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人間ドラマとアクションの偉大な融合に拍手!
全米でも、派手なブロックバスターやアメコミ原作映画がどんどん封切られる季節がやってきた。
その中でも期待値が高かったのが、本作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』。期待を裏切らない面白さで、今年の夏を代表する傑作になったと思う。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』は、今までの『X-men』シリーズからキャストを一新し、プロフェッサーXとマグニートの若き日を描いている。友情から確執までの流れはよどみなく、ド派手なアクションシーンも一瞬たりとも目が離せない完成度。さすがは、『キック・アス』で名を挙げたマシュー・ボーン監督作品だけのことはある。
キャスティングも素晴らしい。今までのジェームズ・マカヴォイには、華はあるもののどちらかというと小粒感をわたしは感じたりしていた。が、のちにプロフェッサーXとなるチャールズ・エグゼビア役では、オーラ満開の大物感が漂っている。
エリック・レーンシャー(後のマグニートー)役のマイケル・ファスベンダーも、エレガンスたっぷりの魅惑をみせる。この2人の演技合戦と、熱い男とクールな男の友情ドラマは、続きが見たくてたまらなくなった。
プロフェッサーXの器とマグニートーの魅力
今までの『X-men』シリーズでも、人間抹殺計画を企てる悪役のマグニートーの方が憎みきれない魅力があった。本来正義側のプロフェッサーXの方が、エラソーな鼻持ちならない部分を感じさせたりする。この映画を見ると、それも無理ないなと思ってしまう。
「ちょっとつれないんじゃない?プロッフェッサーX」と思うところもたくさんある。
だが、彼も、善を信じ、自分のできる最大のことをやっているだけのこと。不足があろうと、それは器とか、育ちとか、信条とか、個々の人間の持つ、どうしようもない”枠”や『限界』としかいいようがないだろう。そんな人としての枠は、誰もが持っているが、漠然として目に見えないものでもある。
そのあたりのもやもやした人間の重層的なところを、きっちり演じきるジェームズ・マカヴォイはさすがだなと思うし、そこまで深くテーマを掘り下げるアメコミの潜在的な力にはいまさらながら驚かされる。
謎が解かれるクライマックスは圧巻。壮大なアクションと凝縮された人間ドラマが融合され一気に展開する。こんなシーンみたことない、とため息がでるかもしれない。(オライカート昌子)
2011年 アメリカ映画/136分/監督:マシュー・ボーン/出演:ジェイムズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコン、エマ・フロスト、ジェニファー・ローレンスほか、
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』オフィシャルサイト
2011年6月11日(土)TOHOシネマズスカラ座ほか全国ロードショー!