊られていて、肩も凝った」そうです。
映画の中では成田側家臣の中でもライバルの役どころだった山口智充さんと佐藤浩市さん。撮影中はいつも一緒でとても楽しく過ごしたそうです。「浩一さんと比べて優っているところはありますか?」と聞かれた山口さんは、「これっぽっちもない」と答えていました。
佐藤浩市さんは、山口さんの優れている面として「山口さんの家族とご一緒したことがあったのですが、お子さんの山口さんを見る目をみて、感動しました。父親としての立派な責任を果たしているんだなと感じた」そうです。
モントリオール映画祭でのリアクションは
モントリオール映画祭にも監督たちと一緒に参加した上地雄輔さんは、モントリオールでも観客のリアクションは素晴らしく、よく笑っていたと語りました。同じ豊臣側の武将を演じた山田孝之さんとは、10年ぐらい前に共演して以来、親しくしているそうです。山田孝之さんは、「撮影時には、いつも上地雄輔さんの甲冑を結んでいた」そうです。その理由は、上地さんが、いつまでたっても、甲冑の結び方を覚えなかったからだとか。
犬童一心監督は、映画『のぼうの城』について、「小さい頃に見た、『荒野の七人』や、『大脱走』のような、エンターテイメント作品を作れた」と語り、樋口監督は「キャラ立ちした映画なので、キャラを追いかけるだけでも楽しめる」とのこと。
山田さんは「家族で楽しめるエンターテイメントなので、三世代、4世代一緒に見ても楽しめる」と語り、成宮さんは「壮大な時代劇でもあり、人間ドラマ。劇場で見て欲しい」と語りました。
榮倉奈々さんは、「ちょっとだけロマンスもあって、女性も楽しめる」とのこと。佐藤浩市さんは、「30年以上、この仕事をしてきて、この映画だけは会社の小さな試写室でみたことをとても後悔した。大きな劇場で素晴らしい音響で見るべき映画」と力強く語りました。
念願だった公開がやっと
主演ののぼう様を演じる野村萬斎さんは、「嬉しい。念願だった公開がやっと、という気持ちです。素直に喜びが溢れてくる。この映画は、ちょっとずっこけていて、笑って見ることができる映画。活力をもらって欲しいと思います」と語っていました。
続いて行われたのぼうの城完成披露試写会の舞台挨拶では、ここを見て欲しいというシーンを一人ずつ語りました。野村萬斎さんは、「合戦シーン(私はでていませんが)。わたしが振り付けも担当した田楽踊りは見て欲しい。(下ネタ満載です)」と語りました。
また、榮倉奈々さんは、「エンドロールはぜひ見て欲しい、すごく深い意味があります」と語り、成宮寛貴さんは、「佐藤浩市さんが、野村萬斎さんを叩く場面。本当は叩く予定ではなかったのに、勢いで叩いてしまったらその場面が使われてしまった」と答えていました。
上地雄輔さんは、お風呂の場面は絶対見てくださいと言っていました。その場面では、大谷吉継を演じる山田孝之さんが出演しています。大谷吉継は、好きな武将ランキングでいつも上位だそうです。のぼうの城、ジャパン・プレミアイベントは盛況の内、幕を閉じました。のぼうの城は、11月2日より公開となります。(取材・文 オライカート昌子)
のぼうの城
11月2日(金)全国超拡大ロードショー
出演
野村萬斎
榮倉奈々 成宮寛貴 山口智充 ・ 上地雄輔 山田孝之 平岳大
西村雅彦 平泉成 夏八木勲 中原丈雄 鈴木保奈美 ・ 前田吟 中尾明慶 尾野真千子 芦田愛菜/市村正親
佐藤浩市
監督:犬童一心 樋口真嗣 脚本:和田竜 小学館「のぼうの城」 音楽:上野耕路
主題歌:エレファントカシマシ 「ズレてる方がいい」(ユニバーサル シグマ)
制作:C&Iエンタテインメント、アスミック・エース エンタテインメント/
製作:『のぼうの城』フィルムパートナーズ/配給:東宝、アスミック・エース
公式サイト nobou-movie.jp (WEB/モバイル)