近未来の地球は化学戦争により二つの地域しか住めなくなっている。二つの地域は、支配側である富裕層が住むグレートブリテンと、貧困層の住むコロニーで、それぞれ地球の反対側にある。コロニーに住む労働者は、フォールに乗ってグレート・ブリテンまで仕事に行く。
それぞれの地域の景色も刺激に満ちている。『トータル・リコール』は秀逸なセットの自己主張がとても強い映画といっていいと思う。もちろん、フィリップ・K・ディックの原作を最大限に生かす意味で。
『トータル・リコール』でのコリン・ファレルは、ケイト・ベッキンセール、ジェシカ・ピールといったパワフルな女性陣に負けないチャーミングさと強い存在感で映画に厚みを与えている。
監督はレン・ワイズマン。監督作品『アンダーワールド』、『アンダーワールド:エボリューション』と同じく、『トータル・リコール』もテンポよく、エンタメ的センスと美的感性のバランスが引き立つ一作。
(オライカート昌子)
トータル・リコール
2012年8月10日(金)より丸の内ピカデリー他全国ロードショー!
オフィシャルサイト http://www.totalrecall.jp/