『アメイジング・スパイダーマン』来日会見レポートのその2では、好きなシーンや、キスシーンについて語ったいただきました。

成長の旅路を個人的に描いた

マーク・ウェブ監督の画像
監督のマーク・ウェブさん
長編二作目でヒットシリーズのリブート版を監督する気持ちについて聞かれ、マーク・ウェブ監督は「もちろん、プレッシャーはありました。ですがそれ以上に興奮もあり、ファンタスティックな気分でした。また17歳の頃の自分に戻れるということも。夢がかなったと思いました。

規模の大きい映画なので、素晴らしいキャストとクルーと協力してつくり上げることができ、毎日が光栄の連続でした。2年という長い時間がかかりましたが。しかし、これは若者の、一人の映画だと思っています。

そのキャラクターを心に留め、彼らの成長の旅路を個人的な方法で大切に描ければ、大きなアクションですらリアリスティックに感じられるのではないかと思いました。ですのでひとつひとつの感情、緻密さ、ドキドキの加速度、大きなスコープを大切に作りました。この映画それを達成できていればいいと思います」と語っていました。

完成した作品を見た感想と、好きなシーンを聞かれ、アンドリューは、「見たのはつい最近です。IMAXの3Dで観ました。僕は3歳の頃から、スパイダーマンの大ファンでした。このキャラクターが動く姿を、3Dで観れるというのは 本当に素晴らしいアイディアです。自分が飛んでいるような興奮を覚えました。

でも僕が彼な訳で、混乱しながら観ました。彼の役割、困難、犠牲、何を探しているのか、そして運命。今の僕の人生をかたちづくったとも言えるくらい重要なキャラクターです。それになりきってこのスーツを着るというのはもう圧倒的でした。トビーの仕事を継げたのも名誉です。

好きなシーンはたくさんありすぎるのですが、僕は自分が出ていないスタントの彼らがでているすべてのシーンを挙げます。そして映画そのものが好きなシーンでもあります」と語っていました。

自分の姿を巨大な3Dスクリーンで見るのはおすすめできない

エマ・ストーンの画像
グウェン役のエマ・ストーンさん
エマは、「出来上がった本編を観るのは楽しかったです。でも自分をみるのはおすすめできないですね。だって3Dで、しかもあんなに巨大なんだもの(笑)。映画はすごく大好きでした。スパイダーマンと3Dは完璧なマッチですね。スパイダーマンのために3Dがあると言っても良いくらい。

私はニューヨークに住んでいたので、ニューヨークの景色がとても美しく描かれていたのも嬉しかったです。好きなシーンは、ピーターが色々と試しながら力を見つけていくシーン。ユーモアがあるシーンが特に好きです」と答えました。

リースは、「僕は日本語が本当は上手いんですけど、今日は英語で話しますね(会場笑)。エマが言ったように、私も初めて3Dで自分の姿を見て、とても奇妙に感じました。あんなに大きなトカゲを見るのは貴重な経験ですよね。技術の進歩に驚きましたよ。CGの中に自分がいる、そのリアルさに良い意味で嫌でもあり、同時に感動も覚えました。

好きなシーンはたくさんあるのですが、強いて言うなら、1つはスパイダーマンがコンクリートの壁に押し付けられ、それでもニューヨークの街を見上げるシーン。もう1つはおばさんのために卵を持って帰るシーン。世界を悪から守るという大きな仕事しながらも、でも小さな約束も守る。それがこのキャラクターの恒久的な人気に繋がっているのだと思います」

リザードの存在は警告

リース・イーヴァンズの画像
リース・イーヴァンズさん
ガーフィールドさんは、役が決まったとき、またスーツを初めて着たときどんな気持ちでしたか、という質問に、アンドリューは、「抜擢されたときは、本当に純粋に夢がかなったという喜びでした。言葉でも、絵画でも歌でも言い表せない程のものでした。とにかく今までの人生で一番素晴らしい気持ちでした。

スーツは、かゆくて着心地が悪かったです。トイレにも行きにくいし。残念なんですが、そこで、夢は崩壊しました。・・・というのは冗談で(笑)、監督と衣装デザイナーがデザインしたとても美しいスーツに圧倒されました。今でも時々喜びがふつふつと沸いてくるくらいです」と答えていました。

日本にもいろいろモンスターはいますが、リザードという「人々の恐怖の対象」をどのような気持ちで演じましたか? と聞かれ、リース・イーヴァンズは、「モンスターは、今までもいろんな映画に出てきました。リザードは人の命を救いたいという飢えのような欲望から生まれるのです。ただし、彼は冷血動物の心が人間の倫理に影響を及ぼすという点を見逃していました。

リザードという存在は「警告」だと思うんです。人間のそういった技術がどんな影響を及ぼすのかという警告。彼を怖いと思うのであれば、それは人間が怖いということ。つまりモンスターは人間の中にいるということだと思うんです」と答えました。

発見と同時に秘密を共有するキス

前回1月の来日記者会見で「ステキなキスシーンがあるから期待しててね」と語ったエマ。ピーターとグウェンの恋愛関係は、今後どうなるのでしょう? と聞かれ、「リースの答えがあまりにも完璧で、その後に応えるなんて。代わりに応えてくれる?」とリースに言うと、「じゃあ僕がアンドリューにキスしよか?」とリースが答え、会場は爆笑。

エマはニコリとして「ぜひ(笑)」と答え。「キスシーンはとても気に入っています。これがこの作品のアイコン(前シリーズのキスシーンがMTVベストキス賞を受賞したように)になるかどうかは皆さんに委ねると話しましたので、ぜひご覧になった皆さんのご意見を伺いたいです。

ピーターがスパイダーマンだと解った瞬間のキスで、発見と同時に秘密を共有するということでもあり、そこが素晴らしいです。今後の展開については私も同じ質問をしたいくらい。今脚本を書いているところだそうで、コミックにはたくさんの要素があるので、どうなるのかとても気になっています」と答えました。

高校生役に対して抵抗はありませんでしたか? 特に屋上のシーンは、本当に恋をしている二人に見えますが。という質問に、アンドリューは「演技は難しいです。(会場笑)。ティーンエイジャーを演じるにあたり、過去に戻ってみて、あのときどんな気持ちだったか、どんな体の動きだったかを思い出す作業をしました。

思春期は誰もが経験していることで、僕もいろんな感情が芽生え、自分探しの危機もありました。初恋は人生を変えるような経験。ミュータントよりも初恋の人の方が大事で、危機的な状況でもそちらに気が行くのは分かります。こういった経験しながらも、街を救う、街を守るという運命を選んでいくピーター。誰もが思い出せる気持ちを持っている、それがスパイダーマンだと思います」と答えました。

エマは「私は高校生役だったらいつでも引き受けます。後は年をとるばかりだから」と答え、なごやかで温かい笑いがいっぱいの会見が終わりました。

前ページでは作品情報/あらすじ、その他プロデューサーのお二人にアメイジング・スパイダーマン制作意図などを語っていただきました。

アメイジング・スパイダーマン
2012年6月30日(土)より、TOHOシネマズ日劇ほか世界最速3D公開
オフィシャルサイト http://www.amazing-spiderman.jp/