ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルの画像
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『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』がいよいよ12月16日(金)より公開となります。それに先立って、主演と製作を兼ねるトム・クルーズ、出演のポーラ・パットン、ブラッド・バード監督が来日、会見を行いました。その模様をリポートします。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』とは
往年の人気テレビシリーズをトム・クルーズ主演・製作で映画化した『ミッション:インポッシブル』シリーズの5年ぶりの新作。『アイアン・ジャイアント』、『Mr.インクレディブル』、『レミーのおいしいレストラン』などアニメ映画で高い評価を得た、ブラッド・バード監督が、実写映画初挑戦。共演は、『ハート・ロッカー』、『ザ・タウン』のジェレミー・レナー、『プレシャス』で教師を演じたポーラ・パットン、前作に引き続き出演のサイモン・ペッグ。

あらすじ
ロシアの刑務所に収監され、その後脱獄に成功したイーサン・ハントに新たな任務が与えられた。それはクレムリンに浸入すること。ところがクレムリンが何者かに爆破され、イーサン・ハントたちに容疑がかけられる。事件との関与を取りざたされたくない米国政府は、米国極秘諜報機関IMFの存在を抹消。つまりゴースト・プロトコルが発令される。バックアップのないまま、イーサン・ハントとそのチームの3名は、核によるテロを未然に防ぐ戦いに直面する。

違ったリズムを持つ4人が組み合わされることでハーモニーが生まれた

来日会見会場には、映画の中で出てくる砂嵐を模したセットが作られました。トム・クルーズさんは、「日本に来れたことを名誉に思っています。砂嵐にあったりいろいろな目にあいました」と挨拶しました。

監督は、「日本に来たのは『Mr.インクレディブル』、『レミーのおいしいレストラン』のプロモーションで来て以来の三度目です。今日ここに砂丘を作っていただいて、僕も撮影時のことを思い出しました。当時はトムの目に砂が吹きかけられて大変だったのですが、今日はそういう演出がなくてありがたく思っています」とのこと。

ポーラ・パットンさんは、「わくわくしています。日本に来たのは初めてです。夢が叶ったような、なんて幸運なんでしょうと思えるぐらい幸せです」興奮した面持ちで挨拶しました。

今回の映画の中では4人のチームワークが光っていましたが、そのチームについて聞かれ、トムさんは、「ファンタスティックでした。素晴らしいキャストも監督も楽しみの連続でした。長い撮影時間ですが、毎日、今日はなにができるのかな、と楽しみながら撮影していました。映画を作ることはチームワークが必要です。今回のチームには誇りを持っています」と答えました。

さらに監督については、「彼が恥ずかしがるぐらい、褒めたいと思います。『アイアン・ジャイアント』や、『Mr.インクレディブル』などは僕も大好きな作品です。ストーリーテラーとしても、フィルムメイカーとしても観客をひきつける力を持ったマスターと呼べる監督です。今回は、初めての実写アクションだったのですが、第一作目にかかわることができて、本当に光栄に思います。また人間としても本当に素晴らしいです」と褒めちぎりました。

監督はチームに関して「最高のキャストと最高のスタッフがそろいました。トムとはずっと仕事を一緒にしたいと思っていたのですが、なかなか実現できないと思っていたのですが、今回実現できて嬉しく思っています。

今チームについておっしゃっていたのですが、トム、サイモン・ペグ、ポーラ・パットン、ジェレミー・レナーの4人がそれぞれ違ったリズムを持っていて、それが組み合わさったとき、4重奏のような、ハーモニーが生まれました。4人がそろっているシーンは、僕が大好きなシーンです」と答えていました。

世界1のビルでも恐怖心はなかった

アニメと実写の一番の違いについて聞かれたブラッド・バード監督は「俳優を使えるということが一番大きな違いですね。映画としての言語はアニメでも実写でも同じなのですが、実写では、即興ができます。撮影中でもアイデアが沸けば、それをすぐに試してみることができます。

テイク3をとった後で、全く違う方法でテイク4を撮れるわけです。全て映像に収めていますから、いろいろなアイデアを並べて後で選ぶことができます。アニメでも即興らしく見せることはできますが、実際には小さな動きを積み重ねて、ひとつの目的に向かって作っていくのがアニメの方法です。

素晴らしいキャストだったので、アイデアも出してもらえるし、変更があっても不満ひとつ言わずやってくれました。実際、脚本も変わっていったので、フラストレーションも溜まったかもしれませんが、みんな遊びに来ているようでした」と答えていました。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のみどころのひとつが、地上828m、世界一の高さを誇る、ドバイの超高層ビル”ブルジュ・ハリファ”でのスタントシーン。それに挑んだのがトム・クルーズさん。恐怖心はなかったかと聞かれ、「僕は怖くないんです。4歳のころ、GIジョーごっこをして、シーツを身体に結びつけてガレージの屋根からジャンプしたこともあります。

パラシュートが開くと思ったんです。足を離したときには、これはまずいと気づきましたけれど。幸い前の日に雨が降っていて、地面がぬかるんでいたので、顔が泥だらけになるぐらいですみましたが。もし、ママに見つかったら殺されると本気で思いました。

そんなことをいつもやっていたので、昔から高さは全く怖くないんですが、高さを尊敬していないわけではありません。とても挑戦的ですからね。今回の撮影では、数ヶ月訓練して、どのように撮るか考えました。でも、これをデザインしたのは、ここにいる監督なんですよ」と答えていました。

チームの紅一点ジェーン・カーターを演じるポーラ・ハットンさんは、キャラクターについて、「ジェーンは、とても複雑な内面を持ち合わせていて、無邪気なところや弱さもあります。それと同時に、強さも持っています。劇中では、愛しい人が殺されてしまった喪失感やミッションに失敗してしまった敗北感などを乗り越えて、一回り大きな人間になっていくところなどに彼女の強さを感じます。

強さの象徴として特に男性のようにただやっつければいいというだけでなく二面性を持っているところが面白いキャラクターです。私と似ているところもたくさんあります。私も戦うことが好きで、ファイトシーンなどはとても楽しんだのですが、心の中にはおしとやかな部分ももちろんあります。あのファイトシーンでは内面の怒りを思い切りぶつけることができて爽快感がありました」と答えていました。

厳しいロケや撮影を乗り越える秘訣はディーン・マーチン

厳しいロケや撮影を乗り越える秘訣について、トム・クルーズさんは、「まず、わたしは、自分がやっていることが大好きということ。観客に楽しんでもらうことがとても好きなんです。チームの一員となって、ストーリーを語ることに情熱を感じるのです。そして興味がわくことにはのめりこんでしまうのです。

それと、今までもいろいろな仕事でさまざまなトレーニングをしてきました。いつかは本番の時間がきてしまうわけですし、とにかくやる必要のあることはただやる、ということですね。

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でも、映画の仕事ができることに感謝しています。今までの人生でずっと、観客を楽しませることを続けてこれたことは、なんて幸運なことだろうと思います。エキサイトできて、何かの一部になれることに情熱を感じます。この気持ちは今後年をとろうと、決して消えないと思います。

そして、お互いにインスピレーションを与え合うとういうチームの団結力がこの映画には出ていると思います。そういう瞬間に立ち会えるのは素晴らしいことです。たとえば、監獄の場面がありますが、監督が選んだのがディーン・マーチンで、歌が流れます。

あのアイデアには驚きました。そういうことがあると、眠れなくなるぐらい興奮してしまいます。そういう人たちと仕事ができることがエネルギーの源になっています」ここで監督が「つまり、正しい答えはディーン・マーチンということですね(笑い)」と結論を出しました。

最近チャレンジしたミッションで、これは無理だよというものはありましたか?という問いに、ポーラ・パットンさんは、「この映画の撮影が始まったとき、五ヶ月の息子がいて、どうやったら両立できるだろうか、これは不可能じゃないかと初めは思いました。眠れない日々を過ごしつつ、何とかやりぬくことができました。

というのも、本当に素晴らしい機会を得て、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のような映画に出演できること自体驚きだったのです。ですから、やり抜くしかないと不可能に近いミッションを完遂することができました」と答えました。

監督は、「わたしが不可能と思えたミッションは、今回の映画の大規模なサイズですね。巨大な映画の割りに、スケジュールはすごく短かった。今回の映画は、『ミッション:インポッシブル』シリーズの中では一番大きな規模の作品でしたが、一番たくさんの予算をもらえたわけではなかったんです。

そういった意味で、何か問題が起きても、すぐにその場で解決しないと、どんどんお金がなくなっていって、いろいろなアイデアを試せなくなってしまう。ですが、なんとか作り上げることができました。コツは、不可能(インパッシブル)と思っても、それを認めないということかもしれないですね」と答え、そこでトムさんが、「ネバーギブアップ」と付け加えました。

トムさん自身の答えは、「不可能と思うことは全くない」ということ。ここで監督が、「きっと、不可能だと思うことが不可能なんじゃないですか?」と聞くと、トムさんは、笑いながら、「そうです」と答えていました。

トムさんが、製作者として目指したものは何ですかと聞かれると、「私のプロデューサーとしての役目は、スタッフがベストな環境で仕事を行える環境を作ることです。そして本当に人々を楽しませたいと思っています。そうやって作られたものは、観客が、スクリーンに釘付けになって、ポップコーンを食べる手が止まるような映画であって欲しい。(実際に動作をしてみる)。

それを僕らは、ポップコーンモーメントと呼んでいます。ストーリーが面白く、遊園地の乗り物に乗っているようなスリルを最後まで味わって欲しい。この映画は、それを成し遂げたと信じています。この映画の一部になれたことに誇りをもっています。ミッション完了という言葉は、僕が言うのではなく、観客の皆さんに言って欲しいと思います」と締めくくりました。

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
2011年12月16日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国超拡大公開
オフィシャルサイト http://www.mi-gp.jp/